映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「そこのみにて光輝く」

2014年04月30日 | 日記

   

     芥川賞候補に何度もノミネーとされながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を
     絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を映画化したもので、今から
     24年前に書かれた愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描いた内容は現
     代に置き換えてあります。

     仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫(綾野剛)は、粗暴だが人懐こい青
     年・大城拓児(菅田将暉)とパチンコ屋で知り合いますが、ついて来るようにと案
     内された拓児の住いはバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水
     商売で一家を支える姉の千夏がいました。

     家族のために時には身を売って稼ぐ千夏でしたが、世間からさげすまれたその
     場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれて行きます。しかしそんな時に事件
     が起こり・・・。

     監督は「オカンの嫁入り」の呉美保(オ ミポ)ですが、この在日韓国人三世で37
     歳の女性監督は、この暗くて悲しい物語をラストまでぐいぐい引っ張って行く力
     強い演出で感心します。
     置き換えた時代描写に若干の錯誤があるし無駄なカットも散見しますが、小さ
     いアラ探しは無用と思いながら見ましたし、ラストも希望が持てる扱いで中々い
     いです。

     綾野剛と菅田将暉の演技も拍手ものですが、池脇千鶴の熱演というか役者魂
     を感じさせる演技が実に素晴らしいです。
     こんな内容なのでR15+だし、メジャー配給ではないので上映館が少ないと思
     いますが、是非とも見ていただきたいお薦めの一本です。


      PS: 今から上京するため福岡空港行きです。明日5月1日は「宇津井健の
         お別れ会」に出席します。
         申し訳ありませんが、明日1日このブログをお休みさせていただきます
         ので宜しくお願いします。


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映画 「8月の家族たち」

2014年04月29日 | 日記

    

     2008年に、ピュリッツァー賞やトニー賞をダブル受賞したトレイシー・レッツの
     傑作戯曲を映画化したもので、ブロードウェイの舞台を観たジョン・ウェルズ監
     督がすぐさま映画化を考え、それに是非出たいと集まってきた俳優たちととも
     に製作された作品です。

     物語の舞台はオクラホマの片田舎。父親が失踪したとの報せを受け、病気の
     ため毎日薬漬けの日々を送る毒舌家の母ヴァイオレットの下に、長女バーバラ
     は浮気して別居中だった夫と、反抗期で手を焼く娘を連れて駆け付けます。

     父親が死体で発見され、葬儀のため次女カレンは婚約者を連れて、恋に夢中
     の三女アイヴィーも集まってきます。
     葬儀が終わりみんなが集まった食卓で、早速ヴァイオレットは大暴走して家族
     の秘密を暴露します。
     自分勝手な母親とそれぞれの人生を歩む娘たちと、彼女らを取り巻く男たちの
     本音が次第に明らかになって・・・となり、家族の秘密が暴かれて行くのです。

     母ヴァイオレット役のメリル・ストリープ、長女バーバラ役のジュリア・ロバーツ
     ほか、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン、ベネディ
     クト・カンバーバッチ、ジュリエット・ルイスらが共演。原作者自らが脚本を手が
     けているのも話題です。

     メリル・ストリープは少しお芝居をし過ぎていると思わぬでもありませんので、彼
     女とジュリア・ロバーツとの演技合戦はくどい感じがしますが中々見ものです。
     聞き逃さないように一心不乱で会話部分を見ましたが、舞台臭が強いと言う人
     もいるでしょうが、私は逆に舞台を想像しながら見ていたので楽しかったです。
     それにインディアン出身の家政婦役がモウケ役です。

     もともとが舞台ですから意識的に屋外に出る演出も心掛けていますが、アメリカ
     中南部の風景とか、屋外場面の挿入も効果的で、映画と舞台の違いを上手く強
     調していて面白く感じました。お薦めです。


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大映宣伝部・番外編の番外 (11) 藤田佳子さん

2014年04月28日 | 日記


          ↑ 猿で有名な大分県高崎山で私が撮った写真。
  
               ↑ 「婦系図 湯島の白梅」(1955)

     藤田佳子さん。本当に優しく律儀な女優さんだったという思い出があります。
     彼女は山口県防府市の出身で、松竹歌劇団を経て昭和29年(1954)に大映
     入社、デビュー作は「十代の秘密」で、その後に40本近い出演作品がありま
     すが、その後は東映に移籍して活躍しました。

     大映にいた時に、彼女の結婚相手は私の親友Uとばかり思っていたのですが、
     その予想は見事に外れました。そして山田真二との結婚・離婚と少しばかり
     運命の波を乗り越え、悠木圭子として作詞家デビュー、八代亜紀の「なみだ恋」
     が大ヒット。作曲家・鈴木淳氏と再婚してお幸せだそうです。

