映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ばななとグローブとジンベエザメ」

2013年03月30日 | 日記

   

     東京と沖縄を舞台に、父と息子の愛憎を描いた作品です。
     15年前に家族を捨てた父親・園田敦は、現在は介護の必要な敦の母・俊江
     と2人で気ままに暮らしています。
     そんな父親を反面教師にするかのように弁護士を目指す息子の光司は、恋
     人との結婚が決まり順風満帆な毎日を送っていました。
     ところがある日、敦の不在中に俊江の容態が悪化し、そのまま帰らぬ人に。
     しかも敦は、葬式にも出席しないで行方不明になってしまったのです。

     結婚して妻が妊娠した事で、初めて父に対する自分の気持ちに変化が起こ
     ります。
     自分も父のようになってしまうかもしれないと恐れる光司は、不安を消すため
     沖縄に逃げていた父と向き合う決意をします。ダメ親父と息子は和解出来る
     か・・・。

     出演は父親役に中原丈雄、息子役に塩谷瞬。それに黒田福美、馬渕晴子、
     柄本明、松重豊、佐藤B作、川上麻衣子などで、監督は「ねこのひげ」の矢
     城潤一。河口恭吾の歌う曲がエンディングを飾るという趣向です。

     出来ばえが良くなくても製作側は一生懸命撮った作品でしょうから、あまり
     貶すのはどうかとは思いますが、この作品もそうですが、まだアップしてい
     ない「赦免花」にしても、まるでどこかの映画研究会が撮った程度にしか見
     えません。

     脚本は不味いし演出も撮影も録音も編集も、これでよくOKを出したものだと
     思います。
     こんなていたらくですから俳優は生かされていないし、特別出演の俳優さん
     も無理に出番を作った感じで無駄なシーン・カットが多くなり、冗長に繋がっ
     ています。

     「ばななとグローブとジンベイザメ」も「赦免花」も私が見た時の観客はともに
     5人。これでは映画館泣かせで経営は成り立ちません。
     題材を撰んだらもっと大事に丁寧に撮り、どうせDVDにしてテレビに出すのだ
     からいいではなく、映画館もが生きて行けるような作品に仕上げてもらいたい
     ものです。(悪口雑言でごめんなさい)

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映画 「ひまわりと子犬の7日間」

2013年03月29日 | 日記

   

     原案は山下由美の「奇跡の母子犬」に、宮崎の動物保護管理所で起こった実話
     を加えて映画化した作品です。

     保険所に勤める神崎(堺雅人)は、妻(檀れい)を交通事故で失い、二人の子どもを
     育てるシングルファーザーです。
     ある日、母犬と生まれたばかりの子犬が保健所に収容され、母犬は子犬を守るた
     め近寄る人すべてを激しく威嚇します。
     このままでは殺処分される運命なので、神崎はなんとかして母犬の心を開かせ、
     犬を引き取ってくれる里親を見つけようと奔走しますが、うまく行きません。
     保健所に収容された犬は、飼い主が見つからなければ殺処分されることが決まっ
     ていて、この犬の親子にも刻一刻とその期限が迫ってきます・・・。

     監督は山田洋次作品で助監督や脚本を担当してきた平松恵美子の初メガホンで、
     主演は宮崎県出身で宮崎弁をしゃべる堺雅人のほか、中谷美紀、若林正恭、でん
     でん、吉行和子、小林稔侍、檀れいなどです。

     平松監督は山田監督の下で勉強してきた人なので一応纏まってはいますが、もっ
     と新人らしい新鮮な演出を見せて欲しかったし、いかにもドラマを作るかのテクニッ
     クがミエミエの脚本と演出で、私としてはいい点を差し上げる訳には行きません。

     犬にも色々な生い立ちがあるでしょうし、この作品のように特定の犬だけを守る形
     になるのは、根本的に変です。
     犬が演技?するだけで喜ぶ人も居るでしょうが、私は期待はずれでした。


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楽しかった旅の一コマ (その.10) モン・サン・ミッシェル

2013年03月28日 | 日記

 

     このシリーズの括りは、出来るだけ"市"の単位で書いています。
     今回のモン・サン・ミッシェルは市ではなく、フランスのブルターニュ地方に
     存在する世界遺産の島ですが、ここにはホテルやレストランは勿論、買物
     スポットも充実している小さな王国のような所なので特別に取り上げました。

     海外旅行をする人が訪ねてみたいと思う場所に、必ずランクインするのがこ
     こであり、人類叡智の結晶と賞賛されるモン・サン・ミッシェルです。
     私はパリから車で朝早く出発しましたが、片道約330㌔約5時間の行程です。
     往復10時間もかかれば現地での滞在が短くなり禍根を残すこと必定ですが、
     もしこれから予定を組まれる方は、島の内外に洒落たホテルがありますので、
     そこを使われことをお薦めします。

     私は車で5時間・・・。いい加減くたびれテ来た頃に前方に浮かび上がってくる
     モン・サン・ミッシェルはまさに神秘的でした。
     以前は海岸から2㌔離れていて干潮時にしか徒歩で行けず、満潮時には途中
     で溺れる人もいたそうですが、今は道路が出来ていて何時でも行けるように
     なっています。
     そんなに簡単に行けるとムードが無いので、昔に近い形に戻す工事が進めら
     れているとのこと。次に行けたらどんなに変貌しているのか楽しみです。

