2009年にイギリスで公開されると、そのユニークで綿密な独特の世界に、
英米の批評家に絶賛されたと伝えられている作品です。
これまでは脚本家として活躍してきたJ・ブレイクソンが初めて撮った作品
で、登場人物はたったの3人、これ以外の人物はおろか声も聞こえません。
更に場所もほとんどが拉致された部屋で進行しますし、低予算ながら知恵
と情熱で撮った作品であることが伺えます。
物語は二人の男が身代金目的の誘拐を企て、監禁する部屋を準備し、富豪
の娘アリス拉致にまんまと成功、ベッドに手足を縛り付けます。
アリスの親からまんまと身代金を手に入れたのですが、ここからアリスの
反撃が始まります。そして3人の心理戦は最高潮に・・・。
タフなヒロイン・アリスには「007/慰めの報酬」のジェマ・アータートンが、
二人の誘拐犯役には「シャーロック・ホームズ」のエディ・マーサンと「SWEET
SIXTEEN」のマーティン・コムストンが扮して熱演です。
この新人監督は、このデビュー作品のために暖めていたアイデアを一挙に
爆発させた感じで、101分の中で少し粗い場面もありますが、ストーリーが
二転三転し、意外な展開とラストを上手く纏めた脚本と演出のクオリティの
高さを大いに買ってやりたいです。