映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ソウル・サーファー」

2012年06月20日 | 日記

   

     サメに襲われ左腕を失いながらも、プロを目指して再起した実在のサーファ
     ー、べサニー・ハミルトンの実話を映画化したものです。

     2003年、ハワイの海とサーフィンをこよなく愛する13才の少女べサニー(アナ
     ソフィア・ロブ)は、夜間サーフィン中にサメに襲われ、一命は取りとめたもの
     の左腕を失ってしまいます。
     すべてに絶望し、サーフィンを辞めて新しい生活をはじめようとした彼女でし
     たが、どうしてもサーフィンを忘れることが出来ず、再びプロサーファーを目指
     すことを決意、家族や友だちに支えられながら、厳しい特訓を繰り返し、遂に
     競技会に出場するまでを描いています。

     監督は「冬の恋人たち」のショーン・マクナマラ。
     主演はアナソフィア・ロブで、「テラビシアにかける橋(2007年)」に出ていた
     美少女はその後どうしてるのだろうと思っていたら、明るく前向きに突き進
     んで行くこの作品の主人公役でした。彼女なかなかいいですよ。
     共演はヘレン・ハント、デニス・クエイド、ジャック・ニコルソンの娘ロレイン・
     ニコルソンが主人公の親友役で出ています。

     作品的には大傑作とは言いませんが、実話の持つ強みでしょうか主人公
     の生き様が素晴らしいし、率直に感動する内容を備えています。
     それと「ファミリー・ツリー」とはまた少し違って、ハワイの海が美しく、この
     海はもう一人の主演者でもありますし、登場するサーファーたちの妙技も
     見ものです。
     実在の人物べサニー本人もエンディングに登場して見事なライディングを
     披露してくれます。

     SFXは随所に使用されていますが、最近のアクション映画もいいけど、失
     った左腕の処理とか、俳優さんたちのサーフィン場面を創り出すことなどに
     上手く活用されています。
     あまり話題になっていませんが、良心作なので良かったらご覧ください。
                       (6/13 T・ジョイ博多 5日目 13:10の回 6人)

            
            ↑べサニー・ハミルトン本人。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「ニーチェの馬」

2012年06月19日 | 日記

   

     1889年、ドイツの哲学者ニーチェは、イタリアのトリノでムチに打たれ疲弊
     した馬車馬の首に抱きつき、そのまま卒倒して精神が崩壊してしまったと
     伝えられています。
     「ヴェルクマスター・ハーモニー」や「倫敦から来た男」などで知られるハン
     ガリーの異才タル・ベーラ監督は、その疲弊した馬がその後どうなったの
     か・・・をイメージして製作したのがこの映画です。

     モノクロームの画面で、老いぼれた駄馬がひく荷馬車と、馬車を操る老人
     のシーンから始まりますが、全編を通してワンショットの長いシーンが続き、
     「一日目」~「六日目」と老人は娘と食事をして厩の掃除をしたり薪を割っ
     たり、娘も老人を助けて水汲みをしたり、食事の用意といってもジャガイモ
     をゆがくだけ、そんな単調な行動の連続で、セリフはほとんどありません。

     老馬も段々と動かなくなりエサを食べようとしなくなります。
     そしてとうとう大事な井戸が涸れてしまうのです。ランプの灯をつけても消
     えてしまい、押寄せてくる静寂の闇、老人も娘も向き合ったまま動きませ
     ん・・・。そこで映画は終わります。
     その後どうなったかは観客が想像するしかないのです。

     タル・ベーラ監督は、この映画は自分の最後の映画と公言していて、この
     芸術作品を見るのが当り前といった風格を備えているのは間違いありませ
     んが、私たちは映画は娯楽が大前提という精神を忘れてはいけない・・・も
     しそうでなければ必ず問題提起をしろと教えられてきていますので、監督
     の一人よがりの自己満足映画としか思えないのが残念です。

     勿論いくつか興味あるシーンはありますが、見ていてとても疲れるし、居心
     地が非常に悪いのです。
     と言っても当然賛否両論ありでしょう・・・。私の他愛ない感想とは違ったお
     考えをご披露いただけたら、これまた非常に嬉しいことです。
                        (6/12 KBCシネマ 4日目 12:30の回 30人)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「昼下りの情事」 (再映ですが・・・)

2012年06月18日 | 日記

   

     この映画は映画館で、そしてテレビの放映で何度も見ています。
     今回は、福岡・KBCシネマの"映画黄金期の名作をスクリーンで楽しもう"で
     見て来ました。

     内容は皆さんよくご存知と思いますので詳しくは省略しますが、オードリー・
     ヘプパーン主演のパリを舞台にしたロマンチックコメディです。
     彼女としては二度目のビリー・ワイルダー監督作品で、彼の計算された演出
     が見もので、背伸びした純情娘を演じたヘプパーンの魅力を大きく引き出して
     います。

     相手役のゲーリー・クーパーが決して悪いとは言いませんが、この時のヘップ
     バーンが28才、クーパーが56才で、クーパーが老け過ぎが一寸ばかり気にか
     かります。
     監督は最初、ケーリー・グランドで撮ろうと思っていたそうで、この配役が実現
     していたら、また違ったポジションを獲得していたかも知れません。
     もう一つ配役の妙は父親役にモーリス・シュバリエを持ってきたことで、しびれ
     ます。

