く~にゃん雑記帳

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<フクシア(ホクシャ)> 釣りのウキのような花姿から和名は「ツリウキソウ」

2017年06月03日 | 花の四季

【英名は「レディーズ・イヤードロップス(貴婦人の耳飾り)】

 中南米原産のアカバナ科フクシア属の半耐寒性低木。日本には昭和の初めに鉢花として入ってきたといわれる。4~6月頃、4枚の萼片(がくへん)と花弁を吊り下げたような可憐な花を咲かせる。花の真ん中から下向きに長い雌しべが突き出す。和名はその花姿を釣りで使うウキのように見えるとして「ツリウキソウ(釣浮草)」と呼ばれる。英名は「レディーズ・イヤードロップス(貴婦人の耳飾り)」。小さな風鈴を下げたような様子をイヤリングに見立てた。

 フクシアの名付け親は中南米の植物の採集・研究に取り組んだ17世紀のフランスの植物学者シャルル・プルミエ(1646~1704)。「ドイツ植物学の父」の一人といわれるレオンハルト・フクス(1501~1566)に因んで命名した。プルミエはベゴニアの名付け親としても知られる。フクシアの原種は「トリフィラ」「マゲラニカ」「フルゲンス」など約100種が主にメキシコやチリ、アルゼンチンなど中南米に自生する。

 ヨーロッパで19世紀に栽培や交配が盛んに行われ、さらに20世紀に入ると米国でも人気が高まり愛好者が急増した。1929年にアメリカフクシア協会が設立されたのに続き、38年には英国フクシア協会が発足した。これまでに生み出された園芸品種は数千種に上るという。フクシアには花びらのような萼片と筒状の花弁の色が異なるものが多い。そのコントラストが美しいこと、花の形や大きさが変化に富むこと、花期が長いことなどが欧米での高い人気につながっているようだ。一重咲きのほか半八重や八重咲きのものもある。

 フクシアは涼しい気候を好み、高温多湿にやや弱い。そのため長い梅雨と夏の猛暑がある日本では夏越しがなかなか難しいとされてきた。そんな中で〝夏に強いフクシア〟を謳い文句とした日本発の新品種が登場し人気を集めている。兵庫県の西宮市植物生産研究センターとサントリーフラワーズ(本社東京)が共同開発した「エンジェルス・イヤリング」シリーズだ。これまでに品種登録したものは14種に上る。「フクシアや異星の人の吊り人形」(光晴、「ムーの植物図鑑 花と俳句」から)

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