く~にゃん雑記帳

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<大垣まつり> 神社前でからくり芸と少女の舞踊を奉納

2018年05月13日 | 祭り

【13両の軕が城下町を巡行、夜は幻想的な提灯飾り】

 岐阜県大垣市の八幡神社(通称大垣八幡神社)で12日、約370年の伝統を誇る「大垣まつり」が始まった。国指定の重要無形民俗文化財で、「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコの無形文化遺産にも登録されている。大垣の山車は「軕(やま)」と呼ばれる。〝試楽〟の12日には各町内から曳き出された13両の軕が神社前と市役所前でからくり芸や少女たちによる舞踊を奉納した後、別々に太鼓や笛のお囃子に乗って練り歩いた。日が落ちると〝夜宮〟。神社前の水門川沿いに再び勢揃いした13両は午後7時になると提灯に一斉に点灯、1両ずつ鳥居前で片方の車輪を持ち上げぐるぐる回転する軕回しなどを披露した。

 大垣まつりは1648年(慶安元年)、初代藩主の戸田氏鉄(うじかね)により八幡宮が再建されたとき、城下18郷が神輿3社を寄付し、軕10両を造って曳き出したのが始まりという。79年には3代藩主から〝三両軕(さんりょうやま)〟と呼ばれる神楽軕、大黒軕、恵比須軕を下賜された。その後、濃尾震災や戦災などで多くの軕が被災・焼失したが、順次再建・復元が進められ6年前の2012年、70年ぶりに藩主下賜の3両と町衆の10両合わせて全13両が揃った。

 

 12日には鳥居前でまず神楽軕が巫女などによる人形神楽を披露した。舞台の下から棒で操っているそうだが、とても人形とは思えない軽快な身のこなしだった。この後、布袋軕や相生軕、愛宕軕、菅原軕などが続いた。別名天神軕とも呼ばれる菅原軕のからくり人形は「大垣まつり」という文字書きを披露し、見事な筆遣いに観客から拍手が沸き起こった。操作する人はこの本番に向け繰り返し練習を重ねたに違いない。

 

 玉の井軕と松竹軕にはとりわけ華やかな雰囲気に溢れていた。前面に設えられた踊り舞台に色とりどりのあでやかな晴れ着姿の女の子たちが5~6人。1人で、あるいは全員で「お夏清十郎」「大垣音頭」「紅葉の橋」「越天楽」などを舞った。演目を紹介するめくりには踊り手の名前に加え年齢も書いていた。その中には1人で見事に踊りきった7歳や8歳の女の子も。お人形さんのようなかわいらしい踊りを、多くの観客が食い入るように見つめていた。

 

 豪華な軕の造りやからくり、少女舞踊の魅力もさることながら、驚いたのは500店ともいわれる露天の多さ。八幡神社周辺や大垣城東側の目抜き通りなどを埋め尽くす露天には圧倒された。境内にはお化け屋敷も出現し、女の子たちの甲高い叫び声が途切れることなく遠くまで響いていた。〝本楽〟の13日は神社前で奉芸した後、神楽軕を先頭に全13両が列を成し城下町を約8.8km巡行する予定だった。だが大垣観光協会に13日午前中に伺ったところ、あいにくの雨天のため巡行は中止になったそうだ。その恐れもあると思って12日に訪ねたのが正解だった。

 

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