映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「預言者」

2012年05月31日 | 日記

    

      「リード・マイ・リップス」や「真夜中のピアニスト」などで知られるジャック・
      オーディアール監督が、現代の刑務所を舞台に描いた作品で第2回カンヌ
      国際映画祭グランプリを受賞、第82回アカデミー賞外国語映画賞にもノミ
      ネートされた話題作です。
      日本では2010年に開催されたフランス映画祭で既に上映されているので
      すが、今回やっと一般公開の運びとなりました。

      刑務所で6年の刑に服す19歳のアラブ青年マリク(タハール・ラヒム)は、所
      内を牛耳るコルシカ・マフィアのボスであるセザール(ニエル・アレストリュプ)
      からまるで奴隷のように扱われ、さらに刑務所内で対立する囚人を消すよ
      う命じられたりします。
      そんな酷い環境の中で、マリクは徐々に読み書きや刑務所で独自のサバ
      イバルを方法を身につけて行くのでした・・・。

      ジャック・オーディアール監督の演出手腕もさることながら、これで俳優とし
      て本格デビューし、セザール賞で初となる主演男優賞と新人賞をダブル受
      賞したタハール・ラムヒがなんと言っても素晴らしいし、ボス役のニエル・ア
      レストリュプの悪玉ぶりと丁々発止の演技が見ものです。

      お話は完結しているのですが、壮絶なサバイバルを経て新しい自分のファ
      ミリーを持つにいたった主人公の、これから先の生き方を改めて覗いてみた
      い気がする一篇です。
      ひろい物と言ったら失礼だけど中々見応えのあるフランス映画です。
                        (5/22 KBCシネマ 4日目 12:05の回 22人)


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博多座五月公演 「ラ・マンチャの男」

2012年05月30日 | 日記

  

      博多座五月公演は、博多座で2002年に行なわれた公演から十年ぶりのミュ
      ージカル「ラ・マンチャの男」でした。
      既に今回の公演は終わっていますが、遅ればせながら感想をアップさせてい
      ただきます。

      「ラ・マンチャの男」はセルバンテスの小説「ドン・キホーテ」を基にしたミュージ
      カルで、1965年にリチャード・カイリー主演で初演され、名作ミュージカルとして
      現在も世界中で公演が続いています。

      日本では1969年から松本幸四郎の主演で公演が始まり既に43年が経ち、記
      念すべき1200回目の舞台が近づいています。
      歌舞伎俳優でありながらミュージカルの主役も務める彼ですが、弟さんの吉右
      衛門が功績で先に人間国宝となり、幸四郎が一歩遅れをとった感じはするもの
      の、識者は彼の演劇全般への功績を大きく認めるものです。

      ミュージカルの脚本が、原作者のセルバンデスが小説「ドン・キホーテ」を着想
      したのは、セビリアで牢に入っていたという事実を基にしています。
      セルバンデスと一緒に入っていた囚人たちの現実、彼らが演じる劇中劇におけ
      る田舎の郷士アロンソ・キハーナの現実、そしてキハーナの妄想としてのドン・
      キホーテという多重構成物語のミュージカルです。

      ミュージカル・ナンバーの「ラ・マンチャの男~われこそはドン・キホーテ」「ドルシ
      ネア」「見果てぬ夢」は、何度聞いても素敵な曲だし、生の演奏で歌う幸四郎の
      歌声はいささかも声量・テクニックともに衰えていません。
      もちろんお芝居もますます円熟していて、友人の言葉を借りれば"幸四郎に神
      が降りて来ている・・・"で、とても古希を迎える人とは思えない迫力です。
      親子共演になった松たか子も大熱演でした。出演者のセリフから時折博多弁が
      飛び出すのもご愛嬌で、最後まで観客を魅了した好舞台でした。

        ~おまけ~
       下の写真は去年末のスペイン旅行で立ち回ったドン・キホーテの関連地にて
       撮ったものです。
     

  

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映画 「アンネの追憶」

2012年05月29日 | 日記

    

      ユダヤ人の少女アンネが、アムステルダムの隠れ家からナチスによって連
      れ出され、強制収容所に送られてからの過酷な運命を描いた作品です。

      「アンネの日記」には書かれなかった知られざる日々が、アンネの親友だっ
      たハネリ・ホスラーのインタービューをまとめた「もうひとつのアンネの日記」
      (アリソン・レスリー・ゴールド著)を原作に、一家の中でただ一人生き残った
      父親オットーによる回想形式で綴られています。
      見る前はアンネの日記ベースに、キワ物映画と思っていたのですが、中々
      どうして真面目な作品でした。

      監督はユダヤの魂を描くことに燃えるアルベルト・ネグリン。特にいいのは
      アンネ役のロザベル・ラウレンティ・セラーズが、みずみずしい好演と、音楽
      を「ニュー・シネマ」や「海の上のピアニスト」のエンニオ・モリコーネが担当
      していることもあって感動的な作品になっています。

      アンネ・フランクが15歳という短い生涯を閉じた場所は、ドイツのベルゲン・
      ベルゼン収容所でしたが、彼女が亡くなったのは3月頃にチフスでの病死と
      いわれています。(飢餓やチフスの蔓延により、この収容所では解放直前の
      三か月間で3万5000人が死亡)
      この収容所は直後の4月15日に進攻して来たイギリス軍によって解放され
      ており、本当にすれ違いの感じで悲しいことになりました。

