映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (20) ガメラ

2014年06月30日 | 日記



     今回・次回は、大映では忘れてはならないキャラクター「ガメラ」と「大魔人」を
     取り上げたいと思います。

     昭和59年(1984)に東宝で誕生した「ゴジラ」は大きな反響を呼び、興行的にも
     大ヒット、現在はハリウッド作品にまで登場しています。
     当時各社も東宝の独壇場は許さじと、日活は「大怪獣ガッパ」、松竹では「宇
     宙大怪獣ギララ」を製作、大映でも遅ればせながら出したのが「ガメラ」(1965)
     です。

     この企画は、永田社長の思いつきで誕生したと我々は聞いています。1962年
     ころに亀が進化した怪獣の企画を東宝と大映に持ち込んだ方がいるそうで、
     東宝も大映も取り上げなかった由です。それがヒントになったのかも知れませ
     んが、「ガメラ」と名づけ、ややユーモラスな怪獣に育てた永田田社長の慧眼
     だったし、興行的にも成功したシリーズでした。

     第一作は昭和40年(1965)の「大怪獣ガメラ」で、昭和71年の「ガメラ対深海怪
     獣ジグラ」(1971)を大映で撮っていて、第一作第二作の製作は永田社長が自
     ら当たり、以降は製作・永田秀雅で、監督は第二作の「大怪獣ガメラ対バルゴ
     ン」の田中重雄を除いてはすべて湯浅憲明です。
     私の親友で撮影監督の上原明も、第三作の「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」
     と第七作「ガメラ対深海怪獣ジグラ」を担当していて、特撮部分は藤井和文が
     撮ったそうですが「とても苦労したよ」と言っていました。

     ガメラは特に子供に好かれるようにとの願いもあり、第三作目から永田秀雅氏
     ・作詞、作曲・小町昭による「ガメラマーチ」が主題歌として挿入されましたが、
     結構人気がありました。
     また某テレビ局の友人が、麻雀でロン(当り)とは言わず「ギャオス!」と叫んで
     いて麻雀仲間で話題になっていたのも懐かしい思い出です。
     大映後の「ガメラ」は、徳間で4本、角川で1本製作されましたが、平成19年以降
     は残念ながら姿を現していません・・・。

     

  

  

          

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「ノア 約束の舟」

2014年06月28日 | 日記

   

     「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、旧約聖書・創世記
     の「ノアの箱舟伝説」を壮大なスケールで描いた歴史ドラマです。

     ある夜にノア(ラッセル・クロウ)が見た夢は大洪水で、堕落した人間を一
     掃するというものでした。
     「箱舟を作って罪なきものを救え」の神の啓示を受けた彼は、家族ととも
     に動物たちを救うため巨大な箱舟を作り始めます。

     アダムとイブの邪悪な息子であり、ノアの父を殺した宿敵ルバル・カイン
     (レイ・ウィンストン)は、力づくで箱舟を奪おうとしますが、争いの最中に大
     洪水が始まり、箱舟はノアの家族と動物たちを、更に舟に忍び込んだカイ
     ンを乗せて大海を流されて行きます・・・。

     ノア役のラッセル・クロウほか、妻役は「ビューティフル・マインド」でもクロ
     ウと共演したジェニファー・コネリー、息子役にローガン・ラーマン、養女役
     に「ハリー・ポッター」に出ていたエマ・ワトソンが抜擢されています。

     ダーレン・アロノフスキー監督は「ノアの箱舟伝説」を新解釈で組み立てよ
     うとしていますが、キリスト教徒ではない我々が見ると、外人の「日蓮」を説
     くようなもので、いささかギャップを感じます。
     てすからドラマとしての構成・展開がちゃんとしていれば問題ないのですが、
     説明がくどい上に長いし、理屈っぽくて面白さに欠けるし、もっと判りやすい
     内容にするべきだったと思います。
     大洪水の場面はまあまあですが、最近のCG映像としては普通以下の出来
     だし、期待していただけに私的には落胆が大きい作品です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「私の男」

2014年06月27日 | 日記

            

