映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「八重子のハミング」

2017年06月30日 | 日記

   

    数々の佳作を送り出してきた佐々部清監督の新作は、4度のがん手術を受けた夫
    と、若年性アルツハイマー病を発症した妻の絆を、実話をもとに描いた作品です。
    妻・八重子の病状は進行し、徐々に記憶をなくして行きます。介護に苦闘しながらも
    八重子との時間を愛おしむ家族たちと、妻に寄り添い続ける夫・誠吾の12年にもわ
    たる日々が描かれます。
    佐々部監督の故郷である山口県で撮影され、原作は山口県萩市在住の陽信孝が、
    自身の体験をつづった同名著書で、夫役を升毅、妻役を高橋洋子がそれぞれ演じ、
    井上順、梅沢富美男らが脇を固めています。

    私は映画を見ながら涙を流したことは無かったのですが、今回は初めて泣きました。
    監督からお聞きした情報だと、超低予算で撮影日数もわずか13日間、それでも豊か
    な映画を撮ったつもりと伺っています。これを聞いただけでも驚きですが、佐々部監督
    いつもの正攻法演出に加え、主演二人の迫真演技もあって最後までぐいぐい引っ張
    ました。
    実は私の家内もレビー小体型認知症で、私も介護をする立場ですが、身につまされた
    面もありますが出来るだけ冷静に見たつもりです。監督が言うように超低予算らしき
    はありますが、そんな小さな問題は吹っ飛ばす内容であり迫力と感動です。そして老
    後や介護の問題を改めて考えさせられる作品でもあります。
    一人でも多くの人に見て頂きたいと思いますので、超お薦めとさせていただきます。
    佐々部監督お疲れさま、そして有難うございます。




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周辺雑記・悪いことは出来ませんの巻

2017年06月29日 | 日記

    

    昨日の昼食は福岡市天神のあるレストランでした。食事を終えて支払いをしている
    私に、マネージャーみたいな人が近づいてきて「失礼ですが中島様ではありません
    か?」と声を掛けられました。私は「何処かでお会いしましたか?」すると「いいえお
    会いするのは初めてで、テレビでお見受けしていたので…」一年半前の拙著をもと
    にしたテレビ出演を覚えていてくださったのです。しかも顔だけではなく名前までも。
    悪いことは出来ないとつくづく思いました。

    もう一つ。大映を辞めて次の仕事をする間にテレビコマーシャルをやったことがあり
    ました。懐かしい人と博多駅のホームでの再会シーンをカメラ2台で撮った大がかり
    なもの。贈答品の会社の宣伝用で、心のこもった贈り物という内容。相手は全国に
    信者を持つ怪僧?。1年契約で流れましたが、少しばかり怪しげな場所に入った時
    「あんたテレビに出てる人ね」と。この時も悪いことは出来ないと思いましたよ。(お粗
    末様でした、チャンチャン)

    

     




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映画 「TAP THE LAST SHOW」

2017年06月28日 | 日記

   

    俳優・水谷豊の監督デビュー作です。水谷が40年前から思い描いていた天才タップ
    ダンサーが主人公の企画を、子弟の物語に書き替えて初メガホンを取った作品です。
    もと天才タップダンサーの渡は、足を引きずりながら酒におぼれる毎日を送っていま
    す。そんな渡が旧知の劇場支配人から「最後のショーを演出してほしい」という相談を
    持ちかけられ、最高の舞台で劇場を閉めたいという支配人の思いに、渋々依頼を引
    き受けた渡のもとに、さまざまな事情を抱えたダンサーたちが集い、渡の止まった時
    間が再び動き出します。
    監督の水谷は主人公・渡役も自ら演じ、岸部一徳、北乃きいらが出演です。

    何とか見られるのはラストのタップシーンぐらいで、後は物語も陳腐だし、演出も出演
    者の演技も脚本も最悪です。私は水谷豊という俳優を日ごろから買っていますが、監
    督はそんなに誰でも簡単に出来るものではなかったと、彼自身が痛感していると思い
    ます。結論的に見事な凡作でした。




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映画 「パトリオット・デイ」

2017年06月27日 | 日記

  

    2013年4月15日の「愛国者の日(パトリオット・デイ)に発生したボストンマラソン爆
    弾テロ事件の裏側を映画化した作品で、捜査関係者や犯人、被害者の市民など
    事件に関わった多くの人々の動きをたどりながら、事件発生からわずか102時間
    で犯人逮捕に至った顛末が克明に描かれます。
    マーク・ウォールバーグ演じる警察官トミーは映画のためのオリジナル・キャラクタ
    ーですが、彼以外は実在する人物を実名で演じ、エンドロールでは実在の人たち
    が紹介されています。監督は「バーニング・オーシャン」のピーター・バーグです。

    正直言って全く期待せずに見た作品でしたが、実際に起こった事件を時系列で追
    い、登場人物の背景も丁寧に描かれていてかなり上手く纏め上げています。特に
    誰が上手いとは思いませんが、構成がいいことと相まって作品の質を押し上げて
    います。私的には拾い物の一本でした。



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大映宣伝部・番外編の番外 (163) 伊丹十三さん

2017年06月26日 | 日記

   

    

    今回は大映に在籍したことがある伊丹十三さんです。伊丹さんの監督としての活躍
    と謎の死は、皆さんがよくご存知だと思いますので省略させていただきます。
    伊丹さんは昭和8年(1933)年に京都で生まれました。お父さんは映画の脚本家・監
    督として著名な伊丹万作さんで、京都~松山~大阪~東京を転々、松山高校時代
    に同校にいた大江健三郎と親交を結んでいます。しかし大学受験に失敗した彼は上
    京、新東宝の編集部に入りますが、すぐに飛び出して商業デザイナーの道に入り、
    ここで知り合った山口瞳と生涯の親交を結ぶのです。
    彼のデザイナーとしての腕は定評があり、本の装丁、ポスター、レタリングは業界で
    有名でした。

    1960年の26歳のときに、お父さんと永田雅一の関係で大映に俳優として入社、伊丹
    万作と小林一三に因んだ芸名・伊丹一三を永田社長からもらいます。1960年に川喜
    多和子さんと結婚。大映では「嫌い嫌い」「男は騙される」「銀座のどら猫」「おとうと」
    「偽大学生」「黒い十人の女」「女のつり橋」などに出演しますが、彼の個性を生かせ
    ず、単なる二枚目をやらせたことから上手く行かず、社内でもあの大根と影愚痴を叩
    かれる始末、そんな立場に嫌気が差したのでしょう、1961年に早々と大映を退社しま
    す。その後、「北京の55日」「ロード・ジム」などに出演して話題になり、邦画でも改め
    て活躍、1967年にマイナスをプラスに変えるとして芸名を伊丹十三に変えました。
    1966年に川喜多和子と協議離婚、1969年に映画で共演したことが縁で宮本信子さん
    と再婚、俳優のみならず広い分野での活躍が始まる訳です。彼が生きていたら今年で
    84歳、まだまた活躍をしていたことでしょう。





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