「東京バンドワゴン」で人気を博した小路幸也の小説の映画化で、監督
は4年ぶりの青山真治が当たっています。
カメラマン志望の青年と、彼を取巻くそれぞれ立場の違う3人の女性を
併行して描きながら、東京で生きるさまざまな男女の日常と、その人間
関係が少しづつ変化していく様子を捉えています。
私は当初この作品にあまり興味が湧かず、パスしようかと思っていたの
ですが、周囲の人たちの感想を聞くと今年最高の出来だという人がいる
反面、最低作品という人もいて、そこに改めて興味が湧き、見ることにし
ました。
まず東京という街を上手く撮っているし、新しい社会風俗作品を作り出
そうという製作陣の意欲が感じられることを買いたいです。
更に、三浦春馬も好演だし、小西真奈美と栄倉奈々が役柄にはまって
出色の出来だと褒めておきましょう。
新しい分野の作品を作ろうとする意欲を買うとは言いましたが、物語自
体に上滑りした個所が結構あって、もう少し脚本の推敲と時間をかけて
製作をしたら、もっと素敵な作品になっただろうと、惜しい気がする一本
でした。