映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「風にそよぐ草」 と 「ルート・アイリッシュ」

2012年06月05日 | 日記

   

      「風にそよぐ草」は、フランス現代文学の雄クリスチャン・ガイイのベストセラ
      ーを、巨匠アラン・レネ監督が89歳にして送りだした初老の男女の運命的な
      恋物語です。

      歯科医のマルグリット(サビーヌ・アゼマ)は、ある日、引ったくりにあいバッグ
      を奪われます。
      駐車場の片隅に捨てられていたバッグを拾った初老の紳士ジョルジュ(アンド
      レ・デュソリエ)は、その中に残されていた小型飛行機操縦免許の写真を見て
      ビビビを感じます。

      バッグを届けたことをキッカケに彼女の関心を引こうとストーカーまがいに奇想
      天外な行動を繰り返すうちに、彼女も恋心を持ち、やがて驚きのラストシーン
      を迎えることになります・・・。

      生まれてきた感情を抑えられない二人の姿はよく描けていますし、素敵な描
      写もあるのですが、素敵な老人になりたいと思っている私に、この二人の恋
      に共感する気持ちは沸きません。
      どんな作品にも好き嫌いがありますし、高い評価もあって一概には言えませ
      んが、いい歳をとって骨がギシギシいうような感じの恋とか行動は真っ平で、
      私的にはあまり好きになれない一作です。
                         (5/28 KBCシネマ 4日目 13:45の回 23人)


   

      「ルート・アイリッシュ」は、「麦の穂をゆらす風」などの佳作を生み出したイギ
      リスのケン・ローチ監督が、実在する危険地帯を題材に、イラク戦争の実体を
      描いた社会派ドラマです。

      米軍によるイラク侵攻後、バグダット空港と市内の米軍管理地域グリーンゾー
      ンを結ぶ12キロに及ぶ道路「ルート・アイリッシュ」は、米軍の要人や補給物
      資の奪取を狙ったテロの第一目標として世界一危険な道路となっています。

      イギリス人の民間警備兵ファーガス(マーク・ウォーマック)は、多額の報酬に
      ひかれてやって来たのですが、ここで親友のフランキーが死亡、その死因に
      ついて当局の発表に納得が行かず、周囲の反対を押し切って真相究明に乗
      り出して・・・。ざーっとこんなストーリーです。

      アメリカへの怒りを込めながら、サスペンス形式のドラマ仕立てになっていま
      すが現実感が薄いし、まるでヤクザの復讐物みたいです。
      構成、演出、編集ともにいま一つだし、実績のあるケン・ローチ監督なのに彼
      らしからぬ出来です。
                           (5/29 キャナルシティ 4日目 10:00の回 8人)

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