映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「レイン・オブ・アサシン」

2011年08月31日 | 日記
 
     「レッドクリフ」のジョン・ウー監督が今回の脚本に惚れこみ、台湾の
     スー・チャオピンと共同監督した作品です。
     肝心の中国や中国語圏ではあまりいい成績が上がっていないと聞
     いていたし、日本でもあまり話題になっていないので、少し心配しな
     がら映画館に駆けつけました。

     物語は明王朝時代、伝説の武芸家・達磨大師のミイラを得た者は絶
     大なる力を手にし、中国武術界の覇権を握るとされていました。
     暗殺組織・黒石の女刺客シーユー(ミシェル・ヨー)は、忌まわしい過去
     と決別するため、ミイラと共に姿を消します。

     やがて彼女は名前を変え、心優しいアシャン(韓国俳優チョン・ウソン)
     と結ばれるのですが、黒石の追っ手が彼女を見逃すわけがなく、二人
     に迫ってきます・・・。

     もともと二人の監督が、女優ミシェル・ヨーに相応しい武侠アクションを
     ですが、ワイヤー・アクションを使った見せ場に新味がないことが不満
        です。
     しかも一番肝心のストーリーもありきたりで斬新さを感じません。
     タイトルを見ていて衣装・ワダ・エミを発見し、少しばかりホッとしました。

     昨日感想を書いた「サンザシの樹の下で」のチャン・イーモウ監督も、仕
     事ぶりに進歩が見られないと書きましたが、ジョン・ウー監督にも同じ言
     葉を書かざるを得ないのは誠に残念です。

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映画 「サンザシの樹の下で」

2011年08月30日 | 日記

 

     今や世界的な名匠の一人とまで言われるようになったチャン・イーモウ監督
     が、新たなミューズを得て撮った実話に基づく純愛映画と聞いていて楽しみ
     に待っていた作品です。

     この作品の背景・舞台は文化大革命下の中国です。
     都会育ちの女子高校生ジンチュウは、再教育のために送られた農村でスン
     という青年に出会います。
     エリートでありながら明るく誠実な彼に思いを寄せるようになったジンチュウ
     でしたが、それは身分違いの許されない愛だったのです。
     一生に一度の運命の恋をする二人に、時代という障害が大きく立ちはだかる
     のでした・・・。

     まずいいことから書きますと、チャン・イーモウ監督が国内の芸術学校を回り、
     2,500人の中から探して女子高校生役に抜擢したチョウ・ドンユイは素晴らし
     い逸材です。
     デビュー当時の山口百恵の面影を宿している彼女は、映画初出演にもかか
     わらず、男の人と一緒に布団の中に入っただけで妊娠すると思い込んでいる
     ような純情女子学生役を上手くこなして合格点だし、相手の青年役ショーン・
     ドウも好感の持てる演技でこの人も将来が楽しみです。

     問題はチャン・イーモウ監督です。
     森や川での場面の美しさはイーモウ監督ならでわの映像で楽しませてくれる
     のですが、挿話を継ぐごとに字幕で説明する手法は、昔の無声映画を見てい
     るような気を起こさせます。
     しかも全体的にスローテンポだし、見ていて歯がゆくなってきます。

     中国では記録的な大ヒットだそうですが、中国以外でどれだけ評価されるか
     疑問だし、サンザシの花は本来は白いのに、ここにあるサンザシは日本軍に
     殺された多くの中国人の血が浸みて赤くなったという挿話が冒頭にあり、文化
     大革命で数千万人を死に追いやったことはそっち退けの描写で、期待していた
     気持ちが白けました。

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下関の話題 「日輪の遺産」「ツレがうつになりまして。」

2011年08月29日 | 日記

  

  

     佐々部清監督は山口県下関の出身で、彼の作品を心から愛している
     ファンの方が多いのには驚きます。
     今年の2月に下関で開催された「海峡映画祭」に来場していた佐々部
     監督から、映画祭会場で「日輪の遺産」が完成間際であることを聞き、
     来場していた皆さんの前でこの作品は"シアター・ゼロ"で必ず上映し
     ましょうとお約束しました。

     配給会社の都合で東京や福岡などと同時公開は出来なかったのです
     が、10月8日に山口県では先駆けて公開することが決まっています。

     更に佐々部監督が「日輪の遺産」に引続き東映で撮った「ツレがうつに
     なりまして。」は東映の協力で東京・福岡と同時に公開することが決まり
     ました。
     奇しくも下関では10月8日から「日輪の遺産」と「ツレうつ・・・」が同時に
     公開されるのです。

     佐々部監督の出身高校では同窓会が協力してくださることになっていま
     すし、前述のように下関には多くの佐々部監督ファンが居られて、色々な
     スタイルで応援してくださると伺っています。
     下関は他の地区の映画館に負けないように頑張るつもりですので、お近く
     の方は応援宜しくお願いいたします。

     「ツレうつ・・・」については9月中旬に、これも東映のご好意で特別内覧
     試写会を「シアター・ゼロ」で開催する予定です。
     「シアター・ゼロ」は、JR下関駅の真ん前の商業ビル"シーモール"の中に
     ある162席×2館のミニ・シアターです。

