く~にゃん雑記帳

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<京都地名研究会> 創立20周年記念パーティー

2022年04月25日 | メモ

【来賓の日本地名研所長「来年の全国大会は京都で」】

 京都地名研究会(小寺慶昭会長)は4月24日、京都市の都ホテル京都八条で「創立20周年記念パーティー」を開いた。この研究会は京都を起点に各地の地名を比較研究しながら地域の文化と歴史への認識を深めようと2002年春に発足した。パーティーには約50人が出席。来賓の日本地名研究所所長金田久璋氏は祝辞の中で、来年の「第42回全国地名研究者大会」を京都で開催する計画であることを明らかにした。(写真は記念パーティーで挨拶する小寺慶昭会長)

 京都地名研は発足以来、研究発表の場として地名フォーラムや講演会の開催、年会誌「地名探求」や会報「都藝泥布(つぎねふ)」の発行、地名ウオークの開催などに取り組んできた。現在の会員数は京都府を中心に14都府県の116人。活動を長く牽引してきたのが創立以来13年間にわたって会長を務めた吉田金彦顧問(姫路獨協大学名誉教授)。吉田氏は「平成の大合併」を振り返りながら「歴史と地理を無視した地名の軽視が掛け替えのない文化遺産を消滅させる」「地名を疎かにすれば国は滅びる」と繰り返し警鐘を鳴らしてきた。その吉田氏と2代目会長を5年間務めた綱本逸雄名誉会長のお姿が記念パーティーの会場で見えなかった。小寺会長によると「闘病中」とのこと。お目にかかることができなくて残念至極。お二人にとっても痛恨の極みだろう。

 日本地名研究所は各地の地名研究団体や研究者でつくる全国組織。民俗・地名学の泰斗、谷川健一氏を初代所長に1981年に創設された。2021年には節目の第40回全国地名研究者大会を創設地の川崎市で開催し、今年は第41回大会を11月19~20日、福井県立一乗谷朝倉氏遺跡の新博物館オープンを記念し福井市で開く予定。京都地名研の記念パーティーに来賓として列席した4代目所長の金田久璋氏(写真㊦)は、来年の全国大会について「京都の地で民俗学会も巻き込んで開催したい」「地名研究の後継者づくりに尽力したい」などと述べた。

 京都地名研は記念パーティーに先駆けJR京都駅前の龍谷大学アバンティ響都ホールで20周年記念講演会を開いた。聴講者は非会員も含め約80人。最初に登壇した言語学者の笹原宏之・早稲田大学教授は「地名の漢字から読み取れること」の演題で講演した。地名の〝東西分布〟の代表例として「谷」の訓読みが西日本では「たに」、東日本では「や」が多いことや、〝局地分布〟の例として地名での使用が宮城県内にしかない「閖(ゆり)」を挙げながら、そうした分布の背景について歴史的文献を基に詳述。「漢字から地名を見ていくことで、地名を表記するための文字を選び決めた過去の人々の意識や生活・文化が垣間見えてくる」などと話した。続いて「歴史と地名学」と題し講演した服部英雄・九州大学名誉教授は「地名研究には歴史学・民俗学・地理学・言語学などからのアプローチが考えられるが、実際にはそれらは混然と絡み合っている」「地名の発音自体は変化しづらく、漢字表記より音が大事」などと指摘した。

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