     桜庭一樹の第138回直木賞受賞作の映画化で、今まで劇中にどうしても必要な
     流氷シーンの映像化が難しいと言われてきた作品です。

     奥尻島地震による津波で家族を失い孤児となった10歳の花(山田望叶)は、遠い
     親戚にあたる淳悟(浅野忠信)が引き取り、二人は親子のように仲良く暮らしてい
     ました。
     そして、花(二階堂ふみ)が高校生になったころ、今まで二人を気にかけ見守って
     くれていた遠縁の大塩(藤竜也)が二人はただならぬ関係だと気づき、花に淳悟
     から離れるように助言します。

     そしてある日、流氷の上で起こった大塩の死亡事故が報じられ、そのニュースを
     聞いた淳悟と花は、逃げるように町を後にして東京へ・・・。

     監督は「海炭市叙景」「夏の終り」の熊切和嘉で、二人が内に空虚を抱えながら
     もぴったり寄り添って生きて行く姿を、北海道の雄大な自然を背景に上手く描出
     しています。

     花役の二階堂ふみの表現力、淳悟役の東京に出る前までの好演も大いに買え
     るし、オーホック海の流氷が、きしみながら迫ってくる状景でのシーンは、特に素
     晴らしいと思います。

     反してシャワーのように降る血の中でのセックス・シーンは監督の一人よがり、東
     京に出てからの描写が薄く、更にラストは肩透かしを食ったような気がします。
     原作との相違云々と言うより、後半の脚色にもうひと捻りあったら・・・と少々残念
     です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本舞踊と私。

2014年06月26日 | 日記


                   ↑ 後姿が泉流の家元です。

     私が日本舞踊を見るのが好きだと言うと、みんな不思議そうな顔をします。
     更に長時間じーっと座りながら踊りを見ている私を、信じられないとまで言
     うのです。
     でも大映時代からこの世界の皆さんとはご縁があったし、大映後も親友の
     Tが各流派と深いお付き合いがあるため、踊りの会には私も同行して楽し
     ませて貰っているのです。
     そんな私ですが、日本舞踊では各流派のトップに君臨するの「家元」「宗家」
     のお稽古風景を一度見てみたいと思っていました。

     その望みが叶いまして先日、泉流の家元が福岡で、九州各地の主だった指
     導者を集め、今年の9月に国立劇場で催される「泉流 宗家 家元 襲名披露」
     で地方を代表して出演する方々に、直接お稽古を付けられている光景を拝見
     しました。

     今回のご披露でご長男の泉秀樹 師が家元に、そして現家元の泉徳右衛門
     師(写真後姿の方で、初代家本泉徳右衛門師の長女)が、そのままのお名前
     で宗家になられると伺っています。
     ご本人の了解を頂いていないので家元のお写真は後姿だけですが、写真は
     国立劇場で「吉原雀」を踊る泉徳三照・泉徳乃の親子師匠を指導されている
     ものです。
     ある時は厳格に、そして限りなく優しく指導されているお姿を拝見し、私の日
     本舞踊熱は益々高まるばかりです。

  

  


               ↑ 舞台に上がって指導される家元(後姿) 
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「春を背負って」

2014年06月25日 | 日記

   

     撮影監督の木村大作が初監督した「劔岳 点の記」(2009)に続いてメガホンを
     とった作品で、笹本稜平の原作小説を映画化したものです。

     父とともに幼少期を立山連峰で過ごした亨(松山ケンイチ)は、厳格な父(小林薫)
     に反発し、金融の世界で金が金を生み出すトレーダーとして過ごしていました。
     しかし父の突然の訃報に帰省して久々に故郷の山に触れた亨は、母(檀ふみ)
     の猛反対を押し切って山小屋を継ぐことを決意するのでした。

     当初は山での生活に苦労する亨でしたが、父の友人のゴロさん(豊川悦司)や、
     父の代から小屋を手伝っていた愛(蒼井優)の助けを得ながら、たくましく成長し
     て行きます・・・。

     今回も立山連峰で延60日の山岳ロケを刊行しただけあって、山の自然と動植
     物シーンは優れた場面となっています。
     が、しかしその他のドラマ部分の脚本と演出がどうしようもなく稚拙です。
     もうこの2作で充分でしょう、木村大作監督は、後々で名シーンを残すため撮
     影監督に専念してもらいたいと思います。
     俳優では健気な役を演じる蒼井優が、一人抜きん出て好演です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする