映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「マーヴェリックス 波に魅せられた男たち」

2013年06月29日 | 日記

   

     カルフォルニア北部に現れる世界最大級の大波「マーべリックス」に挑んで
     一躍有名になりながらも、22歳で夭折した天才サーファー、ジェイ・モリアリ
     ティの実話を描いたドラマだということぐらいしか頭に無く、これまでサーフ
     ァー映画はほとんど見てきたので、この作品も物語よりも素晴らしい波が見
     れるくらいのつもりで見たのですが、なんと主演者の一人が「エンド・オブ・
     ホワイトハウス」のジェラルド・バトラーで、前作とは打って変わった役柄に
     驚きながら見た次第。

     カリフォルニア州サンタクルーズで母親と2人で暮らす高校生ジェイ・モリア
     リティ(ジョニー・ウェストン)は、近くの海岸に現れる世界最大級の波「マー
     べリックス」に乗るため、隣に住む伝説的サーファー、フロスティ・ヘッソン
     (ジェラルド・バトラー)に師事し、サーファーとしての精神や技術を磨いて行
     きます。
     やがて二人の間には父子のような絆が生まれ、幼なじみキムとの恋や、母
     との心のつながりを通してジェイは大きく成長して行くのでした・・・。

     監督は「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソンと、「007 ワールド・イ
     ズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッドが共同監督です。

     まず物語りは普通ですが、素晴らしいのは想像通り圧倒的な波の映像です。
     サーフィン場面もCGを加えて良く出来ていて圧倒されます。それと前段にも
     書きましたが、まさかジェラルド・バトラーが出ているとは露知らず驚きました
     が、今回はアクション・スターではなく、主人公青年の師匠役は彼の役柄の
     広さを見せてくれていて、渋くていい味を出しています。

     サーファー向きの映画だろうと、言ってしまえばそれでお終いで、サーファー
     でもない私でさえ、波の魅力と、人生を豊かにして行く一つの手段と考えて
     見れば結構楽しい作品です。
     主人公のジェイ・モリアリティは、この映画では描かれていない先で、将来
     を嘱望されながら22歳で事故死(水死)するという意外な運命をたどるのです
     が、ここまで描くべきだったと私は思います。



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映画 「池島譚歌」 (いけしまたんか)

2013年06月28日 | 日記

   

     「池島譚歌」は九州・長崎県での物語で、ほとんどが現地ロケで撮影されたと
     あって、地元の新聞などでは特集を組んでいましたし、映画のクライマックスで
     は、炭鉱繁栄時代の石炭を運搬するレールと貨車をイメージして、レール移動
     撮影1kmに挑戦してギネス世界記録TMを目指すことなどが話題として取り上
     げられていました。

     そんなことで私も事前に知ってはいたのですが、もう一つ食指が湧かずパスす
     るつもりでした。
     ところがある所で荻野監督と遭遇して少しお話したことと、「私はもと大映監督
     弓削太郎氏(故人)の甥です」と名乗られては見ない訳には行かず見て来ました。

     物語の舞台は、全盛期には8000人が暮らした炭鉱の島・長崎市池島です。
     現在は約300人しかいないこの島で、少年と島を出たまま帰ってこない母親との
     絆を描いたドラマです。
     ある日、少年はランドセルの中から小さな石炭を見つけますが、石炭は「命の石」
     と言っていた母の言葉がよぎり、これは母からのメッセージに違いないと思い込
     みます。
     仲良し4人組の少年少女が、母が帰っているかも知れない・・・と、島の立ち入り
     禁止地域に入り込んで行きます・・・。

     主役の少年をはじめ、オーディションで選ばれた長崎県内の小中学生たち4名で
     すが、大体子役って上手すぎるのも嫌ですが、この作品の子役たちの下手さには
     閉口です。
     と、子役たちを槍玉に上げる前にお話のつまらなさ、脚本と演出の稚拙さが目立
     ち過ぎます。
     低予算で映画を製作したいという意欲は感じられますが、まともなのは撮影ぐら
     いで、上述のように取り得はほとんどありません。

     話題になっていた1000mのレール撮影も、ギネス記録を単に狙っただけで、内容
     的に必然性を感じません。
     主人公が成人して映画監督になり、想いを込めて1000m歩くシーンですが、本人
     はしゃべらず、ナレーションで自分の生い立ちや、将来を語って行くシーンです。
     映画なんですから、こんな重要な場面はちゃんとした映像表現をしてもらいたいも
     のでした。

