この映画は映画館で、そしてテレビの放映で何度も見ています。
今回は、福岡・KBCシネマの"映画黄金期の名作をスクリーンで楽しもう"で
見て来ました。
内容は皆さんよくご存知と思いますので詳しくは省略しますが、オードリー・
ヘプパーン主演のパリを舞台にしたロマンチックコメディです。
彼女としては二度目のビリー・ワイルダー監督作品で、彼の計算された演出
が見もので、背伸びした純情娘を演じたヘプパーンの魅力を大きく引き出して
います。
相手役のゲーリー・クーパーが決して悪いとは言いませんが、この時のヘップ
バーンが28才、クーパーが56才で、クーパーが老け過ぎが一寸ばかり気にか
かります。
監督は最初、ケーリー・グランドで撮ろうと思っていたそうで、この配役が実現
していたら、また違ったポジションを獲得していたかも知れません。
もう一つ配役の妙は父親役にモーリス・シュバリエを持ってきたことで、しびれ
ます。
更にもう一つ、音楽の素晴らしさです。全編に流れる「魅惑のワルツ」はこの
映画のために作られたものではありませんが、作品にマッチして雰囲気を大
いに盛り上げています。
この映画は製作が1957年でモノクロですが、なんら遜色はないし、とても55年
前の映画とは思えないくらい素敵です。
55年前ですよ、55年経った現在、技術的な進歩はありますが、映画の本質的
な中身はどれだけ進歩したのでしょうか、今の製作陣はもっと反省し、勉強して
もらいたい想いがしきりです。
(6/12 KBCシネマ 4日目 10:00の回 15人)