     更にもう一つ、音楽の素晴らしさです。全編に流れる「魅惑のワルツ」はこの
     映画のために作られたものではありませんが、作品にマッチして雰囲気を大
     いに盛り上げています。

     この映画は製作が1957年でモノクロですが、なんら遜色はないし、とても55年
     前の映画とは思えないくらい素敵です。
     55年前ですよ、55年経った現在、技術的な進歩はありますが、映画の本質的
     な中身はどれだけ進歩したのでしょうか、今の製作陣はもっと反省し、勉強して
     もらいたい想いがしきりです。
                          (6/12 KBCシネマ 4日目 10:00の回 15人)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「愛と誠」

2012年06月16日 | 日記

   

      いつもこのブログにお立ち寄りくださり、厚くお礼申し上げます。
      私のブログは月曜~金曜を原則に映画を中心に書かせていただいていま
      すが、最近は見た映画が溜まり過ぎること、映画の他にも書きたいことが
      沢山あり、土曜も書くことが多くなりました。

      見終わっている映画は「ニーチェの馬」「ソウル・サーファー」「シグナル 月
      曜日のルカ」「スノーホワイト」などで、順番で書こうと思っていたものの、
      時々最新作を入れて書く順番を変えます。
      という訳で、本日見てきた「愛と誠」を取り上げました。

      1970年代に大人気だった梶原一騎・ながやす功の同名コミックを改めて映
      画化したものです。
      物語の舞台となるのは1972年の新宿。両家の令嬢・早乙女愛(武井咲)は、
      幼いころに危機を助けてくれた少年が成長した大賀誠(妻夫木聡)と運命的
      な再会を果たします。

      札付きの不良となっていた誠を立ち直らせようと献身的に尽くす愛は、不良
      の集う花園実業高校に自らも転入します。
      誠が心を通わせはじめる由紀(大野いと)や、愛を追って花園にやってきた
      優等生の岩清水(斉藤工)、スケバングループのガムコ(安藤サクラ)ら、それ
      ぞれの想いが交錯、やがては学校全体を巻き込んだ大乱闘になって行くの
      でした・・・。

      監督は三池崇史で音楽監督に小林武史、ダンス振り付けにパパイヤ鈴木を
      迎え、昭和の歌謡曲を使って多くの場面をミュージカル仕立てにしています。
      俳優も上記に加えて市村正親、余貴美子、一青窈、伊原剛志、加藤清史郎
      などと結構厚いのですが・・・。

      前々回に書いた「ホタルノヒカリ」で、あまりにも薄っぺらな作品だと散々ボヤ
      いたばかりですが、引き続きこの作品も最低最悪で、私は最後まで辛抱して
      見るのに大苦労でした。
      「十三人の刺客」とか「一命」で正攻法の堂々とした演出をみせてくれた三池
      監督ですが、今回は全くいただけません。
      批評家の連中が新機軸だと褒めている気持ちが私には判りません。
      演出も脚本も編集も、そして演技陣もいいところ一つも無しで、監督は自己満
      足の世界ですから仕様がありません。
      俳優さんも誰一人として今後のプラスになる人はいません。
      とにかく全てにひど過ぎます。もうこれ以上述べる気になりません。
                      (6/15 TOHOシネマズ天神 初日 15:00の回 24人)


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「決闘の大地で」

2012年06月15日 | 日記

   

     「ブラザーフッド」「PROMISE 無極」「マイウエイ 12,000キロの真実」の韓流
     スター、チャン・ドンゴンは、韓国映画界のみならずアジアのトップスターの
     一人と言えましょう。
     その彼がハリウッドデビューを飾った韓国製西部劇で、勿論セリフはオール
     英語です。

     幼少より暗殺集団"悲しき笛"に属し、戦いにすべてを捧げてきた寡黙な戦
     士ヤン(チャン・ドンゴン)は、ついに最強の刺客を打ち破りますが、敵の一族
     も皆殺しにするも掟なのに、最後に残された赤ん坊だけは殺すことが出来な
     かったのです。
     "悲しき笛"の指令を無視して彼は赤ん坊とともに海を渡り、アメリカ西部の
     小さな街へと逃亡します。
     だが間もなく追っ手に居場所を知られ、街の仲間やサーカスの仲間とともに
     壮絶な戦いが・・・。

     監督はこの作品が劇場映画デビューとなるイ・スンムですが、この人は過去
     の西部劇や日本の時代劇を数多く見て勉強している形跡が伺えます。この
     監督の次回作が楽しみですが、韓国はユニークないい新人監督が輩出して
     羨ましい限りです。

     画面の彩度を上げた独特の映像とアングルで、荒唐無稽な無国籍ガン・アク
     ション仕立てですが、理屈抜きに面白いし、チャン・ドンゴンが上手く生かされ
     ています。
     ヒロインには「ラスベガスをぶっつぶせ」のケイト・ボスワース、「英国王のスピ
     ーチ」のジェフリー・ラッシュらが色を添えています。
     更にもう一つ、日本から「GANTZ」のアクション監督だった下村勇二が特別参
     加してアクション画面作りをしていることも娯楽クション映画として成功の一因
     でしょう。お時間を割いて是非ご覧ください。
                          (6/11 キャナルシティ 4日目 9:30の回 7人)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする