映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「はやぶさ 遥かなる帰還」

2012年02月29日 | 日記

       

       『はやぶさ』は、小惑星イトカワから岩石サンプルを持ち帰るという世界初の
       ミッションとなった偉業です。
       2003年5月に、鹿児島県内之浦から"はやぶさ"を搭載したロケットが打ち
       上げられ、途中で行方不明になるなどさまざまなトラブルに見舞われながら、
       2010年6月に約7年間で総距離60億キロの旅を終えて地球に帰還します。

       このプロジェクト最大の目的は、小惑星イトカワに着陸し、太陽系の起源を
       探る手がかりになる物質を持ち帰ることでしたが、微粒子ながら目的は達成
       しました。
       映画はこの偉業と共に、その裏に存在したプロジェクトチームや、周囲の人々
       たちの生きざまを描いています。

       昨年末から実写版3作品が製作され、これは競作2作目で東映60周年記念
       作品だそうです。
       はっきり言ってこの偉業はテレビで十二分に報道され、なんで今更3本も製作
       されるのか判りません。
       付け加えられた劇映画仕立ての部分は、どのように盛り上げようとしても面白
       くないし、帰還の感動もテレビによる実写には敵いません。

       しかも3社による競作(20世紀フォックス・東映・松竹)なんて、如何に日ごろの
       企画力が貧しいかを証明する以外、何ものでもありません。
       公開がまだ1本残っていますので、どの作品が一番いいかは言いたくありませ
       んが、跡になるほど出来が悪くなっているような気がします。
       滝本智行監督も冴えないし、渡辺謙を初めとしたキャストも出来がいま一つで
       不満です。
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映画 「灼熱の魂」

2012年02月28日 | 日記

   

       レバノン出身の劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲を、日本では10年ぶりと
       なるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品で、脚本も同監督が担当しています。
       去年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされていた作品ですが、激し
       い内容から日本では公開されないのではと思っていた作品でした。

       中東からカナダに移り住んだ女性ナワル(ルプナ・アザバル)は、双子の姉弟
       (メリッサ・デゾルモー=プーランと、マキシム・ゴーデット)に二通の手紙を残し
       てこの世を去ります。
       その手紙というのが姉弟には知らされていなかった兄の存在と、死んだと思
       っていた二人の父親は生きていて、その二人に当てたものだったのです。

       姉弟は父と兄を探すため中東を訪れますが、そこで民族や宗教間の抗争、社
       会と人間の不寛容がもたらす血ぬられた歴史を背景に、母の悲痛な過去と向
       き合うことになります。
       それはギリシャの悲劇戯曲さながらに、驚愕の真実を姉弟に突きつけることで
       もあったのです。

       映画は母と姉弟の人生を、過去と現在に行き戻りしながら展開しますが、ヴィ
       ルヌーヴ監督の目はあくまでも冷酷で厳しく、楽しいとか面白いとかの要素は
       皆無であり、特にラストは仰天の事実を知らされることになります。
       そういうことで映画を見終わっての印象は強烈で中々頭から離れませんでした。
       つらい一本ですが是非ご覧くださいますように・・・。
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「シェイクスピアからみた人間」

2012年02月27日 | 日記

    

       昨日26日、小田島雄志先生の表記講演を聞いてきました。
       津田塾大学同窓会の育成事業として、博多エクセルホテル東急で開催され
       たものにご招待を受けました。

       小田島雄志氏は日本を代表するシェイクスピア学者として著名な方で、演劇
       評論家でもあります。93年東京芸術劇場館長に就任、現在は名誉館長であ
       り東大名誉教授をされていますが、シェイクスピア関連の著書も多く出されて
       います。
       去年7月日本経済新聞に連載された、先生の『私の履歴書』をご記憶の方も
       居られると思います。
       私も学生時代にシェイクスピアにほれ込んで読みあさった記憶があり、先生の
       お話をとても嬉しく面白く伺いましたが、講演はシェイクスピアの戯曲の一節
       からそれぞれ抜き取り"シェイクスピアの人間談義"として進められました。

        1. どんな荒れ狂う嵐の日にも時はたつのだ。  → マクベス(1幕3場)

        2. 顔を見て人の心のありようを知るすべはない。→ マクベス(1幕4場)

        3. 嫉妬深い人は理由があるから嫉妬するのではなく、
          嫉妬不快から嫉妬するのです。        → オセロー(3幕4場)

        4. 王様だってスミレの花はおれと同じように匂うだろう。
                                  → ヘンリー五世(4幕1場)

        5. 目はおれを見ることはできぬ、なにかほかの
          ものに映してはじめて見えるのだ。→ ジュリアス・シーザー(1幕2場)

        6. 好きになれなきゃ殺す、人間ってそんなものか?
          憎けりゃ殺したくなる、人間ってそんなものだろう?
                                 → ヴェニスの商人(4幕1場)

        7. 敵のおかげでいいめを見、友だちのおかげで悪いめを見る。
                                     → 十二夜(5幕1場)


       これらのセリフを基にして、日常の出来事を例にとったり比較しながら、先生
       のお話は軽妙洒脱でとても楽しいのです。
       セリフを真正面からとらえるばかりでなく、真逆に解して考えることも正解な
       のですからね・・・。