      あれから既に67年が経過しています。
      数々の戦争悪については、いつまでも忘れてはならない出来事として語り
      継がねばならないのですが、この映画はその役割を充分に果たしていると
      思います。
                       (5/21 キャナルシティ 3日目 10:00の回 4人)

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映画 「ダーク・シャドウ」 + ざれ言

2012年05月28日 | 日記

   

      奇想天外なキャラクターと、ダークなファンタジー作品を数々製作してきた
      ティム・バートン監督 & ジョニー・デップの8度目のコラボレーションは、
      1966年から71年にアメリカABCテレビで放送され、映画も「血の唇」として
      映画化もされたゴシック・ソープオぺラの映画化です。
      果たして9度目の正直はどうなるか?です。

      物語は1752年から始まります。
      裕福なコリンズ家に生まれたプレイボーイのバーバナス(ジョニー・デップ)
      は、魔女アンジェリーク(エヴァ・グリーン)の手によって不死のバンパイア
      にされ生き埋めにされてしまいます。

      二世紀を経た1972年、ひょんなことからバーバナスは自身の墓から開放
      されますが、200年を経過したコリンズ家はすっかり落ちぶれ、女主人エリ
      ザベス(ミシェル・ファイファー)が取り仕切るコリンズ家の末裔たちは暗く不
      可解な秘密を抱えながら生きいました。
      コリンズはバンパイアなのに何とかしてコリンズ家を立て直そうと、父の言
      葉である「唯一の財産は家族」を胸に行動を起こしますが、いま町を支配し
      ているのは魔女アンジェリーク。かくて彼女との戦いが再開・・・。

      怖さと笑いが上手くミックスして、もう少し面白くなるだろうにと期待しながら
      見ていたのですが、脚本のひと捻り不足だし、デップは真面目過ぎて面白
      味に欠けるし、演出も中途半端でバートン魔術は不完全燃焼です。
      その中でいいのは魔女役のエヴァ・グリーンで、「007/カジノ・ロワイヤル」
      でやったポンドガールの面目躍如です。
      逆に感心しないのは今まで絶好調だったクロエ・グレース・モレッツで、今
      後は役柄を大事にして欲しいものです。
      結論、出来ばえは普通の下といったところでしょうか・・・。
                    (5/20 TOHOシネマズ ソラリア 2日目 13:15の回 97人)


      PS:
      ある方から、このブログで取り上げる映画の感想をもっと増やして欲しいと
      望まれました。
      こんな私の辛口感想などをと思いながらも嬉しく聞いたのですが、逆に私は
      見たい映画をもっと絞りたいと思っていたので本数を減らすつもりだったの
      です。

      その一番の原因は最近の全般的な映画の質が、あまりにも低下していて
      上昇の気配が薄いことです。
      今年は全国的に映画館が100館くらいクローズするらしいと関係先から聞き
      ました。
      充実した作品が少なくなったこと、客数が増えないこと、映画館でのデジタル
      上映システムに多額の投資が必要なのに採算が取れないくらい業績が上が
      らない・・・などが原因と思われます。

      私の知っている方で、映画を年に600本ぐらい見ている方もおられますが、私
      はこんな調子では映画を見る回数が減るだろうし、舞台をもっと観たいし、音
      楽も聞きたいし絵も見たい、もっと海外に出たい、写真も撮りたい・・・などなど
      の気持ちが一杯で、もう暫らくは元気でいたいと思っているのです。
      感想を減らしたいという反面、映画をもっと見たくて仕様がない私でもあるの
      です。変ですね。

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泉流九州支部 二十五周年記念舞踊公演

2012年05月27日 | 日記

  

      土・日曜の2日間は、"日本舞踊 泉流九州支部二十五周年記念舞踊公演"に
      ご招待を受けました。

      日ごろから泉流九州支部長の泉徳三照さん親子と仲良くさせていただき、2
      日間は朝から晩まで福岡市民会館に詰めていましたが、お昼も夜もお弁当を
      用意してくださっていて「2日間はここで生活してください!」と笑い顔で言われ
      ました。

      泉流二代目家元の泉徳右衛門さんも高弟を引き連れて特別出演されたし、地
      元からは2日間で約50人のお弟子さんが出演し、華やかな公演でした。
      初日は昼1回、2日目は昼夜2回に分けての開催で、観客は毎回1500名を超
      えていたようです。

      こういった公演の難しさとか、大変なご苦労はここでは書けませんが、お嬢さん
      の泉徳乃さんは今回、家元の長男さんと清元「落人」を踊るので、横浜の家元
      宅に何度も通ってお稽古をしたそうです。
      それでも色々なご苦労の甲斐があって本当に素晴らしい会でした。

      それとこの2日間会場で、久し振り日本舞踊各派の知己や地元の友人に沢山
      会えました。そその中には私が大映にいた頃に仲良かったお師匠さんにも何
      十年ぶりに再会、キセキ的でした。

      この公演のために行き損なっている博多座の「ラマンチャの男」ですが、千秋楽
      ギリギリでも何とかして見るつもりです。

  
   ↑左、泉徳三照さん(支部長)「老松」  右、家元の長男さんと踊る泉徳乃さん「落人」
  
   ↑左、泉宝三照さんの「藤娘」    右、泉徳喜恵さん「独楽」(先代花寿輔さん振付)
  
   ↑左、泉桜子・紀三助さん「角兵衛」   右、泉花三照さん「娘獅子」
 
              ↑家元 泉徳兵衛さんの「保名」
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