く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<シメ(鴲)> 羽毛の色合いが美しいアトリ科の渡り鳥

2016年03月26日 | 小鳥たち

【名前は地鳴きの声から? ずんぐりした体形に太い嘴】

 25日午前、梅の小枝から地面に降り立って何か黒い実をくわえ食べていた。庭で見かけたのは今回が初めて(多分これまでも来ていたが気付かなかっただけだろう)。アトリ科の渡り鳥で、ヨーロッパ~アジアの中緯度の温帯・亜寒帯域に広く分布する。日本でも北海道や本州の山地で繁殖し、秋になると本州中部以南に移動するが、中国東北部やサハリンなどからの渡来・越冬も確認されているという。

 集団で渡来するが、その後は主に単独で行動する。体長18~20cmでスズメより大きくムクドリより小さい。ずんぐりした体形で、嘴(くちばし)は文鳥のように太くて短い。好物はエノキ、ムクノキ、カエデ、ヒマワリ、ヒエ、アワなどの木や草の実や種子。どんなに堅い実でもその頑丈な嘴で噛み砕く。繁殖期には昆虫も餌とする。雄は雌に比べ全身の色彩が豊かで、白・黒・褐色・灰色などのコントラストが美しい。

 奈良時代には主に「ひめ」と呼ばれた。万葉集には2カ所に登場する。巻1―0006に「宮の前に二つの樹木あり この二つの樹に斑鳩(いかるが)と比米(ひめ)と二つの鳥 大(いた)く集れり」、巻13―3239に「末枝にもち引き懸け 中つ枝に鵤(いかるが)懸け 下枝に比米を懸け……」。いかるがは奈良・斑鳩の里で多く見られた同じアトリ科のイカルのこととみられる。後者の歌は囮(おとり)を使って鳥黐(とりもち)でシメ、イカルを捕まえるように、という比喩的な内容。

 「ひめ」の呼び名は一説に、よく似たイカルより少し小さいことからともいわれる。平安時代には「ひめ」と「しめ」が併用され、江戸時代になって「しめ」に統一された。シメの語源は「シ」が地鳴きの「シッ」から、「メ」はスズメやツバメ、カモメなどと同様、小鳥や群れを表す接尾語の「め」から、という説が有力視されている。

【追記】27日朝9時すぎ、ふと小宅の庭を見ると、来ていた、来ていた、またシメが! やっぱり、これまで気付づかなかっただけだったようだ。

 

 

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