映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「人類資金」

2013年10月31日 | 日記

   

     1945年の敗戦直前、日本軍の反乱兵たちによって大量の金塊が海に沈めら
     れます。
     それはGHQによって接収され、極秘に運用されてきたといわれる、通称「M
     資金」をめぐって2014年に繰り広げられる陰謀を描いた作品です。
     「亡国のイージス」でも阪本監督とタッグを組んだ作家の福井晴敏による書き
     下ろした小説を、福井と阪本監督が共同で脚本を執筆しています。

     金融ブローカーを名乗って詐欺を繰り返す真舟雄一(佐藤浩市)の前に、石優
     樹(森山未來)という男が現れ、M資金を管理しているという財団「日本国際文
     化振興会」が真舟を待っていると告げられます。

     M資金の存在を疑いながらも真舟は財団のビルを訪ねた時、高速美由紀(観
     月ありさ)が率いる秘密組織の襲撃を受けますが、石の助けられて連れて行
     かれた先で本庄一義(岸部一徳)という男から「報酬50億円を出すので10兆円
     のM資金を盗み出してほしい」と依頼され、真舟はM資金に隠された秘密をめ
     ぐる争いに引き込まれて行くのでした・・・。

     上記のほか香取慎吾、オダギリジョー、仲代達矢、韓国のユ・ジテ、アメリカ
     のビンセント・ギャロと中々の豪華キャストだし、ロシア、タイ、アメリカの4カ国
     で撮影が行われ、米映画以外では初となるニューヨークの国連本部での撮影
     も行なわれています。

     と書けば期待させられるし、大作の臭いがしますが出来上がったモノは、これ
     がプロが作った映画かと思うくらい支離滅裂で説得力がない作品です。
     M資金といえば誰もが興味を持つ題材であり、これを巡る醜い人間の本質を見
     たかったのですが、結局は何を描きたかったのか訴えたかったのか良く判りま
     せん。キャストも少し辛口かも知れませんが合格点は森山未來のみです。

     それでも滑り出しは興味をそそられるし期待したのですが、直ぐに肩透かしを
     食らいました。
     もっと構成を変えるなり、整理をすれば面白い作品になっただろうと思いますが、
     期待はずれの一番の責任は脚本です。そしてこの脚本に振り回された監督で、
     残念至極です。


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映画 「陽だまりの彼女」

2013年10月30日 | 日記

   

     ”女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1”というキャッチコピーが話題に
     なり、発行部数が60万部を超えたといわれる越谷オサムの同名小説の実
     写映画化です。

     広告代理店の新人営業マンの浩介(松本潤)は、奥手で彼女もいない毎日
     を送っていましたが、仕事先の下着メーカーで、中学時代の同級生真緒(上
     野樹里)と10年ぶりに再会します。
     中学時代は転校生で、いじめられっ子だった真緒は浩介にとっては初恋の
     人、彼女は見違えるほど美しい大人の女性になっていました。

     二人は恋に落ち、やがて結婚を決意するのですが、真緒には誰にも知られ
     てはいけない不思議な秘密があったのです・・・。
     監督は「ソラニン」「僕等がいた」の三木孝浩で、原作にも登場し、物語とも
     かかわるザ・ビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」がテーマソングとなって
     いますし、山下達郎が書き下ろした「光と君へのレクイエム」がエンディング
     を飾るという趣向です。

     原作は未読ですが、きっとファンタジックなラブストーリーだろうと推測します
     し、文字の世界だからこそ想像して楽しめたのだろうと思います。
     でも映像化は無理で、それは難しいと言うより不思議な秘密、そして物語の
     オチには映画を見て愕然とする始末です。
     上映館は若い人たち中心に大入りで満足でしょうが、勝てば官軍で入れば
     勝だとすればお寒い話ではないでしょうか。
     ストーリーも演技も駄目、これでは二人のアイドルのためのイメージビデオと
     言われても仕様がないと思います。


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博多座「宝塚歌劇星組公演/柚希礼音スペシャル・ライブ REON!!Ⅱ」

2013年10月29日 | 日記

    



     博多座10月公演「宝塚歌劇星組”REON!!Ⅱ"」に行って参りました。
     去年、東京と大阪で上演された舞台ですが、装いも新たにバージョンアップ
     されたと伝えられている公演で、柚希礼音にとっては三度目の博多座です。

     この”REON!!Ⅱ"は星組トップの柚希礼音スペシャル・ライブで、彼女の歌と
     ダンスを中心に纏められている舞台です。
     今年の4月には台湾公演を成功に導き、今や存在感大の柚希礼音ですが、
     歌も上手いけど幼少時からバレエを習っていたそうで、特にダンスが素晴ら
     しいと感心しました。

     今回驚いたのは充実した舞台もさることながら、客席とのコラボが微笑まし
     いというか盛り上がりです。
     舞台だけでなく客席通路をフルに使い、彼女も降りてきて観客に博多弁を
     交えて話しかけたり、ファンの質問に答えたりしていました。

     準主役の紅ゆずる・十輝いりすの二人も、博多座従業員になりきって制服
     姿で1~2客席に出没して観客を喜ばせたり、柚希礼音も加わってのコント
     は大いに笑わせてくれたし、全観客が起立して舞台のフリを練習して一緒
     にやったり・・・ファンクラブとか親衛隊も全国から駆けつけていたようですが、
     こんなに盛り上がってパワフルな楽しい宝塚公演を見たのは初めてでした。

      
       ↑ 今回ご一緒したのは紺野ユカさん(もと大映女優)と私の
         モバイルの先生である亜里沙さん。

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大映宣伝部・番外編 / 古い写真の思い出 ( 43 )

2013年10月28日 | 日記



  
  ↑ 勝ちゃん・米倉斉加年を迎えての試写会。 ↑ 後援者の会にもよく顔を出しました。

     俳優さんたちが地方に出る機会は、地元に帰省することを除いて、ロケ・
     特別イベント・新作キャンペーン・上映館ご挨拶・館主パーティなどがあり
     ます。
     その他ではプライペィドの旅行もありますが、これらの多くは宣伝部が責
     任をもって対応していたものです。

     そういう中で、私がいた九州に誰が一番多く来ただろう・・・と考えてみまし
     たら、十数回で勝ちゃんがダントツでした。
     一緒に鹿児島に入ったことが多かったのですが、とにかく上記に上げた理
     由をほとんどこなす格好で来ていて、中でも極秘来福岡を私一人で対応し
     たなんて場合もありましたよ。

     キャンペーンのラストは、1970年に勝プロとして製作した岡本喜八監督の
     「座頭市と用心棒」で、勝ちゃんのほか三船敏郎・若尾文子・嵐寛寿郎・
     米倉斉加年が共演した娯楽大作でした。
     大映が配給したものの勝プロとしても力が入っていて、九州には必ず行く
     からと言ってくれて実現したキャンペーンで、福岡出身の米倉斉加年を帯
     同して約束通りやってきました。
     今回は、私の手元に残っているスナップ写真をご紹介しながら、振り返っ
     てみたいと思います。お付合いください。

  

  
                               ↑ 記者懇談会で米倉も同席。
  
 ↑ 記者懇談会、左端は林万夫本社宣伝課長。  ↑ 勿論、私も同席です、左端。
  
              ↑ 上の2枚は鹿児島のホテルで撮ったもの。
  
              ↑ 上の2枚は新婚ほやほやの玉緒さんも一緒でした。

     ↑ 「無法松の一生」に入る直前で、勝山城をバックに小倉祇園太鼓のおさらい。

 

 
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映画 「ルノワール 陽だまりの裸婦」

2013年10月26日 | 日記

   

     印象派を代表する画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの晩年を、ジル・ブ
     ルドス監督が映画化した作品で、ルノワールの曾孫で、写真家としても活躍す
     るジャック・ルノワールの伝記小説が原作です。
     撮影担当が台湾出身の名キャメラマン、マーク・リー・ピンビンだというのも期待
     の一つでした。

     南仏コート・ダジュールを舞台に、肉体的に辛いリューマチを病み、自由のきか
     ない手で懸命に創作を続ける晩年のルノワール(ミシェル・ブーケ)と、戦傷を受
     けて帰ってきた老画家の次男で、後に仏映画界の巨匠となる息子ジャン・ルノ
     ワール(ヴァンサン・ロティエ)、そして、豊かな肢体を惜しげもなく見せるモデル
     のアンドレ(クリスタ・テレ)が織りなすドラマをカメラが追います。
     この状況の中で、ルノワールの最高傑作「浴女たち」が誕生します・・・。

     まるで印象派の絵画のような美しく輝くマーク・リー・ピンビンの撮影も素晴らし
     いのですが、その表面的な画面の奥に忍んでいるというか、潜んでいる物語の
     奥行きがあります。
     このあたりは映画をぼんやり見ていると見逃す恐れありですし、また、セリフが
     感心するぐらい洒落ていてこれも楽しみです。

     本当はこの映画で描かれている部分の続きのお話が、もっと面白いと思うので
     すが、それはそれ、この作品は大人向けの佳作としてお薦めします。

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