映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「リンカーン」

2013年04月30日 | 日記

   

     スティーブン・スピルバーグ監督が、名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に
     迎えて製作した作品であり、第85回のアカデミー賞では作品賞や監督賞
     など同年度最多12部門にノミネートされて、受賞数を期待したのですが、
     結果はデイ=ルイスが史上初となる3度目の主演男優賞受賞となった作
     品です。

     貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリン
     カーン(ダニエル・デイ=ルイス)でしたが、努力と独学で身を立て遂に大統
     領の座にのぼりつめます。

     南北戦争で多くの命が奪われる中、2人の幼い子供を失っていたリンカー
     ンとメアリー(サリー・フィールド)の夫婦関係は良好とは言えない状態でした
     し、長男(ジョセフ・ゴードン=レビット)までもが正義感から北軍に入隊、益々
     夫婦の溝が広がって行きます。

     権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンでしたが、
     一方でその運動が引き起こした南北戦争で国が二つに割れるという未曾有
     の危機にも直面。理想と現実の狭間で窮地に立ちながらも彼が下した決断
     とは・・・。
     脚本はトニー・クシュナーで、原作はドリス・カーンズ・グッドウィンの小説です。

     言い方が悪いかも知れませんが、リンカーンをアメリカ人ほど日本人は知りま
     せん。でも最近は色々な形でリンカーン物が続いていますし、この作品も勉強
     になります。
     リーダーシップという言葉は、日本でもよく言われますが、リンカーンこそ信念
     を貫きリーダーシップを発揮した偉大な指導者であることを、スピルバーグは
     正攻法で正面から描いて重厚な作品に仕上げています。
     ですから見せ場もありますが、型にはまってしまい面白さには少々欠けます。
     それでも素敵なのは主演男優賞を獲ったダニエル・デイ=ルイスの演技です。
     周囲の人も上手いけれど、彼の熱演は一見の価値ありです。

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大映宣伝部・番外編 / 古い写真の思い出 ( 18 )

2013年04月29日 | 日記

      
            ↑↓ この3枚とも私が撮ったお気に入りスナップです。
      

     大映時代の女優さんとの思い出は山ほどありますが、渚まゆみも忘れられ
     ない一人です。
     彼女は高校生のまま大映に入ってきて「夕やけ小やけの赤とんぼ」(1961
     年・島耕二監督作品)で幸運のデビューを飾りました。
     当時は大人になりきれない女性のイメージが強く、どんな役にでも似合う感
     じはしませんでしたが、それが逆に彼女の魅力という人も多く、私もその一
     人ですが可愛くて仕方がないと思った女優さんです。

     お母さんもよく存じ上げていましたが、いかにも東北出身の女性という感じ
     の明るく気さくな方だったと記憶しています。
     渚まゆみも人柄がとても良く、ややハスキーな声にはとても魅力を感じまし
     た。ただ早くお父さんを亡くしたせいか、父親みたいな人と親しくなる傾向は
     当時からありましたから、後に27歳も年上の浜口庫之助氏と結婚した時に、
     私は少しも不思議とは思いませんでした。

     その渚まゆみは、映画が下火になったことや、地方のクラブなどから彼女
     に歌ってもらいたいというリクエストが結構入るようになり、よく福岡には来
     ていたのです。
     ここに載せた彼女の写真は、2人で食事をしながら撮ったものですが、彼
     女の飾らない生地が出ている写真として私も好きなモノです。

     その食事中に、私が「田宮二郎が今晩福岡のキャバレーに出るので、以
     前から仲良くしていたので私は行くんだよ」と言うと、「私も妹みたいに可
     愛がってもらっていたので、一緒に連れて行って」と言うものですから、花
     束を持ってキャバレーに行きました。

     ショーが始まりました。歌いながら田宮が客席を回りはじめます。そして
     やってきました私たちのテーブルへ。さっと立上がって渚が花束を差し出
     しました。驚いたのは田宮でした。
     暫らくテーブルの横にいましたがステージ中央に戻り「今晩はとても嬉し
     いことがあります。それはここに大映の渚まゆみさんと中島さんが来てく
     れていることです・・・」私たちも嬉しかったのですが、私たちまでスポット
     が浴びせられ大変でした。

     ステージ裏で改めて会いましたが、大映退社の生々しい話は一切しなか
     ったです。しかし田宮も会ったことがある九州の某映画評論家が亡くなり、
     その長男で大映京都撮影所の助監督をしているのが喪主で、明日葬儀
     があることを伝えると、翌日その葬儀に田宮が参加してくれたという律儀
     な田宮のことも併せてお伝えしたいと思います。

     渚まゆみ現在73歳、浜庫さんは随分前に亡くなったけど、お孫さんに囲ま
     れて幸せな老後を送っているそうで、今年は京さんやお富士さんの出席も
     囁かれていますので、ひょつとすると会えるかも知れません・・・。

     片や坪内ミキ子もキャンぺーンで何度も福岡にきています。渚まゆみと一
     緒だったこともあり、写真はその時のものです。
     彼女は宝塚歌劇団志望だったのだそうですが、お母さんの要望で大映に
     入ることになり、雷蔵主演の「陽気な殿様」(1962年、森一生監督作品)が
     デビュー作品です。
     それ以降は主に時代劇に出演して人気を博しましたが、大映後はテレビ
     を中心にドラマだけでなく情報番組などにも出て、巾広い活躍をした人で
     すが、既に大映時代に私たち宣伝部仲間の一人と結婚、新婚旅行は九
     州でした。
           
         ↑ キャンペーンで、左から渚、坪内、私です。
         

        
       ↑ 新婚旅行中、長崎でのスナップです。先日聞いたら本人は持ってない由。

        
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大映株式会社宣伝部 ~ 番外編 (7) 宣伝マンの功名心?

2013年04月27日 | 日記

       
       ↑ 昭和41年(1966)1月13日付、読売新聞 夕刊(西部本社版)広告。

     先日、資料の整理をしていたら昭和40年(1965)ころの新聞が出てきました。
     何か特別のモノが載っているから保管していたのだろうと思い拡げましたら、
     一部は新聞広告、一部は当時の福岡市内の映画館案内でした。

     新聞広告は増村監督作品で若尾文子主演の「刺青(いれずみ)」です。九州
     で発行される新聞広告は、全て九州支社宣伝課で版下まで作成していた時
     代で、この年に読売新聞が九州で印刷を開始し、我々と秘密で特別の新聞
     広告を出そうと準備し発行したものでして、九州初のカラー映画広告だったの
     です。
     今ではカラーは普通ですが、当時は大映の本社も驚いたし、暫らくは業界で
     話題になりました。

     もう一部は福岡市内の映画館の上映案内で、福岡市内を「西部」「東部」「中
     央部」「南部」と分け、合計53館がズラリ並んでいて壮観です。
     どちらも古くてボロボロの古新聞ですが、当時隆盛の福博興行街を思い出し
     てしまいました。

     九州支社宣伝課の役割については、過去の当ブログでも何回か書きましたが、
     作品の基本方針は我々も参加した宣伝会議で決めたものを進めますが、プラ
     スアルファーはそれぞれの宣伝課による一種の競争になります。
     上記のカラー新聞広告もその一つですが、私も名誉を懸けて他支社に負けな
     いよう考えまくって実施したものです。

     各新聞の大映関連記事段数は他の映画会社に負けないよう頑張ったし、ロケ
     の手配タイアップ、監督・俳優のキャンペーン、劇場挨拶、懇談会、九州だけの
     オリジナル造り物、特殊街頭宣伝などなど我ながら良くやったものだと改めて
     感心します。

     そのためには本社での見回しは勿論ですが撮影所との連携、マスコミの皆さ
     んと日ごろの融和など、本当に色んなことをやりました。
     大映が大好きだし、他には負けたくないと仕事の熱心さに加えて、若い宣伝
     マンとしての功名心も強かったのかも知れません。
     それでもいま思い出して、つい微笑みの表情になるのは、私は根っからの映
     画宣伝マンだったのでしょうね。

  
     ↑ 「ああ海軍」では終日こんな格好で。   ↑「野火」では戦車を繰り出して大騒動。
  
     ↑ 京都撮影所で私。            ↑ 私が送り出したニューフェイスの一人。
     ↑ フクニチ新聞・昭和38年(1963)8月掲載の映画館案内。
 
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本日も映画の感想2本立 「天使の分け前」 & 「HK/変態仮面」

2013年04月26日 | 日記

     「天使の分け前」はケン・ローチ監督作品であり、カンヌ国際映画祭の審査員
     賞を獲った作品であること。もう1本の「HK変態仮面」は沢山の人が映画館に
     足を運んでいる話題作というので、重い腰を上げて見た作品です。
     果たしてその結果は・・・。


   

     まず「天使の分け前」はスコットランドが舞台の物語です。
     主人公ロビー(ポール・ブラにガン)は、少年刑務所を出たばかり。恋人レオニー
     (シヴォーン・ライリー)と生まれてくる子どものために人生を立て直したいと思う
     のですが、仕事も住む場所さえない状態で、またもやトラブルを起こしてしまい
     ます。

     服役の代わりに社会奉仕活動を命じられ、そこで3人の仲間ができ、奉仕活動
     指導者でウイスキー愛好家のハリー(ジョン・ヘンショー)に出会います。
     ハリーからスコッチウイスキーの奥深さを教わり、テイスティングの才能が開花。
     ウイスキーが熟成する途中で少しづつ蒸発して量が減ることを"天使の分け前"
     と教えられ、仲間たちと途方もない計画を思いつくのでした・・・。

