映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「31年目の夫婦げんか」

2013年07月31日 | 日記

   

     「プラダを着た悪魔」のデビッド・フランケル監督によるこの新作は、メリル・
     ストリープとトミー・リー・ジョーンズが演じる円熟した夫婦の物語で、失わ
     れてしまった情熱を取り戻すべく奮闘する姿を描いたコメディタッチのドラマ
     です。

     結婚して31年目を迎え、変わり映えのしない毎日を送っている夫婦は、寝
     室は別だし満足な会話も無い状態です。
     惰性の毎日にふと疑問を感じた妻は、夫を無理やり連れ出し著名な医師(ス
     ティーブ・カレル)による、1週間滞在型の結婚生活カウンセリングにやってき
     ます。
     料金は一週間4000ドル、気負い込む妻と、仏頂面の夫。果たしてこのカウン
     セリングは吉と出るか、凶と出るか・・・。

     メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズの個性と、円熟の演技だけでも楽
     しめる作品ではありますが、物語そのものに特別新味はありません。
     更に思ったよりHなセリフや演技が飛び出して驚かされます。そんな過激演
     技をメリル・ストリープも太ももを露わにして演じていますが、上手いとは思う
     ものの少し気の毒な感じがするのは否めません。
     でもハッピーエンドですから少しぐらい気になることがあっても、この作品は
     良しと言うべきでしょう。


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映画 「3人のアンヌ」

2013年07月30日 | 日記

    

     「アバンチュールはパリで」などを撮った韓国のホン・サンス監督が、フランス
     の演技派女優イザベル・ユペールを主演に迎え、韓国の海辺の街へバカンス
     に訪れた同じ名前を持つ3人のフランス人女性(イザベル・ユペールが三役)が
     繰り広げる恋を描いた作品です。

     韓国の映画学校の女子学生ウォンジュ(チョン・ユミ)は、フランス女性アンヌを
     主人公にした脚本を書きます。それは、成功した映画監督を待ち受けながらい
     らいらする青いシャツの女アンヌ、次は夫の留守中に愛人の映画監督に会うた
     めやっきた浮気なアンヌは赤いワンピースです。そして離婚したばかりで緑の
     ワンピースを着たアンヌは、うっかり落とした携帯電話で意外な展開に・・・と、
     それぞれキャラクターの異なる3人のアンヌをイザベル・ユペールが演じ分け、
     3人のアンヌは海辺で同じライフガードの男性(ユ・ジュンサン)に出会い、言葉
     の壁を超えた恋模様が展開することに・・・。

     ホン・サンス監督の作品は、見る側は好き嫌いが大きく分かれているようです
     が、とにかくこの作品はフランス風でスケッチ風な映像を撮ろうと思っているの
     は窺えます。
     更に製作サイドとしてイザベル・ユペールの一人三役はよくよく考えてのことで
     しょうが、私はあまり成功していないと思っています。
     それどころか脚本・構成に欠くものがあり、言葉は悪いですが、まるで素人演
     出です。

     たまにはこんな風変わりな作品を撮ってみたいと思った監督でしょうが、監督
     は一人で喜んでいる風で成功とは言えません。
     韓国に旅行して食べるオカユは美味しいけれど、同じオカユでもこれはあまり
     美味しくなかった・・・の例えです。


コメント (2)
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大映宣伝部・番外編 / 古い写真の思い出 ( 31 )

2013年07月29日 | 日記

       
                                            ↑ 私
  

  
 
  

     悪い約束ごとの標本のように言われた、かっての五社協定ですが、私は基本
     的に賛成でした。協定で俳優たちの所属を明確にした上で他社との交流が出
     来たら、こんなにいい事はないと考えたいた一人です。

     そんな私ですから昭和44年(1969)に浅丘ルリ子が大映に初出演すると決まっ
     た時には、これがマンネリの突破口になると思い、小踊りしたくなるほど嬉しか
     ったのを覚えています。

     「女体」は複雑で多様な面を持った女性の、多彩な愛の遍歴を描いた作品で、
     当時大映のエース・増村保造監督が起用されました。
     その頃の浅丘ルリ子は、今では想像がつかないくらいの人気絶頂ぶりで、毎
     日のようにテレビで、今日は何処で何をしてるとか、痩身のルリ子の今日の体
     重は何キロとか、とにかく人気爆発中の浅岡ルリ子でした。

     そこで私の宣伝魂が異常発生し、何とかして彼女の九州キャンペーンを実現さ
     せようと画策、人脈その他それこそ色々な手を使いました。
     結果的に本社宣伝部を口説き落とし福岡キャンペーンが決まりましたが、他の
     支社からなぜ九州支社だけかとかとねたまれたり、取材やイベントの事前打ち
     合わせにマスコミ各社・所属レコード会社などから、報道加熱を知っていてそれ
     本当?と言うばかり。来福しなかったら私は辞表を出すからと、半ば強引に引
     っ張って行ったのも懐かしい思い出です。

