映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「キャプテン・フィリップス」

2013年11月30日 | 日記

   

     2009年4月に、ソマリア海域で実際起こった海賊船による貨物船人質事件
     を、ポール・グリーングラス監督で映画化したノンフィクション作品です。

     アラビア半島のオマーン港から、ソマリア難民への援助物資として5000トン
     以上の食糧・燃料などを積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マ
     ースク・アラバマ号は、ソマリア海域でおんぼろ小型ボートの海賊4人に襲
     われ、瞬く間に占拠されてしまいます。

     53歳のベテラン船長リチャード・フィリップス( トム・ハンクス)は、20人の乗
     組員を解放するものの、自身は4人のソマリア人海賊に人質としてカプセル
     状の救命艇で連れ去られてしまうのです。
     フィリップス船長は、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始
     め、一方では並行する米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日
     間が過ぎて・・・。

     脚本は「ニュースの天才」「アメリカを売った男」のビリー・レイですが、実話
     に基づいて上手くアレンジされています。
     少し長尺かなと思いましたが、実際に起こったことを船長の回顧録に基づい
     て、出来るだけ忠実に再現しようと考えたのでしょうから仕方ないでしょう。
     事実は小説より奇なり・・・の類で、息詰まる緊迫シーンの連続、上手く纏ま
     っています。

     トム・ハンクスはこの船長役を実に好演しているし、海賊役は現地でのオー
     ディションで選ばれた素人だそうですが、どちらも成り切っての大熱演です。
     但し、この作品は彼らがどうして海賊をやるのかの描写も加えられていて、
     このサスペンスドラマには、重大なる世界の問題を含ませていて奥が深い
     作品になっています。是非ご覧ください。

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映画 「ばしゃ馬さんとビッグマウス」

2013年11月29日 | 日記

   

     「純喫茶磯辺」「さんかく」などオリジナル作品を発表してきた吉田恵輔監督が、
     シナリオライターへの夢を捨てきれない男女の葛藤や挫折、恋模様をユーモラ
     スに描いた作品です。

     学生時代からシナリオライターを目指す34歳の馬淵みち代(麻生久美子)は、コ
     ンクールに作品を応募し続けていますが落選ばかり。「私、こんなに頑張ってい
     るのに・・・」が口癖で、周囲からは「ばしゃ馬さん」と呼ばれています。
     夢を諦めきれない彼女はシナリオスクールに通い始めますが、そこで同じく脚
     本家志望の28歳・天童義美(安田章大・関ジャニ∞)と出会います。

     天童は、「俺が本気を出したらスゴイで」と言いながら一度も作品を書いたこと
     がなく、他人の作品を酷評してばかり。そんな「ビッグマウス」の天童が、年上
     で性格も真逆だがしゃかりきにシナリオを書き続ける馬淵に恋してしまったこと
     からひと騒動が・・・。

     吉田恵輔は映画監督として10年間芽が出なかった方と聞きますが、この経験
     を基に実に自然な物語にしていて、しかもメジャーではなくインディペンデント作
     品として完成させたことに絶賛したいと思います。
     そして主演の麻生久美子がこれまたいいです。映画はまず脚本の出来、そして
     監督の手腕が大事ですが、この作品の麻生久美子が生かされ、彼女の将来に
     大きく役立った作品になったと思います。

     映画界が繁栄した時代には、多くの映画会社が脚本家を社員として自社で養
     成したものです。
     シナリオはただ面白く書くだけではなく、映画としての製作条件的なもの頭に
     入れて書かなければなりませんが、その全てを自社で勉強出来た時代でした
     し、いい脚本家が多く巣立ったものでした。

     今はそんなシステムはなく、ほとんどが自分で勉強し、必死になってコンクー
     ルに応募して突破口を開こうとする・・・まさしくこの作品に描かれた世界です。
     こんな仕組みでは邦画の質の向上は難しいと思いますし、身につまされてこ
     の映画を見たせいもあり、邦画界の現況に寂しい気がしました。
     それにしても吉田監督の目はとても優しいし、後味のいいラストも共感。私とし
     てお薦めの一本です。

