英ロンドンを舞台に、60歳を迎えた夫婦が、それぞれの不安と危機を抱え
ながら人生を模索して行くサマを描いたヒューマン・ドラマで、遅ればせな
がら福岡での公開です。
建築家の夫アダム(ウイリアム・ハート)と、30年間の結婚生活を送ってきた
メアリー(イザベラ・ロッセリーニ)は、気がつけば60歳。子どもたちも独立し
て孫にもめぐまれましたが、ふとしたキッカケで、これまでの人生や夫婦
の老後について思いをめぐらせるようになります。
一方で夫は、若手スタッフとの仕事に熱中し、夫婦の仲は次第にぎこちな
くなって行きます・・・。
こんなノイローゼ気味の奥さんがいたら辛抱出来ないなーと思いながら見
ていました。
私は前回の「風にそよぐ草」でも書いたのですが、素敵な老人になることが
夢なので、このような状況には全く共感出来ず困ったものです。
第一お話自体が陳腐なので、余程の構成と演出力がないと面白い作品に
はなり得ません。
監督は名匠コスタ＝カプラスの娘であるジュリー・カプラスの第２作ですが、
どう見ても力不足です。
奥さん役のイザベラ・ロッセリーニは、さすがイングリット・バーグマンの娘
だけあって、お母さんの面影を浮かばせながらの熱演でした。
(5/31 KBCシネマ 6日目 12:00の回 13人)