     私が見た時の観客は3人でしたが、この出来では料金は頂けない作品と思います。
     もう少し勉強して映画を撮って欲しいです。

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楽しかった旅の一コマ ( その.19 ) ミラノ

2013年06月27日 | 日記


          ↑ ミラノの象徴「ドゥオモ」(大聖堂)の前で私。

     ミラノはイタリア経済の中枢を担う都市として、更に世界的なモードの発信
     地としてその名を知られています。
     人口は130万人で、元々はケルト人が開いた街ですが、商売を中心にどん
     どん発展を遂げ、華やかなルネサンス文化が開花しました。

     ミラノに滞在して市民に聞くと、なんでもローマよりミラノだよ!って必ず言
     います。彼らなりのプライドがあるのでしょう。
     先述のようにパリと並んで世界のファッションをリードしていて、3月と10月
     にはミラノ・コレクションが開催されることが有名ですが、アルマーニ、ヴェ
     ルサーチ、プラダなど有名ブランドはミラノが発祥地です。

     まずご紹介したいのは「ドゥオモ」ですが、これは大聖堂のことです。
     1813年から500年を費やして完成したもので、天に向かって突き刺すように
     伸びる135本の尖塔と、天井を飾るステンドグラスは、ゴシックの粋と言えま
     しょう。
     私が行った日は晴天だったので屋上の尖塔部分に登りましたので写真でご
     覧ください。

     そこからあまり遠くないところにあるのが「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ
     教会」で、ここにはレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた壁画「最後の晩餐」があ
     りますので、これを見逃すと大変です。

     あまり広い街ではないので、すぐに十字形のガラスの屋根をかけたアーケイ
     ドが目に入ってきますが、これが商店街「ガッレリーア・ヴィットーリオ・エマヌ
     エーレ2世」です。
     統一イタリアの初代国王の名をとり、1865年から12年をかけて作られたもの
     で、格調ある商店が並ぶだけではなく、全店の看板も黒地と決められていて
     一種独特の高級な雰囲気があります。
  
     一番最後の写真は「スカラ座」です。世界中にスカラ座の名称をもつ映画館・
     劇場が沢山ありますが、ここが本家です。
     1778年にオペラの殿堂として建設され、その外装は地味で落書きなどもあり
     ますが、内部は豪華絢爛な2800席を持つ世界の舞台です。

  
          ↑↓ ドゥオモの屋上に登って撮りました。
     
          ↓ ここから6枚は、ドゥオモ(大聖堂)の内部です。
  

     

  

   
                   ↑ 大聖堂広場です。

  
            ↑ サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会です。
     
        ↑ レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」

  
        ↑↓ この6枚はアーケイド商店街の中で。黒地の看板を見てください。
  

  

  
               ↑↓ミラノ 市内の風景です。
  

               ↑ スカラ座の前で私。

    
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映画 「セデック・バレ」 第一部:太陽旗 第2部:虹の橋

2013年06月26日 | 日記

   

     台湾映画「セデック・バレ」は、1930年に日本統治下の台湾で起こった先住民
     セデック族による抗日暴動・霧社事件を描いた作品です。
     第一部「太陽旗」144分、第二部「虹の橋」132分で、福岡での公開は、料金を
     2本分とって上映されました。

     過日5月30日のこのブログ「楽しかった旅の一コマ・台中」で取り上げた台中こ
     そ"霧社"に近い場所であり、ブログに書いた李香蘭主演の「サヨンの鐘」も、先
     住民族を扱った映画でした。
     事件の時は私はまだ生まれていませんが、幼い頃に"霧社事件"の話は親から
     聞かされましたし、周囲ではまだ"生蛮"(先住民のこと)と言う人が多かったのも
     覚えています。
     物心がついた頃には"高砂族"と呼び名が変わっていて、彼らも先祖は日本人と
     同じと言っていた人が多くいました。
     まあそんなこともあって、私的には非常に関心を持って見た映画です。

     日清戦争で清国が敗れ、1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの50
     年間に及んだ台湾の日本統治時代でした。
     当時台湾では日本人化運動が推し進められ、新しい文化文明がもたらされる一
     方、原住民族独自の文化や習慣がないがしろにされたり、一部では過酷な労働
     と服従を強いられるようなこともあったのです。

     台湾中部の山岳地帯に暮らす狩猟民族セデック族の集落にまで日本の統治が
     及び、平穏な生活が奪われて行くと彼らは考えたのでした。
     それから35年、父親の跡を継ぎ一族の頭目となったモーナは、一人のセデック
     族が日本人警察官と小さないざこざで衝突したことから、一族の押さえ込まれて
     いた感情が爆発、蜂起したのです・・・。

