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スティーブン・スピルバーグ監督が、名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に
迎えて製作した作品であり、第85回のアカデミー賞では作品賞や監督賞
など同年度最多12部門にノミネートされて、受賞数を期待したのですが、
結果はデイ=ルイスが史上初となる3度目の主演男優賞受賞となった作
品です。
貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリン
カーン(ダニエル・デイ=ルイス)でしたが、努力と独学で身を立て遂に大統
領の座にのぼりつめます。
南北戦争で多くの命が奪われる中、2人の幼い子供を失っていたリンカー
ンとメアリー(サリー・フィールド)の夫婦関係は良好とは言えない状態でした
し、長男(ジョセフ・ゴードン=レビット)までもが正義感から北軍に入隊、益々
夫婦の溝が広がって行きます。
権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンでしたが、
一方でその運動が引き起こした南北戦争で国が二つに割れるという未曾有
の危機にも直面。理想と現実の狭間で窮地に立ちながらも彼が下した決断
とは・・・。
脚本はトニー・クシュナーで、原作はドリス・カーンズ・グッドウィンの小説です。
言い方が悪いかも知れませんが、リンカーンをアメリカ人ほど日本人は知りま
せん。でも最近は色々な形でリンカーン物が続いていますし、この作品も勉強
になります。
リーダーシップという言葉は、日本でもよく言われますが、リンカーンこそ信念
を貫きリーダーシップを発揮した偉大な指導者であることを、スピルバーグは
正攻法で正面から描いて重厚な作品に仕上げています。
ですから見せ場もありますが、型にはまってしまい面白さには少々欠けます。
それでも素敵なのは主演男優賞を獲ったダニエル・デイ=ルイスの演技です。
周囲の人も上手いけれど、彼の熱演は一見の価値ありです。