     彼女とは仕事で随分ご一緒しましたが、下関の上映館にご挨拶に行った時、
     彼女の郷里である防府市が近いので実家まで車を飛ばし、家族の方々に会
     ったこともありますし、何のキャンペーンだったか忘れましたが別府市の高崎
     山に二人で出かけたこと、勝ちゃんと一緒に鹿児島に行ったことなど、懐かし
     い思い出でばかり。
     彼女が東映に移った後も、九州に来れば必ず顔を出してくれたし、そんな折
     々も一緒に飲んだり踊りに行ったことなどを思い出しています・・・。

  
                  ↑↓ 大映に入った頃の彼女
   

     
    ↑ 彼女の達筆ぶり         ↑ 下関で藤田佳子、八潮悠子、品川隆二
      
          ↑ これを撮影したのは私
      
          ↑ これを撮影したのは勝新太郎
      
          ↑ これを撮影したのは藤田佳子

             ↑ 珍しい彼女の舞台姿。前列左から2番目
      
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周・辺・雑・記 ~ ( 昨日の花模様 )

2014年04月26日 | 日記


                 ↑ 福岡県八女市黒木町の「大藤」
       

     好天に恵まれてお出かけしました。昨日の花模様です。(写真は全て昨日撮影)
     最初に行ったのは佐賀県三養基郡気基山町の「大興善寺」通称つつじ寺でした
     が、思いのほか咲きが遅く今はまだ五分咲きに届かない状況で、写真にある大
     階段のつつじの咲き具合を見て引き返しました。
     5月初めには山全体がつつじに覆われますので、もう一度出直すつもりです。

     次に行ったのは、全国に知られる樹齢600年以上の大藤が満開の福岡県八女市
     黒木町です。
     ここの藤は国の天然記念物に指定されているほど見事な大藤で、約3,000㎡とい
     う広さの藤棚が広がっており、1メートルを超える紫色の花房が垂下しています。
     この藤棚の大きさも見事ですが、町全体に広がる甘い藤の香りにも魅了されます。
     GW中は大藤を満喫出来ると思いますので、お出かけをお薦めします。

  

  

         
          ↑ 佐賀県三養基郡気基山町の「大興善寺」通称つつじ寺


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映画 「神様のカルテ2」 & 「チーム・バチスタFINAL ケペロスの肖像」

2014年04月25日 | 日記

  

     「神様のカルテ2」
     夏川草介のベストセラー小説を映画化した「神様のカルテ」の続編です。
     妻・榛名(宮崎あおい)の出産を心待ちにしながら、本庄病院で仕事に没頭
     する内科医・栗原一止(櫻井翔)と、一止の大学時代の同期でもあるエリート
     医師・進藤辰也(藤原竜也)が赴任してきます。

     友人との再会を喜ぶ一止でしたが、大学時代は「医学部の良心」とまで言
     われた辰也は時間外の緊急対応にも応じない進藤の仕事ぶりに疑問を抱
     きます。
     不眠不休で「24時間、365日対応」を掲げる病院を支える一止は、遂に辰也
     と衝突してしまうのでした。さらにそんな折、一止の恩師でもある貫田内科
     部長(柄本明)が過労で倒れます・・・。

     監督は前作同様に深川栄洋。第一作の出来があまりにも良くなかったので
     パスしていたのですが、時間の都合で遅ればせながら見ました。
     前作に比べて同じスタッフなのかと思うくらい向上している第二作で、内容
     の掘り下げや人物描写も前作より数等上です。
     ただこの内容で116分は少々長いと思われますので、不必要な挿話を整理
     して全体的にテンポアップを計れば、もっといい作品になっただろうに惜しい
     と思いました。



  

     「チーム・バチスタFINAL ケペロスの肖像」
     医師で作家の海堂尊による医療ミステリー「チーム・バチスタ」シリーズの
     最終作「ケルベロスの肖像」の映画化です。

     東城大学医学部付属病院の心療内科医・田口公平(伊藤淳史)は、厚生労
     働省の白鳥(仲村トオル)とともに、死因究明システムの一大改革による国
     際Aiセンター(Ai=オートプシーイメージング:死亡時画像診断)発足に向
     け、奔走しています。

     そのこけら落としとなるシンポジュウムを前に「三の月、東城医大病院とケ
     ルベロスの塔を破壊する」という脅迫状が届き、田口は脅迫状の真相解明
     の任も背負うことになります。
     時を同じくして死因が判らない集団不審死事件も発生。開設が間近に迫る
     Aiセンターには、目玉でもあるマンモスMRIマシン「リヴァイアサン」が導入
     されますが・・・。

     2008年のテレビドラマ「チーム・バチスタの栄光」から続く完結編となるこの
     作品は、スタートからの伊藤淳史、仲村トオルに加え桐谷美玲・松坂桃李・
     西島秀俊・栗山千明・加藤あい・名取裕子・生瀬勝久などで若手を中心にし
     た豪華キャストなのですが、お世辞にも素晴らしいと言える演技の主は、今
     作品ではいません。

     物語の展開もキレが悪くてダラダラしているし、最終編というにはあまりにも
     お粗末です。そのお粗末の原因は脚本と演出だと断じます。


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