映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ビル・カニンガム&ニューヨーク」

2013年05月31日 | 日記

   

     ニューヨークの街頭でファッション・スナップを撮っているカメラマンで、N.Y.
     タイムズ紙で人気ファッションコラムと社交コラムを担当する名物写真家ビ
     ル・カニンガムを追ったドキュメンタリーです。

     彼はファッションを撮り続けて50年以上になりますが、ニューヨークの街角
     で毎日のようにファッショントレンドを撮影し、ニューヨーカーたちに愛されて
     います。
     しかし、親しい業界人ですら、そのプライベートを知る者はほとんどいない
     そうで、そんなカニンガムを2年間にわたり密着し、知られざる私生活や仕
     事ぶりを紹介して行きます。

     彼は毎日のようにN.Y.中を自転車で移動しながら、街角のファッションを自
     由に撮りまくますが、たまには撮るな!とか、死ね!とか、彼を知らない人
     から罵声を浴びることもありますが、常にニコニコしていてトラブルになるよ
     うなことはありません。
     カニンガムは食事も簡素だし、お金にも興味がなく常に飄々と好きなものを
     撮っていたいだけなのです。

     カーネギーホールの上階小部屋に長いこと暮らしているカニンガムに、ある
     日ホールから建物が老朽していることを理由に退去命令が・・・などと、まる
     で劇映画を見ているような事情が発生したりします。

     監督はこの作品が初長編のリチャード・プレスで、これを撮らせてもらえた
     こと自体が成功に繋がっています。
     私も写真をやっているから判りますが、この人のように自由に好きなものを
     撮ることが出来たら幸せだと思います。とにかく実に見事で魅力的な80歳
     なのです。

     でも人物の一瞬を捕らえるスナップは、撮り直しができないので大変難しい
     のです。しかもこの作品で見るかぎりフイルムを使用しています。否応なし
     にデジタルの時代に入って来ている今、彼はそれについてとどのように思
     い対処しているのか、その辺りまで知りたかった私です。
     とにかく彼の生きザマを、楽しく見せてくれたドキュメンタリー作品でした。
     拍手!です。

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楽しかった旅の一コマ (その.16 ) 台中

2013年05月30日 | 日記

  
     戦後、台湾には10回以上行っていますが、今回は台北、高雄に次ぐ台湾第3
     の都市で人口約101万、緑の多い美しい街・台中市です。

     日本統治時代から行なわれている都市計画で、台中駅を中心に美しい街並
     みで知られていましたが、戦後は更に発展して台中港路を新しい中心エリア
     に高級ホテルやショッピングモールなどの高層ビルが並んでいます。
     台中観光の目玉は、トップ写真に載せましたが、寶覚禅寺にある特大金ピカ
     の布袋さんで、拝むと裕福ななるそうです。
     私も拝みましたが、その効力はいまだに実現していません。

     この台中は少年時代に私が住んで街の一つで4年間暮しました。
     台中駅長をしていた父が「今日は有名な映画女優が駅に着くからお前も見に
     こい」で、生まれて初めて見た女優さんが李香蘭(山口淑子)だったのです。

     この日、台中駅に降りた李香蘭を歓迎して何万人という群集が集まり、大変
     な騒動でした。
     私は李香蘭は絶世の美人だが、こんなに多くの人を熱狂させる映画女優って
     凄いなー、自分も大きくなったら父が言うお役人なんかではなく、映画の仕事
     をしたい・・・と思ったことを、今でもはっきり覚えていますし、これが私の原点
     だったのかも知れません。

     何故彼女が台中駅に現れたのか? 当時台湾で有名だった話で、先住民高
     砂族の娘サヨンが、日本人の若い巡査を慕っていて、出征する彼の荷物を持
     って見送りにきていて、途中不慮の事故で深い谷間に落ちて死んだという事
     実を基に、戦意高揚映画として撮ることになりやって来たものでした。
     地元の人たちは今でも覚えていて、それは昭和17年のことだと口を揃えて言
     います。

     映画は台湾総督府・満州映画協会・松竹の共同制作で、題名は「サヨンの鐘」
     監督・清水宏で1943年(昭和18年)に公開されています。
     今でも主題歌が現地で流行っているのも不思議ですが、作詞・西条八十、作
     曲・古賀政男、歌・渡辺はま子です。

     下の台中駅の写真は現在のものですが、昔の建物をいまだに使用していて、
     駅の中に入って見ると梁や柱も昔のままでした。
     すぐ近所にあった私たちが住んでいた官舎は、前回に立寄った時は古いまま
     残っていたのですが、ついに取り壊され駐車場になっていました。
     庭には築山や池がありテニスコートまであった素敵な家でしたし、道路越しに
     あった広場で"大相撲"が開催され、どうゆう訳か、我が家にトイレを借りに来
     たのが"双葉山"だったとか、懐かしい思い出が壊された家とともに一つ消え
     ました。

     先にご紹介した金ピカの布袋さんのすぐ横に、昔のままの日本人遺骨安置
     所があり、綺麗に清掃され今でも線香の煙が絶えません。
     これも当時から如何に日本人が台湾の人たちに慕われていたかという一つ
     の証なのでしよう・・・。

  
    ↑ 現在の台中駅ですが、外観も内部もほとんど昔のまま。
  
    ↑ 「サヨンの鐘」のポスターと、李香蘭(山口淑子)小柄だけど綺麗な人でした。
  
    ↑ フルーツ店で私。             ↑ 昔、よく行った台中公園。
    
    ↑ 夜市では蛇の肉も売っていました。     ↑ 暗がりですが写っているのは私。
  
                  ↑ 台中の街並みです。 ↑

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映画 「きっと、うまくいく」

2013年05月29日 | 日記

   

     インドで歴代第一位の興行収入をあげた大ヒット作品ということで、楽しみ
     にしていた一本です。
     と言ってもインド映画もピンキリなのでどうか?という心配もありました。

     行方不明だった大学時代の親友ランチョー(アーミル・カーン)が街に戻っ
     てくると聞き、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)
     は母校に向かいます。

     話は10年前に戻って、彼ら三人組は名門工科大学の新入生で三人は寮
     で同室になったのがキッカケで仲良くなりました。、
     性格が真っすぐなランチョーは、成績偏重で頑固な学長と常に対立します。
     暫らくしてランチョーは、美しい女医の卵ピア(カリーナー・カプール)に恋を
     しますが、なんとピアは学長の娘だったのです。

     学長は何とかして三人を大学から追い出そうと、卒業目前で退学を言い
     渡します。
     三人組も機転と知恵で抵抗して大騒ぎになるのですが、友人たちと青春
     を謳歌していた主人公が突然姿を消した謎と理由とは・・・。

     インド映画は、どの作品もエネルギーに満ち溢れ、いかにしてお客を楽し
     ませるかを工夫しています。
     この作品もお話が判り易いし、各所にミュージカル・シーンまで挿入して
     サービス満点です。
     小さな欠点はありますが、私の感想は面白いですよに尽きます。ドタバ
     タしておふざけが過ぎるとか、長過ぎる(170分)とかいろいろ反論があり
     ますが、日本映画も率直に学ぶものがありますよ。
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映画 「愛さえあれば」

2013年05月28日 | 日記

   

     アカデミー賞をはじめ、「未来を生きる君たちへ」「アフター・ウェディング」「ある
     愛の風景」などの秀作で知られる、デンマークの女性監督スサンネ・ビアの作
     品なので楽しみにしていた一本です。

     デンマークに住むイギリス人のフィリップ(ピアース・ブロスナン)は、妻の死から
     立ち直れず、ひたすら仕事に打ち込む孤独な日々を送っています。
     一方、美容師のイーダ(トリーネ・ディアホルム)は乳がん治療が一段落した矢
     先に夫の浮気が発覚し、心に深い傷を負う女性。彼女は南イタリアのソレントで
     行なわれる娘の結婚式に参列するため、コペンハーゲン空港へと車を走らせて
     いる途中で高級車に車をぶつけてしまいます。相手はなんと娘の結婚相手の
     父親フィリップだったのです。
     初対面からなんとも気まずい状況の二人でしたが・・・。

     「007」シリーズでおなじみのピアース・ブロスナンですが、そんなイメージを全
     くかき消して仕事熱心な父親役を好演していますし、相手役のトリーネ・ディア
     ホルムは、デンマークの実力女優と言われるだけあって確実な演技を見せます。