     第一部「太陽旗」ではセデック族が武装蜂起するまでが描かれます。そして、
     セデック族の間で「死後に渡る」と信じられてきた虹の橋を象徴とする第二部
     「虹の橋」では、蜂起したセデック族に対する日本の警察および日本軍の報復、
     セデック族の人々を襲う悲劇と多大な犠牲が、家族愛、苦悩、葛藤などさまざま
     な感情の交錯を交えながら描かれています。

     監督は「海角七号 君想う、国境の南」のウェイ・ダーション監督で、プロダクショ
     ンデザインの種田陽平、日本軍人役の安藤政信、木村祐一ら、日本からもスタ
     ッフキャストが参加しています。

     実際には同僚と巡回中の日本人巡査が、たまたま村で行なわれていた結婚式
     の場を通りかかった際に、巡査を宴に招き入れようとしたセデック青年を、宴会
     の不潔を嫌った巡査が青年を叩き、侮辱を受けたと感じた青年が逆に巡査を叩
     き返したことから始まったのです。
     「サヨンの鐘」のように巡査と地元娘の愛情物語もありますし、首狩りと勇猛さを
     鼓舞する彼らを、自らの命と引き換えに首狩りをやめさせた話などは今でも語り
     草ですし、台湾を旅行すると日本人の功績を顕彰する碑が至るところにある台湾
     です。

     日本の統治にも問題があったのは間違いありませんが、概して親日的な台湾で
     あり、先住民族でもあるのですが、中国で起こる反日の動きとは違いますので、
     このあたりの描き方が私的にはやや不満です。

     原因はなんであれ、武力蜂起により罪の無い日本人の女や子どもまでが約140
     人も惨殺されたことへの言及が全く無いのです。出来るだけ史実に沿って描こう
     とする配慮が随所に見受けられるのですが、肝心のことが抜けています。

     それとどうしても映画ですから、見せ場を強調するあまり、必要以上に戦闘場面
     が続きます。一方的にやられる日本軍や警察の無統制ぶりとか、やられる人数
     とか、映画では莫大な感じですが、実際には日本軍の戦死者は22名、警官6名、
     日本側に協力した先住民21人で、この21人は靖国神社に祀られています。
     またセデック族側は700人が死亡若しくは自殺、500人が投降していて、映画で
     は如何に興味本位で戦闘場面を撮ったのか判っていただけると思います。

     と、まあ4時間36分かけて見たこの作品ですが、とても疲れました。
     私の考え方に異論もあると思いますが、もう少し広い視野で撮って欲しかった…
     が私の尽きぬ想いです。

       
              ↑ 台湾にて、私。


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映画 「アフター・アース」

2013年06月25日 | 日記

   

     監督が「シックス・センス」のM・ナイト・シャマランだし、ウィル・スミスとジェイ
     デン・スミスが7年ぶりの親子共演作品なので、これでは期待しない方がおか
     しい・・・と思って見たのですが、なんと・・・。

     物語は1000年後の未来で、人類が地球から別の惑星に移住した西暦3072年
     になっています。
     宇宙遠征の途中で不慮の事故で、宇宙艇は見知らぬ惑星に不時着したのです
     が、その惑星こそかって人類が放棄した地球だったのです。
     不時着で生き残ったのは兵士と息子の二人のみで、地上に生息する生物によ
     ってさまざまな危険にさらされるというSFサバイバルサスペンスです。

     W・スミスは脇役に回ってあんまり活躍しないし、J・スミスは子役時代の面影が
     なくなって主役を張る器ではないし、シャラマン監督も鬼才と言われた片鱗すら
     見せてくれません。

     地上には酸素がほとんど無く、生き延びるには酸素カプセルが必要とされ、二
     人は苦労しますが、他の生物は動き回っているし、植物は青々と茂っているし、
     焚き火はどんどん燃える・・・というように、お話も環境も全てがこんな調子で苦
     笑の連続です。
     少しぐらいは褒める箇所をご紹介したいと思い、随分考えたのですが思い当た
     りません。こんなこと珍しいのですが仕方がありません。

     巷間でウィル・スミスが息子のために撮った親バカ映画という声が聞こえてきま
     すが、M・ナイト・シャルマン監督の不振とともに親子の名声に傷を付けるだけの
     ことです。勿体ない話です。


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