     この1樽100万ポンド以上する高級ウイスキーに人生の大逆転をかける仲間たち
     の話は、ポール・ラバーティの脚本です。
     滑り出しから面白そうで、軽快に描かれるのですが、段々面白くなくなり、特に
     このラストで良かったのかと、見てて納得出来ない気持ちになりました。
     主人公が仲間たちと一緒に、本当に更生して行くお話ならいいのですが、見て
     てあれでは幸せな家庭を持てないと思ってしまうのです。

     監督がケンめローチですから、随所にいい場面もあるのですが、結果はその場
     しのぎの連続に終わり、明るく感動させるという強い力に欠ける作品だと思わざ
     るを得ません。


   

     「HK/変態仮面」は、1992~93年に「週刊少年ジャンプ」で連載されたあんど
     慶周の人気漫画「究極!!変態仮面」を実写映画化したものです。
     原作の大ファンを公言する俳優の小栗旬が脚本協力として参加とていますが、
     彼の熱意が映画化を促したと伝わっています。

     ドMの刑事とSM女王を両親に持つ紅游高校拳法部員の色丞狂介(しきじょう
     きょうすけ・鈴木亮平)は、転校してきた姫野愛子(清水富美加)に一目ぼれして
     しまいます。

     ある日、愛子が銀行強盗事件に巻き込まれ人質にとられる事件が発生。覆面
     を被り変装して強盗を倒そうとした狂介は、間違って女性用パンティを被ってし
     まいます。しかしその瞬間、狂介の奥底に眠っていた変態の血が覚醒し、人間
     の潜在能力を極限まで引き出した超人「変態仮面」に変身するのでした・・・。
     監督は「コドモ警察」の福田雄一です。

     映画の感想は百人百様が当り前だと私はいつも言っています。この作品とて同
     様なのですが、周囲の好評と観客動員に、あまりにも水を差すような発言で悪い
     とは思いますが、率直に言って出来の悪さに驚いています。
     なにが面白いのか、いいのかさっぱり判りませんし、笑うより苦笑の連続です。

     あのようにくだらない役を主演者たちが一生懸命やっているのが素晴らしいとも
     聞きますが、いくら熱心に演じても肝心の映画の内容や出来ばえが駄目なら、そ
     れは気の毒にしか見えません。
     続編なんて全く期待しないし、こんな映画を作っていたら邦画の滅亡につながり
     ますよ。


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楽しかった旅の一コマ ( その.13 ) ロサンゼルス

2013年04月25日 | 日記

      

     少し間が空きましたが、今回はアメリカ西海岸最大の商業・金融拠点ロサン
     ゼルスです。
     ここは2度ばかり訪れていますが、最初に行った時ほど感動!の気持ちを込
     め、敢て古い写真を選びました。

     ロサンゼルスは皆さんご存知のようにニューヨークに次ぐアメリカ第二の都市
     であり、映画人として不思議に心が弾むのは、ハリウッドが郊外にあるからで
     しょうか・・・。

     ロサンゼルスという都市名はそのものズバリのスペイン語で"天使"です。
     もともとはインディアン部族が暮らしていて、1770年前後にスペイン人が一般
     人の住める町を作ったのそうで、その頃から"ポルシンウラの天使達の女王"
     =Los Angelesと呼ばれていた地名が現在に至っていて、今でもスペイン語
     人口が42%というアメリカ一の地域なのだそうです。

     この街が大発展をとげた要因の第一は、石油化学工業を中心に発達したの
     ですが現在はそれに電子機器や宇宙産業が加わったこと、第二は航空機産
     業の中心地であること、そして第三がハリウッドに代表される映画産業の中
     心地であり続けていることなどです。
     世界の情勢の中でこの地のポジションも刻々変化はしていますが、我々がい
     つ行っても発展の息吹を感じる好きな街の一つではあります。

     ただし治安があまり良くないのが珠にキズで、改善が進んでいるとは言うも
     のの夜の外出は注意が肝要です。
     私も滞在中にダウンタウンの真夜中の熱い雰囲気に接したく、地元の女性
     ガイドに頼み込み、2人でそれなりの格好をして出かけましたが、周囲の反
     対を押し切って出かけただけあって、その無類の楽しさは、世界中を旅して
     熱い深い思い出がありますが、まさにトップクラスでしたね。

     ビバリーヒルズの散策、サンタモニカにも足を伸ばしましたし、勿論チャイニ
     ーズシアター、ディズニーランドにも・・・。そして真夜中に登ったグリフィス天
     文台からの夜景の素晴らしさは、いつまでも忘れられない素晴らしい光景で
     した。

     
   ↑ チャイニーズシアターの前で私。        ↑ 今でも「アニー」やってます。
  
   ↑ マリリン・モンローの手型足型       ↑ ソフィア・ローレンの手型足型
  
   ↑ フレッド・アスティアの手型足型      ↑ ジーン・ケリーの手型足型
  
   ↑ 上記は二枚ともロスのディズニーランドです。日本にはない潜水艦にも乗りました。
  
           ↑ 上の2枚ともロサンゼルスの風景。              ↑ グリフィス天文台からの夜景はまさに絶景です。

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