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「トルコの旅 ②」 イスタンブール旧市街・・・

2013年11月28日 | 日記


                  ↑ 「ブルー・モスク」を背景に私。

       
            ↑ 上の2枚はいずれも「ブルー・モスク」の内部で

     “ギュウ・ナイ・ドン" まるで牛丼店で牛丼が売切れました・・・のような言葉で
     すが、これがトルコ語で「お早うございます」です。
     今回のトルコの旅はイスタンブールをスタートし、東部のイラクやシリア国境に
     近い地方を避け、トルコを半周する感じのスケジュールです。
     と言っても領土は日本の二倍以上なので、日本を一周するのに等しい旅です。

     到着地のイスタンブールから特別バスで出発し、最後はまたイスタンブールに
     戻って観光というスタイルですので、この流れに沿って旅の話題を繋いで行き
     たいと思います。
     まず初日のイスタンブールは、この街の観光ハイライト「ブルー・モスク」「トプカ
     プ宮殿(宝物館・ハレム含む)」「アヤソフィア」です。

     イスタンブールは街の真ん中に位置するボスポラス海峡から西部がヨーロッパ、
     東部がアジアとなる街で、ヨーロッパサイドには旧市街・新市街あり、上記三ヶ
     所はいずれも旧市街にあります。

     「ブルー・モスク」はオスマン帝国が栄誉を誇った17世紀に建てられたイスラム
     寺院です。
     ドーム内部に飾られた青い花柄のタイルとステンドグラスの光が、あまりにも
     美しいことからブルー・モスクと呼ばれるようになったのだそうです。
     寺院の外側にある尖塔が普通は4本までですが、世界で唯一6本立っている
     のが特徴です。尖塔(ミナレット)とは礼拝の時間を知らせるための塔で、高さは
     約63~68mあります。

     「トプカプ宮殿」は15世紀にイスタンブールを征服したメフメット2世が建設し、歴
     代のオスマン帝国皇帝が約400年に亘って居城とした建物です。
     広い四つの庭園エリアに分かれ、それを取り囲む建物は現在博物館となり、特
     に第3庭園に面する宝物館には、三つの大きなエメラルドをはめ込んだ黄金の
     短剣や、世界で四番目に大きい86カットのダイヤモンドなど、えーっと目を見張る
     宝石類が並んでいます。映画でこの宝物殿を狙う作品がありましたが納得です。
     また「ハレム」は何百もの広間や小部屋からなり、内部のタイル装飾は実に美し
     いし見ものです。

     「アヤソフィア」はビザンチン帝国時代の360年、コンスタンティヌス2世によりキリ
     スト教の聖堂として建てられたのですが、オスマン帝国が征服した後はイスラム
     教のモスクになった建物です。
     直径33m、高さ56mのドームは世界最大といわれ、外観・内部の豪華な石材が
     とても荘厳で、二つの帝国と二つの宗教が同居する不思議な空間でもあります。

     初日はひとまず上記を観光してバス移動です。次の目的地はイスタンブールか
     ら約450㎞のアンカラ/更に220㎞離れたボアズカレです。

  
             ↑ 上の二枚も「ブルー・モスク」の内部で
  
    ↑ 「アヤソフィア」                ↑ 古代競技場跡の「ヒポドゥローム」
  
         ↑↓ トプカプ宮殿の混雑振り。入口には銃を持った警備兵。
  

        
       ↑ トプカプ宮殿の宝物館にある「86カットのダイヤモンド」「黄金の短剣」
  
         ↑↓ これからの10枚は「トプカプ宮殿」と「ハレム」の内部
  

          

  

          

  
    ↑ トプカプ宮殿中庭からの眺望。左側がヨーロッパ、右がアジア。添乗員のKさんと。
  

  

  
             ↑ イスタンブールで初めての昼食でした。

             
 
