アメリカのフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功し、1992
年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場したトーニャ・ハーデ
ィングのスキャンダラスな半生を、「スーサイド・スクワッド」で世界的にブレイクしたマ
ーゴット・ロビーの主演で描いたドラマです。
典型的な白人低所得層の家庭に生れ、母親に罵倒されながら育ったトーニャは、努
力と才能でフィギュアスケーターとして全米のトップ選手へと上り詰めて行きます。
92年アルベールビル五輪に続き、94年のリレハンメル五輪にも出場しますが、92年に
元夫のジェフ・ギルーリーが、トーニャのライバル選手を襲撃して負傷させた「ナンシー
・ケリガン襲撃事件」を引き起こしたことから、トーニャのスケーター人生の転落は始ま
っていたのです・・・。
プロデューサーも兼ねてトーニャ役で主演したロビーは、スケートシーンに猛特訓して
臨み、今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。母親役のアリソン・ジャ
ネイはアカデミー賞の助演女優賞を受賞しています。元夫役は「キャプテン・アメリカ」
シリーズのセバスチャン・スタン。監督は「ラースと、その彼女」「ミリオンダラー・ーム」
のクレイグ・ギレスピーです。。
予備知識がないままに見た作品ですが、出演メンバーの熱演や物語の表現手法も優
れていて好感度が高く、大変面白く見ました。特に実際に滑るマーゴット・ロビーは凄い
の一語です。普通に育っていれば何も問題ないスケート選手になったものを、毒親とDV
夫や友人にさいなまれ、人生を落伍していくサマが上手く描かれています。ラストにはト
ーニャ選手が実際に滑るシーンが出てきますが、この選手をよくテレビで見ていたことを
思いだしました。お薦めの一本です。