映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「私が、生きる肌」

2012年06月08日 | 日記

   

      「オール・アバウト・マイ・マザー」や「抱擁のかけら」などで世界的に評価さ
      れているスペインのペドロ・アルモドバル監督が、アントニオ・バンデラスと
      「アタメ」以来22年ぶりにタッグを組んだ異色の愛憎ドラマです。

      物語の舞台になった街はスペインの古都トレド。
      画期的な人工皮膚の研究開発に執念を燃やす形成外科医ロベル(アントニ
      オ・バンデラス)は、かってやけどで非業の死を遂げた最愛の妻を救える筈だ
      った"完璧な肌"を作り出すことを夢見ているのでした。
      色々と経過があって、良心の呵責や倫理観も失ったロベルは、ある人物を監
      禁して実験台にし、亡くなった妻そっくりの美女(エレナ・アナヤ)を作り上げて
      行くのでした・・・。

      この作品の評価は、またまた賛否両論に大きく分かれています。狂気、復讐、
      倒錯も、監督の美意識で包まれていて実に面白く見たという人たち。
      それに反して、これはゲテものもいいところで、物語自体が古めかしく辻褄の
      あわないことおびただしい、アルモドバル監督らしからぬ薄い演出・・・と全くの
      両極端です。
      ただし劇中に登場するインテリアやアート作品もそうですが、特に衣装をジャン
      =ポール・ゴルチエが担当していて中々素敵です。

      いつも言うように、どんな作品でも好き嫌いがあり、どちらが正解とは言い難い
      のですが、私はストリーの中のいくつかの要素がミスマッチで納得出来ないの
      で、私の評価は後者です。
      またほとんどの人が、もう一つの重要な要素をネタバレしないことから伏せてい
      ます。
      これを表面に出せば、私はますます納得出来ないことに連がりますが、次の機
      会に改めてこの要素について取り上げたいと思っています。
                       (6/3 TOHOシネマズソラリア 2日目 10:00の回 24人)


      付けたりですが、
      「トレド」はマドリードから約70kの所にある街で、人口は約85,000人、旧市街全
      体が古都トレドとして世界遺産です。
      ルネサンス期に画家エル・グレコが活躍した街としても有名です。
      街の外観は実に古めかしく、街角から甲冑姿の騎士が出てきてもおかしくない
      感じですが、内部は極めて近代的で映画館もありますよ。
      古い歴史と建物が残っていて、ここで何が起ころうと不思議ではないという雰囲
      気が充満しています。この映画のバックグランドとしては最適かも知れません。

        
        ↑去年スペイン旅行中のスナップで、私の後方に広がるのが古都トレドです。

コメント (2)
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