「ダラス・バイヤーズクラブ」
セクシー俳優と言われていたマシュー・マコノヒーが、エイズ患者を演じるため
21キロ減量し、まるで別人のような姿で役作りに挑んだ結果、第86回アカデミ
ー賞で主演男優賞を受賞した実録ドラマです。
1985年、派手な性交渉を繰り広げていたテキサス・カウボーイのロン・ウッドル
ーフは、HIV陽性と診断され、余命30日と宣告されます。
それでもなんとかしたい一心でエイズについて猛勉強、アメリカには認可された
治療薬が少ないことを知り、彼は代替薬を求めてメキシコに向かいます。
そこで偶然に出会った女装ゲイのレイヨンとともに、同じように最新薬を必要とす
る人々のために米国への薬の密輸を思いつき、無認可の薬やサプリメントを売
る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。会員たちは安い月額料金で新しい薬を入
手することができ、クラブはアングラ組織として勢いづきますが、そこに司法の手
が迫ります・・・。
とにかく大減量してこの役にチャレンジしたマシュー・マコノヒーの演技がみもの
で、アカデミー賞主演男優賞は納得の熱演ですし、もう一人、18キロ減量して挑
んだ女装ゲイ役を演じたジャレッド・レトも、アカデミー助演男優賞を受賞していて、
このW受賞した二人の演技を見ているだけでも楽しい作品です。
物語も面白いし、脚本・演出ともに良しで必見の一本です。
「ロボコップ」
1987~1993にかけて3本作られた近未来SFアクションをベースに、ポール・バー
ホーベン監督によるリメイク作品です。
今回の舞台となるのは2028年、巨大企業オムニコープ社がロボット技術を一手に
にぎる世界です。
デトロイトで愛する家族と暮らす勤勉な警察官アレックス・マーフィーは、勤務中に
瀕死の重傷を負いますが、オムニコープ社の技術によりロボコップとして新たな命
を得ます。
強大な力を身に付けたアレックスでしたが、そのことから愛する家族までを巻き込
んだ、予想外の事態に直面することとなり・・・。
監督にはメキシコ出身の新人ジョゼ・パジーリャが当り、アレックス役はスウェーデ
ン出身のジョエル・キナマンが抜擢されています。
この映画の中で一番活躍するのはVFX技術ということになりますから、久し振りの
ロボコップものですが、脚本・演出ともに冴えないため騒々しいだけで、新味を感じ
ない普通の出来でした。