     お互いに傷を負った二人が、どのようになって行くのか、二人の間にはいくつか
     の邪魔が入り込んだりしてハラハラさせますが、この女性監督中々上手い演出
     です。
     娘たちの結婚式がひょんなことから駄目になるのですが、この原因など、もっとサ
     ラリと描いても良かったのではと思うように、いくつかの気になる箇所はあります。
     それでも南イタリアの映像が素敵だし、もともとこの手の作品は、この監督ととも
     に私的に好きなのでお薦めです。
     少し甘いのではと言われるかも知れませんがご勘弁の程を・・・。

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大映宣伝部・番外編 / 古い写真の思い出 ( 22 )

2013年05月27日 | 日記

 
    前列左から近藤美恵子、一人置いて小田桐桂恵子、後列左から永田秀雅東京撮影所長、
    池広利夫大映九州支社長、品川隆二、あとの方たちは市役所関係の方々。


     今回はマイナーな話題ですが、関門(下関~門司)に触れたいと思います。
     当時の邦画各社の九州支社テレトリーは沖縄を除く九州全体と、関門海峡を
     越えて下関市のみが該当地でした。同じ山口県でも下関市以外は全て関西
     支社の管轄なのです。

     門司と下関の上映館はどちらも2番館で、福岡などの封切館より1~2週遅れ
     ての公開でした。
     門司も下関も直営館ではありませんでしたが、どちらも商売熱心な館主さんが
     いて、私たちも極力応援体制を引いた記憶があります。特に「下関みなと劇場」
     は、今村館主と野中支配人の息が合っていて見事な運営ぶりでした。

     永田秀雅氏が東京撮影所長の時に若い俳優たち(品川隆二、藤田佳子、八潮
     悠子)を引き連れてみなと劇場の舞台挨拶をしたこともありましたね。
     藤田佳子(現在は作詞家・悠木圭子)の実家が三田尻(防府市)にあり、折角下
     関まで来ているので実家に寄ろうと一緒に行ったこともありました。
     品川隆二はその後東映に移籍しましたが、それでも私たちが京都に会議で来
     ていることを知り、ひょっこり宿を訪ねてくれたりしたことがあり、人懐っこい人で
     した。私たちはむ彼の本名、奥秋から"奥ちゃん"と呼んでましたが、今でも元気
     だといいのですが・・・。

     その当時・門司市と下関市が共同で関門まつり?みたいなことをやり、イベント
     の柱として「ミス・関門」を選出することを計画、当選者を大映のニューフェースに
     推挙する趣旨で、永田秀雅東京撮影所長・池広利夫九州支社長(池広監督の
     父君)品川隆二・近藤美恵子・小田桐桂恵子が審査員として出席し、華々しく開
     催されました。

     大勢の応募者の中から栄冠を獲得したのは下記写真の方で、職業は当時国鉄
     の車内販売員をされていた女性でしたが、色々悩んだ結果、女優になることを諦
     めることになった涙の後日譚もありました。

     一時売り出しかけた酒井修も下関の出身です。彼の後援会が下関で誕生するの
     で、面倒をみてやって欲しいと勝ちゃんから頼まれ、後援会の発足会を下関みな
     と劇場でやりました。
     他ならぬ勝ちゃんの依頼ですから、私も出向いて司会進行ご挨拶までやったの
     も遠い思い出です。

     下関には大映後も変な縁があって、三年前ですが下関市の映画館「シアター・
     ゼロ」(2スクリーン)の経営を1年間預かったことがあります。
     見応えのある娯楽映画の上映をめざして再建一歩前まできましたが、家主との
     大きな意見相違があって止むを得ず手を引きました。
     実は私は会津若松の人間なので、この長州とは根本的に相容れないのだろう、
     と思いながら下関を去ったのですが・・・。

     PS:今年の大映会は、10月19日(土)に調布の角川大映スタジオで開催されるこ
        とになる模様です。会場が懐かしい撮影所ですから、沢山の懐かしい顔
        ぶれに会うことが出来るだろうと、今からとても楽しみです。

  
   ↑ 関門海峡の風にふかれて近藤美恵子
  
           ↑ ミス関門にはこの方が選ばれました。
  
   ↑ みなと劇場で藤田佳子、八潮悠子、品川隆二、永田秀雅氏などなど。
  
                            ↑ みなと劇場今村館主、隣は長谷川待子と私。
  
         ↑ 下関みなと劇場で開催された酒井修の後援会発足会でした。 
 
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