       小田島先生は81歳。よくお芝居を観られるそうです。
       そしていつも恋をすることが大事と言っておられましたが、いつも失恋ばか
       りだそうで、映画を見てもお芝居を観ても素敵な女優さんにすぐ惚れるそう
       です。
       そして次から次に失恋し、また恋するとか、私も負けないよう真似をしようと
       思っています・・・。

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映画 「メランコリア」

2012年02月24日 | 日記

      

       地球が、惑星「メランコリア」との衝突を目前にした、ある街を舞台に、うつろな
       心を抱えた主人公の花嫁と、彼女を取巻く家族の人間模様が描かれます。
       第一部「ジャスティン」(主人公の花嫁の名前)第二部「クレア」(主人公を気遣う
       姉の名前)の2部構成で上映時間2時間15分のデンマーク映画です。

       地球に異常接近を続ける巨大惑星メランコリアの影響を受け、世界の終わりに
       直面する人々・・・、物語はある姉妹の姿を通して進行します。
       シャルロット・ゲンズブール演じる姉クレアを普通の人間の象徴として扱い、キル
       ステン・ダンストが演じる妹ジャスティンには、ラース・フォン・トリアー監督自身が
       持つ"うつ病気質"を代表させていると監督は述べています。

       地球がもし終わりに近づいた時に、人々はそれをどう受け止めるか、そしてどう
       行動するかを投げかけることを通じて、あらゆる想定外のことに如何に対処する
       かの狙いを持っていて、我々に色々な問題提起をしている作品です。
       こんなテーマの作品なんて全く面白くないし、興味がないと言う人も多いようで、
       私みたいに大いに興味を持つ人たちと面白い面白くないの論争模様です。

       映画の作り方は色々ありますが、どんな作品でも省略が難しいし、編集を含めた
       省略の出来が作品価値を左右するほど大事なことなのです。この映画はその省
       略が実に上手く、映像の陰に隠れている隠し味というか、そういうモノを見ながら
       探す想像する楽しさが抜群にあると思うのです。

       本来なら世界中が騒ぐ、報道される、対策を云々する、そして最後に助かる・・・
       なんていうのが常道でしょうが、この作品は演出が凝っていて一切多くを語らず、
       観客に多くを想像させます。
       更に素晴らしいのが映像美です。とにかく素晴らしい作品で究極の映像美が楽
       しめますのでご覧ください。
       最初に杞憂しましたように反対意見になったとしても、見ておく必要がある作品
       ですよ。
  
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スペインの旅 (8) ~ バルセロナはまさに芸術の街 ~

2012年02月23日 | 日記

          

       やっとバルセロナにやってきました。
       そしてサグラダ・ファミリアの前に立って「ウォ~」という嘆声を発した私です。

       バルセロナの起源は紀元前200年で、当時はカルタゴの支配下にあり、バル
       キノと呼ばれていたのだそうです。
       後にローマ帝国の支配下に入るのですが、5世紀頃には西ゴート、次いでは
       イスラム教勢力に征服されて、その後も近隣の国との興亡が繰り返され、18
       世紀になってやっと政治・法制などが整ってきた街であり国という長い歴史が
       あります。

       現在のバルセロナは1992年のオリンピック開催後、特に多くの観光客がこの
       街を目当てに増加の一方だそうです。
       青い海と燦燦と輝く太陽、バルセロナは自由な発想や異文化を受け入れるカタ
       ルーニャ地方の気風が、建築家ガウディを生み、ピカソやダリといった芸術家を
       育てたと言われています。

       私が歓声をあげたサグラダ・ファミリア(聖家族教会)は、バルセロナの街の中心
       部にあります。
       1882年にフランシスコ・デ・ビヤールが着工し、1891年からアントニ・ガウディが
       引き継いだのですが、彼が不慮の交通事故で亡くなった1926年後も、未だに隣
       接地への増築工事が続いていて完全完成は2026年だとか。
       去年まで内部は工事中で入れなかったそうですが、ローマ法王が来られたので
       工事は急に進捗し、現在は内部で礼拝が出来るようになっています。
       建物正面にある"生誕の門"の彫刻、ハープを奏でる像は、今でも仕事をされて
       いる日本人彫刻家・外尾悦郎氏が手がけたものです。
       私が行ったのはクリスマス前だったものですから、夜になったら周辺には屋台店
       がずらーっと並び大賑わいでした。

       次いで行ったのが、ガウディが彼の理解者であり協力者グエル伯爵と組んで手
       がけたグエル公園です。
       トカゲのオブジェや色鮮やかなモザイク、波打つベンチなどガウディ作品が随所に
       あるし、彼が住んでいた家(写真参照)も残されているユニークな公園でした。

       昼食はショートパスタに海老やイカなどを加えて炊いたパエーリャを。魚介の旨味
       を満喫しましたよ。

       午後は市内各所を回って買物をしたりで過ごしましたが、更にバルセロナの北西
       約60キロに位置するキリスト教の聖地モンセラートにも行きました。
       奇怪な形をした巨大岩山が繋がる中腹にあり、黒いマリア像が祀られているこれま
       たユニークな修道院があります。この話は次回にアップさせて頂きます。

                

       

       

       

       

       

                 
           ↑ガウディが死ぬ時まで住んでた家
       

       

       

       

                 
                                   ↑教会にあったガウディの肖像画


                
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