【黒光りするロゼット状の葉が美しい「黒法師」】
アエオニウムはベンケイソウ科アエオニウム属の多肉植物の総称。原産地は温暖なアフリカ北部~地中海沿岸で、主にモロッコやカナリア諸島などを中心に40種ほどが分布する。原種をもとに多くの園芸品種が生み出されており、観葉植物として人気が高い。肉厚のへら状の葉がまるでバラの花のようにロゼット状に広がるものが多いのが特徴。茎が1m前後になる大型種から高さ10cmほどの小型種まであり、葉の色や形、模様なども様々なものがある。
アエオニウムの中で最もよく栽培されているのが「Aeonium arboreum(アエオニウム・アルボレウム)」を母種とする「クロホウシ(黒法師)」。葉は光沢のある黒紫色で、茎の上部に葉を放射状に広げる。草丈は20~100cmで、アエオニウムの仲間の中ではかなり大きくなる。属名アエオニウムは「永遠に生きる」を意味するギリシャ語に由来し、種小名アルボレウムは「樹木の」を意味する。
生長期は秋~春で、暑い夏を迎えると休眠に入る。クロホウシの魅力は黒光りするシックな葉の色合いだが、品種によっては日光不足になると色が褪せてしまう。わが家のクロホウシも晩秋から初春まで長く室内に取り込んでいるうち緑色になったが、1カ月ほど前から外に出し日差しに当ててやると次第に黒い色を取り戻してきた。クロホウシには葉の縁や中央に斑の模様が入った「艶日傘」「まだら黒法師」「サンシモンバイオレット」などの品種もある。まれに春、小さなキクのような黄花を密に付けるが、開花すると株が弱って枯れてしまうこともあるそうだ。