映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ブルーバレンタイン」

2011年05月31日 | 日記
        
       

     この作品はカンヌ国際映画祭やサンダス映画祭など世界各国の映画祭
     で注目され、しかもアカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞で
     男優・女優賞にノミネートされるなど話題一杯の作品です。
     私も公開初日に見ようと思いながら時間が取れず、やっとの思いで映
     画館に駆けつけました。

     朝からビール片手にペンキ塗りをして僅かな収入を得ているディーン
     (ライアン・ゴズリング)と、努力の末に資格を取って病院で働くシンデ
     ィ(ミシェル・ウィリアムズ)は結婚して7年を迎える夫婦で娘もいます。
     ささやかな幸せの暮らしは、お互いの不満を口に出したら壊れてしま
     うような危うさを含んでいます・・・。
     出会って間もない頃の輝く二人と、会話もすれ違い喧嘩越しになり勝
     ちの現在を、カットバックで行き来しながら、愛が育まれ、終焉してい
     く姿を描いています。

     冴えない夫婦生活をリアルに描いている本作は、異色ではありますが
     物語としてはそれほど目新しいとは思えません。
     それでも愛し合って夫婦になってもこうなってしまうのかと、考えさせ
     られる本作の監督デレク・シアンフランスは、劇場用長編作品が2本
     目だそうで、今後が楽しみな監督の一人です。

     夫婦役の二人は製作にも参加するくらい力の入れようで、演技の方も
     大熱演です。
     こうした内容の演技はややもすると過大評価され勝ちになるのですが、
     ゴズリングは違う年齢を表現するために髪の毛を抜いたりの工夫をし
     たそうで、ウィリアムズも過激なセックス描写や体重増量を厭わずに
     やり抜いた根性を、大いに買ってやりたいと思います。
     この作品も評価は二分するでしょうが、映像も素敵だし私の好きな一
     本です。



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映画 「ブンミおじさんの森」

2011年05月30日 | 日記

                 

     この作品は2010年の第63回カンヌ国際映画祭で、最高賞のバルムードル
     賞を受賞したタイ映画です。
     タイの僧侶による著書「前世を思い出せる男」を基に、アピチャッポン・
     ウィーラセタクンが監督した、ある男性が体験する輪廻転生の物語です。

     物語の舞台はタイ東部の小さな村です。
     腎臓を患い自らの死期を悟ったブンミは、亡き妻の妹を自宅に招きます。
     夕食のテーブルを囲んでいると、突然、19年前に亡くなった妻の幽霊が姿
     を現し、更に行方不明の息子が猿の精霊になって帰ってくるのでした。
     幽霊や精霊が現われてもみんなは驚かず語らいが続きます。
     そしていよいよブンミは自分の死が近づいたことを知り、みんなを森に連
     れて行きます・・・。

     大体こんな話ですが、本題と関係が無い話が挿入されます。
     森の中に王女の一行が進む挿話で、顔のアザを気に病む王女が、池のナ
     マズと心を通わせ、水の中でナマズに愛撫され歓喜に表情を見せるエロ
     チックな場面が飛び込んで来たりします。

     なんと言ってもカンヌ映画祭の受賞作品ですから、私もそれなりの期待
     をもって見ました。
     先述したように不思議な描写の場面がいくつもあり、それが一種の魅力
     に感じられないこともないのですが、無駄なシーンが非常に多く冗長の
     極みであり、評価は大きく別れるでしょう。私は嫌いです。



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映画 「孫文の義士団」

2011年05月29日 | 日記

       

     1906年、辛亥(しんがい)革命前夜に、実際あった香港での孫文暗殺計画
     を取り上げた内容で、腐敗した清朝の打倒を目指す孫文が香港を訪れ、
     民主制を求めて武装蜂起する情報を入手した清朝側は孫文暗殺を画策、
     それを何としてでも阻止するための革命側の8人のボディガードの戦い
     を描いています。

     中国がその後も革命を繰り返し、地方の武装蜂起を強力な軍事力で押さ
     え込んできた中国当局が、よくまあこの作品の公開を許したと思う節も
     ありますが、製作サイドはカンフーアクション娯楽物だと上手く通り抜けた
     模様であります。

