く~にゃん雑記帳

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<和歌山県立博物館> 企画展「きのくにの宗教美術」

2021年10月02日 | 美術

【仏像や仏画、神像など38点、うち24点が初公開!】

 和歌山県立博物館で8月28日から開催中だった企画展「きのくにの宗教美術―神仏のさまざまな姿」も10月3日で最終日を迎える。今年が創立50周年に当たる同博物館では県内各地の寺社が守り続けてきた文化財の掘り起こしと公開に力を注いできた。この企画展でも出展中の仏像や神像、仏画など38点のうち初公開が24点と実に6割も占めていた。

 初公開のうち如意輪寺(有田川町)の「弘法大師像」は鎌倉時代の作で、寺伝によると鳥羽法皇から熊野御幸の折に寄進されたという。画絹(えぎぬ)の退色が進み剥落も多いため全体的に暗く不鮮明だが、赤外線画像では大師の姿がくっきり浮かび上がってくる。霊験寺(和歌山市)蔵の「一字金輪曼荼羅」(写真、鎌倉~南北朝時代)は赤身・三目・六臂で智拳印を結び、一見愛染明王のようにも見える。個人像の「高野山参詣曼荼羅」(江戸前期)は縦約1.7m、横約1.4mの大画面に、聖地高野山の諸堂のほか墓石や地蔵までも描き込まれている。参詣者など人物描写だけでも88人に上るそうだ。

 前坊観音堂(紀の川市)に伝わる「千手観音及び地蔵菩薩・毘沙門天像」(室町時代)はバンザイをするように脇手2本を頭上に掲げ、その掌上に化仏を載せる。いわゆる〝清水寺式千手観音〟といわれるもので、脇侍も左に毘沙門天、右に地蔵菩薩を配しており京都の清水寺本堂と一致する。初公開の文化財にはほかに深専寺(湯浅町)蔵の「東大寺大仏殿曼荼羅」(室町~桃山時代)、大崎観音堂(海南市)蔵の「宝冠釈迦如来坐像」(室町時代)、道成寺(日高川町)蔵の珍しい中国・明時代の「鉄製丸瓦」なども展示されていた。

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