映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ザ・ファイター」

2011年03月31日 | 日記

  
   
     実在する伝説のプロボクサー、ミッキー・ウォードの栄光へ至るまでを
     描いた作品で、アカデミー賞では作品賞をはじめ6部門で7っがノミネ
     ートされ、結果は助演男優賞(クリスチャン・ベール)・助演女優賞(メリ
     ッサ・レオ)を獲得しています。

     主人公のミッキー・ウォードが、以前は凄腕のボクサーだったが薬物中
     毒に溺れて強盗に手を染め監獄行きになる異母兄と、大家族を強引に
     仕切る母、そんな中でミッキーに酒場で働く気の強い娘が彼と家族の間
     に体を張って割り込んできます。
     それからのミッキーは、好調に勝ち星を重ねて行くのですが・・・。

     私は最初、単なるボクシング物だろうと思っていたのですが大違いで、
     これはむしろ兄弟、そして家族の愛憎・葛藤の物語で、ボクシングが物
     語を紡いで行く役割をしていると受け取るべきでしょう。

     テンポの良さが最初から最後まで心地良いし、強烈な個性を持つ母と兄
     とのやりとりが実に上手く表現されていて、アカデミー各賞のノミネートは
     当然と思わせる出来ばえです。

     母親役で助演女優賞のメリッサ・レオも凄いですが、最初はブラッド・ピ
     ットだった兄の役を引き継いだクリスチャン・ベールは、役作りのため
     減量、髪を抜き歯並びまで変えて挑み、まさしく迫真の演技で喝采です。
     監督は「スリー・キングス」のデビット・O・ラッセルで、彼にも拍手です。

     もともとは6月に公開予定だったそうですが、アカデミー賞にあやかって
     急遽繰り上げての公開だそうで、準備が不足だったのか客足がいま一つ
     とのこと・・・。
     そんな事で見逃したら損と思われる1編です。

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映画 「奇跡」

2011年03月30日 | 日記

                  

     大震災の翌日、3月12日に全線開通した九州新幹線を題材に、夫婦の
     事情で離れて暮らすことになりましたが、家族の絆を取り戻そうと奮闘
     する二人の兄弟を中心に描かれた物語です。
     監督は「誰も知らない」「歩いても歩いても」「空気人形」など話題作を作
     ってきた是枝裕和で、脚本も担当しています。

     大阪で暮らしていた一家が、両親が離婚したため、鹿児島と福岡で別れ
     て住むことになります。
     "まえだまえだ"扮する兄弟は、鹿児島の母親の実家で母と暮らす兄、父
     親の実家がある博多で父と暮らす弟でした。

     離婚でバラバラになった家族4人の絆を取り戻そうと、兄弟が奇跡を信じ
     て奮闘します。
     その奇跡とは、鹿児島発と博多発の九州新幹線の一番列車がすれ違うと
     き、奇跡が起こる--そんな噂がすべての始まりだったのです。

     この作品に九州新幹線や色んな列車が出てきますが、九州新幹線のプロ
     モーション映画ではないし、博多・熊本・鹿児島などが舞台にしたご当地
     映画でもなく、監督の意図は子供の輝き、周囲の人たちの温かさを描きた
     かったのだろうと推察します。

     兄弟のまわりには、オダギリジョー(父)、大塚寧々(母)、夏川結衣、阿部
     寛、長澤まさみ、原田芳雄、樹木希林、橋爪功などが取り囲みますが、長
     沢まさみはアップシーンが一つもありませんが、(でも長澤は好演)大人た
     ちは自然に物語りに溶け込んでいます。
     そういったことも子供を前面に押し出すために画した是枝監督の狙いだっ
     たのでしょう。

     私の感想は、良くも悪くもまるでお茶漬けのような味と感じの作品だと思
     っていて、好感を持っています
     6月の公開なので少し早過ぎるのですが、敢えてのご紹介です。

    

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映画 「津軽百年食堂」

2011年03月29日 | 日記

              

     原作は、森沢明夫の同名小説ですが、お笑いのオリエンタルラジオの藤森
     慎吾と中田敦彦の主演で映画化したものです。

     青森県弘前市で百年以上続く蕎麦の老舗食堂を舞台に、苦労の末に開業し
     た明治時代の初代店主と、伝統から逃げ出して現代の東京でバルンアート
     のバイトで暮らす青年を、並行して描いています。