     ピーター・チャンの総合プロデュサーのもとに、テディ・チャンが監督し、
     20世紀初頭の香港の街並みを実物大で再現した巨大セットは中々圧巻
     です。
     俳優も中国・香港・台湾から集められ、いやが上にも娯楽大作の印象を
     裏付けています。

     但し同じような扮装で敵味方が出てくるし、物語の深い掘り下げはなさ
     れていません。
     もっと刈り込んで脚本をいじれば、本当の娯楽大作になったであろうと
     残念に思います。



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映画 「アジャストメント」

2011年05月28日 | 日記

      

     SF小説家の・フィリップ・K・ディックの作品は、「ブレード・ランナ
     ー」「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」などが映画化が
     されていますが、彼の短編小説を題材にした今作は、異次元から
     "運命"の操作という大胆な発想の物語です。
     監督は「ボーン・アルティメイタム」などの脚本家ジョージ・ノルフィ
     が担当しています。

     主人公デヴィッドは饒舌な話術で有名なアメリカの上院議員候補
     でしたが落選。ある日、バレリーナのエリースと運命的な出会いを
     しますがデヴィットは黒ずくめの謎の集団に拉致されるのです。
     「運命調整局」と名乗る彼らは、世界の時空と人の運命を自在に
     操作・調整し、世の中の調査とバランスを監視する神?の組織な
     のです。

     彼らの自分たちの操作の不手際で出会った二人を引き離そうとし
     て画策、彼は彼女を守るため戦う決心をするのですが・・・。
     運命を操作する集団が普通の服装で普通の人間なので、どう見て
     も神とは思えず、見てる方はポカンとするのですが、こんなことを
     最初から言っていては理屈っぽくなり、物語全体にケチをつけたく
     なるので、発想を変えて楽しく見るほうに切り換えました。

     町中のドアを利用した秘密の通路網で素早く移動するとか、水に弱
     いとかの制約を面白いと感じました。
     でも単純に、対神様?の話ではなく、政治家とバレリーナの恋があ
     らゆることで妨害され、ラストはやっとのことで結ばれるアメリカン
     ドリームでも良かったかな・・・とも思えます。

     「ボーン」シリーズのマット・デイモンは中々頼り甲斐があるし、相
     手役のエメリー・ブラントも劇中でナタリー・ポートマンに負けじと
     バレーシーンを見せてくれるのは拾い物でした。
     それとニューヨークの各所が背景に出てきますが、ロケ効果が抜群
     にいいです。
     結論、アラが有り過ぎるのですが、楽しく見る方法を考えましょう・・・
     と言った作品です。


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映画 「レッド・バロン」

2011年05月26日 | 日記
      
       
     第一次世界大戦でドイツ空軍の英雄として知られるマンフレート・リ
     ヒトホーフェン男爵の半生を映画化したものです。
     彼はレッド・バロンの異名を持ち、機体を真紅に塗った戦闘機で大空
     を駆け巡ぐり連合国軍に最も恐れられた男ですが、勇者の凛々しさだ
     けではなく、繊細な心を持った一人の若者の苦悩をとらえた異色の戦
     記映画と言えるでしょう。

     主人公には「ワルキューレ」のマティアス・シュヴァイホファーと、その
     親友役を「イングロリアス・バスターズ」のティル・シュヴァイガーが
     出演、監督はニコライ・ミューラーショーンです。
     ドイツ映画なのに、私が見たのは何故かセリフが英語でした。オリジナ
     ルのドイツ語版があるのかも知れません。
     お話が第一次世界大戦で1900年代前半ですから、出てくる戦闘機は複
     葉機で中には三葉もありますが、敵味方が空一杯になって空中戦をや
     るシーンが見ものです。
     しかも敵味方双方が傷ついて不時着し、お互いの健闘を讃えて握手し
     別れるなんて今の戦場では考えられないことも起こりますが、まるで
     中世期の騎士道ですね。

     周囲や兄弟間の軋轢、看護婦への慕情、押し迫る戦争末期のことなど、
     129分という長尺なのに上手く描ききれていないのは脚本と編集の不味
     さがあると思います。
     更にラストも手抜き感が拭えません。それにこの作品は公開前に充分
     な告知がおこなわれていなかったのも一種の手落ちでしょう。
     いくつかの苦言は呈しましたが、真面目に撮っていることは評価したい
     のです・・・。



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