     モン・サン・ミッシェルは、708年に聖オーヴェル司教が大天使ミカエルのお告
     げを聞いて、海上の山の上に修道院を建立したのが始まりで、11~13世紀に
     ゴシックの僧院が造られ、13世紀にロマネスク様式の建物が建てられ、現在の
     姿になっているのだそうです。
     百年戦争時には対イギリスの要塞だったり、一時は監獄にもなったりの歴史も
     あって、その名残が島内随所に残っています。

     島の入り口にある王の門から修道院までが島のメインストリートで、ホテル・レ
     ストラン・土産店などがズラリ。島の名物のオムレツはマシュマロみたいな舌触
     りです。昔巡礼者のために温かく栄養価が高い料理をと考案されたもので、ここ
     がオムレツの発祥地と言われています。

     フランスで最も美しいと言われる修道院をはじめ、教会・13世紀の回廊・見張り
     塔など見どころは沢山ですが、かっての改修工事の機材や食料を運ぶのに作ら
     れた大型車輪は、車輪の中に人が入り人力で回していたなんて面白い物もあり
     ます。
     島の頂上にある修道院は8世紀に建設され、その後増改築がくり返されたため、
     ゴシックとロマネスク様式などが混在するる造りになっていて興味を引きます。

     島内は周囲600㍍程度なので、回るのに2~3時間もあれば十分ですが、ここま
     で来てモン・サン・ミッシェルの夜景を見ずに帰るのは残念だと思いますよ。

     
      ↑ 入口の門をくぐると寺院までの間はメインストリート
  

            
      ↑ 途中にあるサン・ピエール教会は、ジャンヌ・ダルクを祀ってあるそうです。
  
      ↑ このお店で、ここの名物オムレツを食べました。同伴の人はガイドさん
  

  

            
         ↑ この島の一番高い処にる広場で撮った写真と内部です
                
         ↑ 修道院の最上部分にある回廊と、人力大型車輪です
  
         ↑ 左右ともに、ツアーで一緒になった美人たち・・・
  
 

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映画「クラウド アトラス」

2013年03月27日 | 日記

   

     「クラウド アトラス」は映画化は不可能と言われたデビッド・ミッシェルの
     小説ですが、「マトリックス」のラナ&アンディ・ウォシャウスキー、「ラン・
     ローラ・ラン」のトム・ティクバを加えた3人の監督による製作されました。

     過去、現在、未来…と500年にわたる時間軸で、6人の主人公が織りな
     す6つのドラマは、SF、アクション、ミステリー、ファンタジーなど、さまざま
     なジャンルを内包していてとても変わった作り方の映画です。
     更に変わっていると言うと、ウォシャウスキー兄弟監督ですが、「マトリッ
     クス」から13年後の今、兄のラリーは性転換してラナに変わっていること。
     とにかく何もかにもが変わった作品ではあります。

     背景が異なる六つの時代に、六つの場所で六つの物語が同時進行して
     行きます。
     19世紀には南太平洋上の奴隷船、'30年代はスコットランド、'70年代はサ
     ンフランシスコ、そして現在のロンドン、近未来のソウル、そして文明崩壊
     後のハワイです。

     この六つのストリーの全てに出ているトム・ハンクスは、悪賢い医師・粗野
     な作家・ハワイの男などと、6回生まれ変わる6役をこなし、ハンクス以外
     の出演者たちも、それぞれ特殊メイクで一人何役かを演じ分けています。
     ラストのクレジットで誰が誰なのかの種明しがありますが、私は半分くらい
     しか気が付かなかったくらい巧妙でした。

     まあこんな楽しみ方もあっていいと思いますし、172分が同時進行させる物
     語であれよあれよなのですが、よくぞこんな映画を作ったものだと感心しな
     がら、最後まで楽しみました。
     この映画がいくら実験的な作品だと言っても賛否両論になること必至でしょ
     うが、長過ぎて少々疲れるものの、私はこの映画好きです。

          
            ↑ 話題の3人監督です。 

      
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映画 「千年の愉楽」

2013年03月26日 | 日記

   

     紀州出身の芥川賞作家・中上健次が、故郷を舞台につづった同名短編小説
     を、去年10月に交通事故で亡くなった若松孝二監督が映画化した作品です。

     舞台は紀州のとある集落の路地。
     ここで産婆をしてきたオリュウノオバ(寺島しのぶ)は、老齢で最期の時を迎え
     ようとしています。
     オバの脳裏には、オバが誕生から死まで見つめ続けた3人の男たちの姿が浮
     かんでいました。

     美貌を持ちながらそれを呪うかのように女たちに身を沈めていった半蔵(高良
     健吾)。刹那に生き、自らの命を焼き尽くした三好(高岡蒼佑)。路地の町を
     離れ北の大地で一旗揚げようとするも夢破れた達男(染谷将太)。
     オバは自らの手で取り上げた彼らを見つめながら、あるがままに生きよと切に
     祈り続けて来たのでしたが・・・。

     交通事故で他界した若松孝二監督の、はからずも遺作となってしまった作品
     ですが、正直に言って遺作にはしたくない不出来な作品だと思います。
     一番悪いのは脚本で、原作の独特の味が希薄であり、3人の男たちの生きざ
     まを延々と見せられ、途中でうんざりして来ます。
     演出も切れ味が鈍く、全体的に低いレベルのままで終わった感じですが、その
     中でも救いと言えば高良健吾の好演でしょうか・・・。
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