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イギリスで1970年まで行なわれていた英国最大のスキャンダルと言われる
"児童の強制移民"の実体を明らかにしたマーガレット・ハンフリーズの原作
「からのゆりかご 大英帝国の迷い子たち」を基に描いた実話ドラマです。
ノッティンガムで社会福祉士として働くマーガレットは、ある日、幼い頃に子
供だけで船に乗せられオーストラリアに送られたという女性に出会います。
そのことから英国が児童施設などに入った子供たちを、福祉の名のもとに
密かにオーストラリアに送り込んでいたことが判明するのです。
オーストラリアに送られた子供たちを待ち受けていたのは、過酷な労働や
虐待でした。
イギリスが19世紀から1970年まで、密かに行なっていたイギリスとオース
トラリアの恥部を暴くことになった事態を始めて知った私は驚くと同時に、
マーガレットが事実を隠そうとする色々な組織の圧力に負けず、英国にい
る孤児たちの親を探すため奔走する姿に感動しました。
マーガレットを「奇跡の海」のエミリー・ワトソンが演じていますが、地味な
がら誠に真摯な演技で感心しきりです。
監督はケン・ローチ監督を父に持ち、長編初監督作となったジム・ローチ
で、厚味がやや足りない初演出ですが、この問題作に正面から取り組ん
だ姿勢・心意気を大いに買ってやりたいと思います。佳作です。
(6/20 KBCシネマ 5日目 10:00の回 48人)