芥川賞作家・川上弘美の同名小説を、「人のセックスを笑うな」の井口奈己監督
が映画化した作品です。
ニシノユキヒコはルックスも良くて姿もよく、仕事もでき、女には一も二もなく優し
い男性。
10年前に恋に落ちたのは人妻の夏美(麻生久美子)で5歳の娘がいる女性。3歳
年上の会社の上司・マナミ(尾野真千子)は、彼がかつての恋人・カノコ(本田翼)と
二股に近い関係を持っていると知りながらも彼と関係を結んでしまいます。
そして彼のマンションの隣に住む昴(成海璃子)とタマ(木村文乃)もひょんなことか
ら彼とつながりを。料理教室で彼に出会った主婦・ササキサユリ(阿川佐和子)も
彼のとりこになってしまいます。
ニシノユキヒコ彼女たちの欲望をみたし、淡い時間を過ごすのですが、女性たち
は必ず最後には彼のもとを去ってしまうのでした・・・。
この程度の作品に、あまり辛口の感想など書きたくないのですが、とにかく脚色・
演出・編集がいま一つです。
効果を上げていると思い込んでいる少々長回しのシーンとか、葬式の時に出てく
る下手くそな楽団を、これは面白いだろう、絵になるだろうと思い込んでいるなど、
監督の一人よがりです。
時々女性監督らしい繊細な部分はあるにはあるのですが、多くはこの監督らしく
ありません。
そして面白い顔ぶれの女優さんを集めているのですが、監督による役者の手ほど
きは半分で後は俳優まかせの感じで、それぞれの魅力が全開になっていません。
拾い物は竹野内豊で、キザにならないように気をつけた演技で、これは良かったと
評価します。
色々と欠点だらけと書きましたが、それでも見終わって、少し手を変えればもっと
面白いのになーと思ったのは、素材のせいでしょうか・・・。