映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「群青色の、とおり道」

2015年07月31日 | 日記

   

     「半落ち」の佐々部清監督がメガホンをとり、10年ぶりに帰郷したミュージシャン
     志望の青年が故郷の人々との交流を通して自分自身と向きあう姿を描いた青春
     ドラマです。

     10年前、ミュージシャンを夢見て故郷の群馬を飛び出した真山佳幸(桐山漣)は、
     東京で地道な音楽活動を続けています。
     そんなある日、絶縁状態だった父からある報せが届きます。複雑な思いを抱え
     て故郷に戻ってきた佳幸は、そこで以前と変わらず陽気な母(宮崎美子)や高校
     生になった妹、病のためかつて厳格さをなくした父(升毅)、小学校の音楽教師に
     なった同級生の唯香杉野希妃)らと久々の再会を果たします。
     生まれ育った街で、真山は自分を支えてくれていた人々や自分自身と真剣に向
     きあって行こうとします・・・。

     地方自治体・群馬県太田市がバックアップし、地元有志の協力で製作された作
     品です。監督からは撮影期間が八日間だったことを聞いていますが、恐らく製作
     費も低予算で仕上げられたものと思われます。
     監督も脚本にも加わり色々と工夫されたと思いますが、正攻法の演出で良く纏
     まった作品に仕上がっていて、見た後も爽やかな気分になりましたし、私は特に
     前半が好きです。

     後半は8日間が影響したか、各挿話が駆け足になったのが少々残念です。若い
     俳優たちも抜擢に応えて好演です。決して上手いとは言えませんが、佐々部監
     督作品で見出され、大きく育っていった俳優も多いので、将来を楽しみにしてい
     ます。
     佐々部監督の次作は「種まく旅人」シリーズと伺っていますが、この監督にはも
     っと腰を据えた本格的な作品を撮って貰いたいとの強い希望があります。




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「スタアのいた季節/わが青春の大映回顧録」 その後・・・。

2015年07月30日 | 日記

   

  

  
  
     「スタアのいた季節/わが青春の大映回顧録」が発売されてから1ヵ月以上が経
     ちました。皆様のご支援で売れ行きは順調です。
     前にお伝えしていた「日刊ゲンダイ」来月3日~7日の連載も決まり、今週の月曜
     には校正もさせていただきましたので、後は連載を待つのみです。
     また先週も色々な方からのご感想をいただきましたので、いくつかご紹介させて
     いただきます。

     犬童一心様
     スタアのいた季節,楽しませていただきました。僕には想像もできない映画のキラ
     キラした時代を体験できたような、そんな読後感でした。


     角川清子様
     大映の宣伝マンとして黄金期から倒産まで間近に接したスター達の素顔が語られ
     ている。今の私生活売り物の芸能人と違い知らないエピソード満載は興味津々。
     各ページに乗せてる写真の女優は美人で凛として男優の美形色気のあることか。
     市川雷蔵・勝新太郎・田宮二郎や若尾文子・中村玉緒など43名の銀幕のスター
     が輝いている。
     そのスターに劣らず魅力のあるラッパと言われた永田雅一社長の死後土地を分
     配の話は素晴らしい。内容はネタバレになるので語るまい。ご一読を進める。
     そしてまだまだ語り残しあるはず。お聞きしたいものだ。


     庄野八寿王さん
     僕が中学生の時に大映は倒産してしまったので実際に劇場で見た映画は、『座頭
     市』シリーズ、『兵隊やくざ』、『ガメラ』シリーズ、『大魔神』シリーズ、そして『片足の
     のース』、『夜の診察室』くらい。
     しかし往年のスタア達、若尾文子、藤村志保、安田道代、市川雷蔵、勝新太郎、渥
     美マリ、関根恵子、松坂慶子などの話は面白かった。


     親友・林万夫(故人)のお嬢さん
     また拙著の中には大映時代の親友・林万夫氏(故人)が数か所に出てきますが、こ
     の本を彼のお嬢さんに送りました。彼女は現在フジテレビの局長職という重要な役
     職についています。以下本文~
     この度は素敵なご本をありがとうございました。当時のきらきらした、時代の頂点を
     極めた日本映画界。その隆盛、猥雑さ、そしてその中に身を置く人々、出役の方た
     ち、中島さんや父などの仕掛け人たち-の息づかいがすぐそこに感じられ、わくわ
     くする宝箱のようなご本でした。
     小さい頃、父によく京橋の大映本社に連れていかれたことを思い出しました。この
     ご本のおかげで16歳になる私の娘にも、「貴女が会ったことのないおじいちゃまは、
     こんな素敵なお仕事をしてたのよ」と大いに自慢できます。もし父が生きていたら
     続編の共同執筆をご提案させて頂いてかも知れませんね。
     この素敵なご本が一人でも多くの人々、特に「大映」をもはや知らない若い読者た
     ちの手に取ってもらえることを祈らずにいられません。・・・(一部抜粋)
     ~と、涙が出るくらい嬉しいお手紙でした。




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映画 「チャイルド44 森に消えた子供たち」

2015年07月29日 | 日記

   