     "シーモール"も色んな形で応援してくださるそうで、第一弾として館内通
     路に"下関出身の佐々部監督作品"と書かれた"大型ポスターを展示(写真)
     していただいています。
     写真は朝の早い時間に撮りましたので客の姿が僅かですが、昼間は人が
     溢れる館内通路です。
     ・・・という訳で、10月8日が待ち遠しい"シアター・ゼロ"です。

コメント (4)
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私「JR」のお得意さんです。

2011年08月28日 | 日記

  

  

     弟が他界して2週間が過ぎました。後始末も全て終わりいつもの普通の
     日に戻っています。
     相変わらず福岡を中心にした仕事と、下関の映画館を2館預かっている
     ので出来るだけ下関に行くようにしています。

     博多~下関は、博多・小倉は新幹線を利用し、小倉・下関は普通電車を
     利用しています。
     博多~下関を通勤していると友人に言うと、なんか恐ろしく遠い旅をして
     いるかのように思われるのですが、新幹線が17分+普通電車15分の計
     32分のラクチン旅?です。

     土曜日のことですが、夕方帰福しようとして下関駅のホームに立っていた
     ら、周囲が騒々しいのです。なんだろうと思っていたら入って来たのが珍
     しい列車「トワイライトエクスプレス」だったのです。
     カメラを抱えた鉄道ファンの皆さんが拍手で迎えていました。
     この列車はもともとが大阪駅~札幌駅で運行されている臨時寝台特急列
     車で、片道1,508kを約22時間かけて走る日本一の長距離列車。下関では
     本当に珍しいのですが、運行の都合で時々このようなチャンスがあるのだ
     そうです。

     次の話題は私が博多~小倉を利用する新幹線でのことです。
     皆さんのお盆休みの旅先が九州に向いていたことや、鹿児島まで直通で行
     けることになり、今年のお盆は例年にも増して混雑模様でした。
     私はほとんど毎日のように乗る新幹線ですが、長い期間利用していると変な
     乗客に出くわします。

     まず並んでいる奥の席から私を越して通路に出る際、普通だったら"失礼"と
     か"済みません"とか言う筈ですが、無言で乗り越える人がほとんどです。
     次にいま流行のキャリーケースですが、特に大きいのを持ち込んで2席を独
     占する人が意外に多いのです。
     この前「どけてください」と言うと、ジロリと睨み返され、無言のまま自分の
     席の下に移動しましたが感じの悪いことったら・・・。

     それから降りる客が続いているのに強引に乗り込んでくる人がいます。
     この前なんか左手に子どもを抱き、右手に荷物を抱えた女性が降りる客と逆
     並行して乗り込んできましたし、その母親に続いて大きなトランクを持った小
     学生が必死の表情で乗り込んできました。
     降りる途中の客からかなりの罵声が飛んでいましたが、なんのそのです。

     中国人のマナーが悪いとか、海外で非常識な人がいた・・・なんてよく聞きます
     が、この話は日本の新幹線の中での日本人のお話です。ハイ。
 

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映画 「蜂蜜」

2011年08月27日 | 日記

  

     東京では7月に公開され、福岡ではこの度やっと公開です。
     この作品は第60回ベルリン国際映画祭で、各国の出品作を抑えて金熊賞
     (最高賞)を獲得しています。

     現代トルコ映画界を代表するセミフ・カプランオール監督が、幻想的な森を
     舞台に、少年ユスフの成長を通して、父や母との絆とか、人の心の機微を
     情感豊かに描いたものです。
     実はこの物語は監督自身の自伝三部作と言われていまして、「卵(成人期)」
     「ミルク(青年期)」今回の「蜂蜜(少年期)」と、日本では逆の順番で公開され
     ています。

     6才のユスフは森林に囲まれた山岳で、養蜂家の両親と一緒に暮らしてい
     ます。彼にとって森は神秘に満ちた特別の場所でした。
     ある日、森の蜂が急に姿を消してしまい、父親が消えた蜂を探しに出かけ
     てから、その日を堺にユスフの口から言葉が失われてしまったのです・・・。

     この映画はこれこそ映画芸術の象徴であると絶賛する人がいますし、片や
     娯楽性など皆無で退屈そのもの、曝睡ものだと見放す人も大勢でしょう。
     どちらも言い得ていると思いますが、後者の方もたまにはこんな映画を見て
     もらいたいのです。

     セリフはほとんどありません、そして劇的な要素もほんの少し、音楽は劇中
     で村の祭にちょいと出てくるだけでタイトルにも使用されていないし、カメラ
     も長回しで物語的な説明もほとんどなし・・・ですが、何と素晴らしい景観画
     面なことか、そして全てが暗示的な画面構成で楽しむことができるのです。

     現在の映画は脚本も演出も音楽もテクニックを使い過ぎていないか?の疑
     問が見ていて湧いてくるのです。
     つまりこの作品は映画作りの原点に立って撮られている・・・そんな気がして
     ならないトルコの佳作でした。

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