【地中海沿岸地方原産、正式名は「レウカンセマム・パルドーサム」】
原産地はアルジェリアなどの北アフリカやスペイン、ポルトガルなどの南欧で、地中海沿岸地方に広く分布する。正式な学名は「レウカンセマム・パルドーサム」(和名キク科フランスギク属)。ノースポールはその園芸品種で、種苗会社の「サカタのタネ」が品種改良して生み出した。
日本に入ってきたのは1970年頃。もともとは半耐寒性多年草だが、高温多湿に弱いため日本では秋蒔き1年草として扱われることが多い。草丈は20cm前後で、盛んに枝分かれしノジギクに似た小花をたくさん付ける。直径3cmほどの白い舌状花で、中心の管状花(目の部分)は黄色。花期は1月頃から5月頃までとかなり長い。日光を好んで、夜や雨・曇りのときには花が少し閉じる。
寒さに比較的強く育てやすいこともあって人気があり、パンジーやプリムラなどとともにこの時期に欠かせない草花になっている。最盛期には花壇やプランターなどを一面白く埋め尽くす。その様が北極の白い世界を連想させることから「ノースポール(北極)」と名付けられたそうだ。一度育てると、そのこぼれ種で翌年また芽を出すことも多い。
「パルドーサム」はレウカンセマム属に細かく分かれる前、クリサンセマム属(キク属)に分類されていた。そのため、この「パルドーサム」は同属だった黄花の「ムルチコーレ」とともに園芸上「クリサンセマム」と呼ばれていた。その名残からノースポールなどは今でもクリサンセマムと呼ばれることもある。