く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<サツキ(皐月)> 生け垣や公園の植え込み、盆栽にも

2018年05月22日 | 花の四季

【日本特産なのに学名はなぜか「インディクム(インド産)」!】

 ツツジ科ツツジ属の常緑低木で、関東以西から四国、九州、屋久島にかけて分布する。園芸品種が生け垣や公園、道路沿いの植え込みなどに広く使われ、盆栽としても人気だが、本来は渓谷の岩場など厳しい自然環境の中で自生する。陰暦の5月(皐月)の頃に花が咲くことから「サツキツツジ」と命名され、略して一般に「サツキ」と呼ばれるように。ホトトギス(杜鵑)が鳴く頃に咲くことからサツキに「杜鵑花」という漢字が当てられることもある。

 ツツジの仲間の中では花期が最も遅く、ツツジが咲き終わる5月半ば頃から6月にかけて朱赤や紅紫色の花を付ける。直径3~5cmほどの漏斗状の合弁花で、5つに裂けた花片の中央上弁に濃い斑点模様が入る。葉はツツジに比べると細くて小さい。刈り込みに強いうえ花付きがいいのが特徴で、住宅街などで石垣の間に植え込まれた玉づくりのサツキを見かけることも多い。

 主な国内産地は三重県鈴鹿市や栃木県鹿沼市。鈴鹿市は最もよく植えられている代表的な園芸品種「大盃(おおさかずき)」(通称「三重サツキ」)の主産地になっている。鹿沼市は園芸用の鹿沼土の産地として知られるが、1972年から毎年開いている「さつき祭り」も有名。今年も5月26日~6月4日に開催の予定で、開幕を告げる初日の花火大会は初夏の風物詩にもなっているそうだ。両市の「市の花」はもちろんサツキ。他にもサツキを市の花に制定している自治体は数多い。三沢市、和光市、厚木市、海老名市、白井市、豊川市、大垣市、守口市、門真市、池田市、橋本市、丸亀市、廿日市市……。

 サツキは日本特産だが、不思議なことに学名は「Rhododendron  indicum(ロードデンドロン・インディクム)」。種小名の「indicum」は「インドの」を意味する。本来なら日本産を表す「japonica(ジャポニカ)」や「japonicum(ジャポニクム)」であるべきなのに……。古い時代に西洋の植物学者が命名した学名の中にはサツキのほかにも原産地を間違ったものがある。例えば落葉高木のエンジュ。こちらは中国原産にもかかわらず学名は「Sophora japonica」と日本産になっている。「庭石を抱てさつきの盛りかな」(三宅嘯山)

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