     デパートの屋上でのサイン会は人が集り過ぎて事故一歩前の状況となり、サイ
     ン会を取りやめて彼女の挨拶だけにせざるを得なかったこと、試写会の案内状
     が引っ張り凧になって高値が付いたとか、出演したテレビ局にも大勢のファンが
     押し寄せたて大変だったことなど、それはそれは当時大変な話題作りに成功し
     ました。

     私はこのキャンペーンで2日間彼女と一緒にいましたが、素顔の彼女は本当に
     どこにもいる普通の女性で常識ある女性、ところがいざ舞台とか映画・テレビに
     出ると、まるで人が変わったようにオーラを発散する女性だったことを思い出し
     ます。
     肝心な映画ですが、正直言って増村監督と浅丘ルリ子は、残念ながら上手くか
     み合わなかった作品でした。

     

  

  

  
              ↑ 浅丘ルリ子をエスコートするのは私。
      
              ↑ 映画「女体」のスチールとポスター

コメント (10)
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映画 「風立ちぬ」

2013年07月27日 | 日記

   

     宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」(2008)から5年ぶりに手がけた長編作です。
     ゼロ戦の設計主任だった堀越二郎の生涯に、同時代に生きた堀辰雄の小説
     「風立ちぬ」の恋愛ドラマの要素を加えた内容で組み立てられています。
     関東大震災や経済不況に見舞われた日本が、やがて戦争へと突入していく
     1920年代という時代に、主人公たちがいかに生きたかを描いて行くものです。

     幼い頃から空に憧れて育った学生・堀越二郎は、震災の混乱の中で、少女・
     菜穂子と運命な出会いを果たします。
     成長した二郎は飛行機設計技師となり、その才能を認められた二郎は、同期
     の社員らとドイツや西洋諸国をまわり、見聞を広め行くのでした。

     そしてある夏、二郎は休暇で訪れた避暑地の山のホテルで菜穂子と再会。や
     がて二人は結婚しますが、菜穂子は病弱で療養所暮らしとなり長引きます。
     それでも二郎は愛する人の存在に支えられ、新たな飛行機作りに没頭して行
     きます・・・。

     宮崎監督が模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」に漫画で連載していたことや、
     「新世紀エヴァンゲリオン」の監督として知られる庵野秀明が主人公・二郎の声
     優を務めたり、松任谷由美が「魔女の宅急便」以来24年ぶりにジブリ作品に主
     題歌を提供するなど、公開前の話題は豊富でした。

     私も少年時代は空に憧れ、予科練に行くと言って親を慌てさせた人間ですから、
     この物語も映画も、いい悪いを言う前に好きです。しかも色々と珍しい飛行機が
     登場するし、プロペラやエンジンの音、地響きを人の声で表現するといった試み
     も良かったと思います。

     これまでのジプリは、ファンタスティックな作品が路線で、大人も子供も揃って楽
     しく見たのですが、今回は今までと違った現実路線で、なんだかチグハグに感じ
     る面がありますし、この映画、子供は無理です。

     あまり辛口にしたくないのですが、構成・脚本がかなり雑ですし、周囲では、思
     想が片寄ってるとか、庵野監督の主人公の声が良くないとか色々言ってますが、
     その以前にこの作品はアニメならでわの場面がほとんど無く、私はこれこそ実写
     映画で撮るべき世界だと思いました。
     ですから宮崎監督の好みで強引に撮ったとしか思えませんし、失敗作としか言え
     ません。

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映画 「偽りの人生」

2013年07月26日 | 日記

   

     この映画は、アルゼンチン・スペイン・ドイツの合作で製作された異色犯罪
     ドラマです。

     アルゼンチンのブエノスアイレスに住むアグスティン(ヴィゴ・モーテンセン)は、
     医師として裕福な暮らしをしていますが、妻クラウディア(ソレダ・ビジャミル)
     との仲が最悪状態でした。

     ある日、絶縁状態だった一卵性双生児の兄ペドロ(モーテンセン2役)が現わ
     れます。
     末期ガンに侵されているペドロは、アグスティンに自分を殺してくれと懇願。
     最初は困惑したアグスティンでしたが、ふとしたきっかけで入浴中のペドロを
     殺害してしまいます。

     それが人生をやり直す機会になると考えたアグスティンは、ペドロになりすま
     して故郷のティグレを訪れ、ペドロの養蜂を手伝っていた若い娘ロサ(ソフィア・
     ガラ・カスティリオーネ)と親しくなります。
     しかし兄ペドロがかかわっていた犯罪に巻き込まれて行く羽目に・・・。

     個性的ナな俳優として活躍しているヴィゴ・モーテンセンが二役を無難に演じ
     ていますし、女性監督アナ・ピターバーグも、所々に精細な演出を見せるもの
     の、全般的には起伏に乏しいというか、いま一つメリハリのない展開で終わっ
     てしまい、ラプラタ川下流のデルタ地帯の状景が結構面白く描かれていただ
     けに、私としては残念な出来ばえとしか言えません。

コメント (2)
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