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映画 「清須会議」

2013年11月27日 | 日記

   

     三谷幸喜が17年ぶりに書き下ろした小説を自ら脚色し、メガホンをとって
     映画化した作品です。

     天正10年(1582年)明智光秀の謀反により本能寺で織田信長が命を落とし
     ます。
     織田家を如何に継続するのか、また領地の配分について織田四天王、柴
     田勝家・羽柴秀吉・丹羽長秀・滝川一益が、尾張の国・清須城で協議によ
     り決めることになりました。

     日本史上初めて合議によって歴史が動いたとされる清須会議は、柴田勝
     家が信長の三男でしっかり者の信孝を、羽柴秀吉は次男でうつけ者と噂さ
     れる信雄をそれぞれ後継者に推薦。勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長
     の妹・お市は秀吉への恨みから勝家に肩入れし、秀吉は軍師・黒田官兵衛
     の策で、信長の弟・三十郎信包を味方に引き入れ、家臣たちの人心を掌握
     して行きますが、それぞれの思惑が交錯して中々上手く運ばず・・・。
     キャストは皆さんご存知と思いますので省略しますが超豪華です。

     私は三谷幸喜の舞台が好きで、今までよく見ています。しかし彼の映画で
     感心したことはこれまで一度もなく、今回は場を踏んできているので大丈夫
     だろうと思って映画館に行きましたが、完全に期待外れです。

     題材が史実に基づいた面白いものなので、描き方によっては快作になる内
     容なのに、まるで軽演劇スタイルで見るに堪えず残念でたまりません。
     一日づつ会議を重ねる毎に緊迫感が増してクライマックスに持って行けるの
     ですが、三谷演出は映画の勉強不足で盛り上がらないし、今回の脚本は全
     くいただけない出来です。
     しかも豪華キャストをいじりまわし、変なメーキャップをさせては悦に入ってい
     る三谷監督の顔が、映画を見ながら浮かんできてゲンナリでした。
     駄作もいいところです。

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映画「42 ~世界を変えた男~」

2013年11月26日 | 日記

   

     史上初の黒人メジャーリーガーとなり、ただ一人だけ全球団の永久欠番と
     なったジャッキー・ロビンソンの半生を、ブルックリン・ドジャース(現ロサン
     ゼルス・ドジャース)のジェネラル・マネージャー、ブランチ・リッキーとの交
     流を軸に描いたドラマです。

     1947年、ブルックリン・ドジャースのGMだったリッキー(ハリソン・フォード)
     は周囲の反対を押し切り、ロンビンソン(チャドウィック・ボーズマン)とメジャ
     ー契約を結びます。
     妻レイチェル(ニコール・ベハーリー)や黒人記者らが彼を支えますが、ブラ
     ンチとジャッキーの2人はファンやマスコミばかりでなく、チームメイトからも
     誹謗中傷を浴びせられるものの、ジャッキーは自制心を貫き通し、プレーに
     徹するのでした。

     最初は孤立しシャワーも一緒に浴びれなかった彼ですが、「やり返さない
     勇気」を貫く彼の姿に、やがてチームメートの態度も、野球界全体も変化を
     見せはじめます・・・。

     「L.A.コンフィデンシャル」のブライアン・ヘルゲランドが脚本と監督を担当。
     ハリソン・フォードは、キャリア初の実在の人物を演じて話題になりました。
     私たちの想像以上にアメリカの差別は酷かったのでしようね、「戦争は一
     緒に戦ったのに、なぜ野球は一緒に出来ないのか」という意味のセリフが
     物語の展開とともに、今でも心の奥に深く残ります。

     脚本も演出も特に傑出しているとは思いませんが、実在の人物で実際に
     起こったことの強みを遺憾なく発揮していますし、ハリソン・フォードが実
     に渋い演技を見せているのも加わって感動作になっています。
     更に当時の球場の風景やユニフォームだけではなく、乗り物などがうまく
     再現されているのも楽しいし、お薦めの一本です。

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