     スターリン独裁政権下の闇を描いているとして、ロシアでは発禁処分となった
     トム・ロブ・スミスのミステリー小説「チャイルド44」の映画化です。
     1950年代、スターリン体制下のソ連を舞台に、子どもを狙った連続殺人事件の
     行く末を、リドリー・スコット製作を担当、監督は「デンジャラス・ラン」を撮ったス
     ウェーデン人のダニエル・エスピノーサです。

     1953年、秘密警察のエリート捜査官レオ(トム・ハーディ)は、部下の8歳の息子
     が臓器を抜かれた溺死体で発見されたことを知らされますが、その時期に妻ラ
     イーサ(ノオミ・ラパス)へスパイ容疑がかかり、地方都市へ左遷されます。

     着任地で署長のネステロフ将軍(ゲイリー・オールドマン)の協力で変死記録を
     調べると、9歳から14歳の子どもたちが全裸で胃を摘出され、溺死した変死体
     が40数人に上っていることを発見します。レオは独自に捜査を開始しますが、
     真相に近づくほど、国家に行く手を阻まれるのでした・・・。

     何が本題なのか、見ながら迷ってしまう物語の展開です。変死事件も、妻のス
     パイ嫌疑で左遷されて起こる夫婦の問題のどちらを取っても面白い題材なの
     ですが、映画は原作から大雑把に引き出した感じで、中心を外れていて少々残
     念です。

     主役はどちらも個性を発揮して好演ですが、一番に感じることはロシアという
     国の不思議さです。映像が素晴らしいし、大作感はあるのですが、先述のよう
     に絞り込みに難ありです。



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日本舞踊泉流・花泉会(福岡)ゆかた会

2015年07月28日 | 日記

 
                     ↑「長唄 猿舞」泉 徳乃

     私が「日本舞踊」が好きだと言うと、皆さん呆気にとられますが、実は見るのが
     大好きなのです。
     7月26日(日)日本舞踊泉流・泉徳三照師匠のご自宅稽古処で開かれた恒例
     の「花泉会 ゆかた会」にご招待をいただきました。

     当日は台風12号が九州上陸との情報が流れていたし、踊りのメンバーも年配
     者が多く、階段を踏み外したとか、交通事故に遭ったとかで、欠席やお稽古が
     ままならなかったと伺っていて心配していたのですが、故障もなんのその皆さん
     立派に踊られて、とても素敵な「ゆかた会」でした。

     私がお招きを受けるようになって6年が経ちます。相変わらず泉徳三照師匠の
     お人柄と指導ぶり、お嬢さんの泉徳乃さんによる仕切りが素晴らしいと感じまし
     たが、今年芸大に入ったため出席出来なかった泉葵三照さんに変わって、高校
     2年生の泉雛三照さんが順調に進歩した踊りを見せてくれたことが嬉しかった
     です。

     ゆかた会に続いては、いつもの楽しい"花幸"での宴会。
     今年、泉徳三照師匠が八十歳を迎えられることを記念して、本年12月6日(日)
     に博多座で舞踊会を開催されます。
     泉流の宗家、家元を出演される素晴らしいイベントです。博多座のご成功をお
     祈り申し上げます。最後になりましたが、今回もお招きをいただき心からお礼
     申し上げます。有難うございました。

  
    ↑「長唄 梅の栄」泉 雛三照           ↑「清元 梅の春」泉 萩三照
  
    ↑「長唄 藤娘」泉 仁三照            ↑「長唄 春の寿」泉 花三照
  
     ↑「清元 梅の花」泉 紫津照          ↑「端唄 高砂」泉 扇鈴
     
            ↑「長唄 九州八景」泉 徳乃
  
 

  

  





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大映宣伝部・番外編の番外 (74) 金田一敦子さん

2015年07月27日 | 日記

   

  

 
  ↑赤い矢印が金田一敦子。この中で今も活躍している人は左から五番目の市田ひろみさん。


     映画女優というものは、会社が作るとも言いますか、更に本人の素質プラス
     根性が大事になってくるものです。
     大映ニューフェース10期には素晴らしい素材の人たちが揃っていて、いま思
     い出すだけでも田宮二郎、叶順子、市田ひろみ、毛利郁子に金田一敦子と賑
     やかです。

     金田一敦子は松竹にいて小津監督作品によく出ていた女優三宅邦子さんが
     叔母さんに当り、不思議なのですが彼女の薦めで大映に入ってきたのです。
     目鼻立ちがくっきりした人で、なんともいわれない気品を備えていたし、当時
     の大映では大々的に売り出そうとしたものです。
     金田一敦子は言語学者として著名な金田一京助博士の血縁者でもあり、大
     映が大々的に売り出すネタは充分にあったのです。

     デビュー作は「健太と黒帯先生」と言われていますが、本当は一本前の「忘れ
     じの午後8時13分」(1957 佐伯幸三監督)です。
     持ち前の気品と美貌を生かして「春高楼の花の宴」「猫は知っていた」「貴族の
     階段」「遊太郎巷談」「若き日の信長」「山田長政・王者の剣」などの現代劇・時
     代劇に30本以上出演していますが、当時の製作状況が段々とセックスや暴力
     ものに傾いて行き、彼女が重宝がられることが少なくなってきた上に、どうして
     も女優をやり抜こうという気持ちが薄かったこともあり、とても残念ですが自然
     と消えて行った金田一敦子だったのです。
     叶順子と同年輩ですから彼女は現在70歳代の後半の筈です。お元気だといい
     のですが。


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