く~にゃん雑記帳

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<ムジークフェストなら①> 能舞台で「びわ湖ホール4大テノール」コンサート

2017年06月11日 | 音楽

【春日野園地では「あおぞら吹奏楽」人気マーチングバンドなど出演】

 音楽の祭典「ムジークフェストなら」が10日開幕した。「音楽で奈良を元気に」を合言葉に2012年にスタートして今年で6年目。25日までの16日間、奈良市を中心に県内全域はクラシックやジャズ、ポップス、邦楽、沖縄エイサーなど多彩な音楽一色で彩られる。初日には奈良春日野国際フォーラム甍(いらか)の能楽ホールでびわ湖ホール4大テノールによる「オープニング・ガラ・コンサート」が開かれた。若草山を間近に望む春日野園地では県内の吹奏楽部などによる「あおぞら吹奏楽」が高らかに鳴り響き、近鉄奈良駅などでの「駅前ウェルカムコンサート」も始まった。

 開幕コンサートに出演したびわ湖ホール4大テノールは滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールに所属する4人のテノールで2010年に結成された。いずれもオペラのソリストとして活躍する実力者ぞろい。最近は愛知や徳島など近畿圏を飛び出して活動範囲を広げ、テレビやラジオなどへの出演機会も増えてきた。さらに今年1月にはバドミントンのタカマツペア(高橋礼華・松友美佐紀組)、リオ五輪400mリレー銀メダルチームとともに「関西元気文化圏賞 ニューパワー賞」を受賞。来年3月には東京単独公演も決まっている。

 注目度が高まる中で開かれたこの日のコンサートも満席の盛況だった。前半のオープニング曲は「琵琶湖周航の歌」。続いて「荒城の月」「からたちの花」「平城山」「イヨマンテの夜」「帰ろかな」など日本の歌曲や歌謡曲など7曲を4人全員またはソロで披露した。後半は「オペラの魅力」と題して4人それぞれが得意とするオペラのアリアから始まった。竹内直紀はプッチーニ「蝶々夫人」より「さらば愛の家よ」、二塚直紀はレオンカヴァッロ「道化師」より「衣裳をつけろ」、清水徹太郎はヴェルディ「リゴレット」より「女心の歌」、そして山本康寛はドニゼッティ「連隊の娘」より「ああ、今日はなんと楽しい日」。山本の軽やかな高音の響きが印象的だった。

 オペラの後はこのユニットの名物コーナー「テノールdeコント」。この日は「就学旅行は大変だ!の巻」と題し、リーダーの竹内が先生役を務め、生徒役の3人は学ランやセーラー服姿で登場した。修学旅行で奈良にやって来たとの設定で、生徒たちは鹿のぬいぐるみを持ったり、鹿のふんをまねたチョコ豆を口にしたり。愉快なパフォーマンスを交えながら「大仏なら…」「奈良の春日野」「巣立ちの歌」の3曲を歌った。「私たちはオペラ歌手です。芸人ではありません」。竹内のそんな軽妙なトークもあって、会場は終始笑いに包まれた。続いて「イタリアン・カンツォーネ・メドレー」。4人で「サンタ・ルチア」「カタリ・カタリ」など4曲を熱唱し、「フニクリフニクラ」では替え歌「鬼のパンツ」も愉快な振付付きで披露した。アンコールも4曲と大サービス。ここでもプッチーニ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」で荒川静香さん(トリノ五輪フィギュアスケートメダル)を真似てイナバウアーをやるなどして、会場は最後まで笑いが絶えなかった。

  

 春日野園地での「あおぞら吹奏楽」には奈良市や生駒市などの中学校合同バンドのほか、日本を代表する人気マーチングバンドの京都橘高校吹奏楽部も登場し、見事な演奏のたびに広大な芝生広場を埋め尽くした観客から大きな拍手が沸き起こった。近鉄奈良駅前の行基広場ではこの日「さうりる4Trombones(トロンボーンズ)」など3グループが演奏した。この広場では最終日の25日まで連日ジャズグループなどが交代で登場する。駅前コンサートはJR奈良駅や近鉄大和八木駅前でも開かれる。会期中に県内の社寺や美術館、ホールなどで開かれるコンサートは実行委員会主催分だけで71回に上り、市町村などとの連携コンサートも64回予定されている。加えてカフェやレストランなどでも〝まちなかコンサート〟が連日繰り広げられる。

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