     この初代と四代目をオリエンタルラジオのご両人が演じるのですが、二人
     ともお笑いを一切伏せて真面目な役です。
     特に四代目役の藤森が、故郷への複雑な思いを断ち切れない青年の、心
     の成長を上手く演じています。
     共演は福田沙紀・伊武雅刀・藤吉久美子・前田倫良・大杉漣などで、監督
     は大森一樹がソツなくこなしています。

     残念なのは、藤森と福田の出会いが不自然さが気になるのですが、この手
     の映画にあまりアラ探しは不要かと思います。まあ真面目な作品ですよ。

     この度の大震災で、一時は公開をどうするか悩んだそうですが、弘前市を
     中心に青森県全体が協力して製作されただけに、東日本への応援歌として
     公開に踏み切ったそうです。
     あの有名な弘前の桜が、画面一杯咲き乱れていて素敵です。



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映画 「わたしを離さないで」

2011年03月28日 | 日記

             

     この原作こそ映像化が不可能とされてきたカズオ・イシグロの小説の映画化
     です。
     カズオ・イシグロは長崎生まれのイギリス人で、英国最高の文学賞・ブッカ
     ー賞を獲得したこともある作家です。

     へールシャムという特殊な寄宿学校で学ぶ学生たちの描写からはじまる風景
     は、極めて普遍的なのですが、ここにいる子供たちの存在理由は見ていて??
     謎・謎で、どんどん映画に引き込まれて行きます。
     そして彼らはある運命を背負った特別な存在であることが判ってきます。

     その中で一緒に育った3人の若者が、自らに課せられた過酷な運命を知り
     ながらも懸命に生き、幸せを掴もうとする儚ない恋と青春の物語とも言える
     でしょう。
     途中の経過も、ラストについても見てる者がどのようにでも解釈することが
     出来ると思われる深みがあります。

     私は静かな描写の中に、最近流行の残酷物を上回る凄惨さを感じましたし、
     やるせない想いに駆られたのですが、イギリスの田園風景や建築物、海岸
     や無機質な病院などの描写が素晴らしいのと併せて佳作と申し上げます。

     マーク・ロマネク監督は、今までビデオを手がけてきた人だそうですが、
     上手く練り上げた演出をしていて見事だし、複雑な物語の語り部でもある
     女主人公役をキャリー・マリガン・ルースが、それにキーラ・ナイトレイ、
     アンドリュー・ガーフィールドとの3人が、若手実力者の勢いをみせている
     のも、佳作になった大きな要因でしょう・・・。



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日本舞踊を堪能しました。

2011年03月27日 | 日記

 

     本日は、映画「奇跡」(是枝裕和監督)の感想を書こうと思っていたのですが、
     ご招待を受けていた日本舞踊協会 福岡県支部主催の「日本舞踊公演」
     (於・福岡市民会館)に行きまして、なんとまあ素敵な踊りに酔いしれ、先に
     この会のことをご紹介したいと思います。

     先日も下関市で開催された花柳流の会を観せていただきました。
     時間の関係で師範クラスの方々の踊りしか見ていませんが、とても質の高
     い踊りの会で楽しく過ごしました。

     今日の福岡会場は客席1,800で、満員でした。
     大震災の後なので、開催しない方がいいのでわと随分悩んだそうですが、
     この元気さとここで集めた募金を被災地に贈ろうと、出演者が舞台を降り
     て集めた募金箱には皆さんの善意がかなり集まったようでした。

     客席もロビーに出ても知った顔・顔で、一種の社交場ですね。
     各流派の先生はもちろんですが、久し振りにKBC-TV「アサデス」の
     徳永玲子さんにも会いました。

     肝心の踊りは、泉・花柳・藤間など各流派の舞踊家が十九番を披露、清元・
     長唄・囃子は東京から駆けつけていて、とても充実の舞台だったと思います。

     私には歌舞伎と日本舞踊の先生?がいて、と言っても私の親友Tですが、
     今日も一緒で解説を聞きながらでしたが、理解が深まり楽しく観ることが
     出来た次第です。
     本日は、特に親しくしている友人が二人出演していて、それぞれ長唄「楠
     公」清元「喜撰」を踊りましたが、年々の上達振りに私まで嬉しくなって
     観ていました。歌舞伎も舞踊も中々楽しい世界ですよ・・・。

  
      左、友人が踊る清元「喜撰」      右、友人が踊る長唄「楠公」

  
      左、華やかなロビーは一種の社交場   右、私も少しばかりの寄付を・・・。


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