原作は現業の医師である夏川草介が、第10回小学館文庫小説賞を受賞した
デビュー作で、2010年に本屋大賞で2位となった作品です。
"嵐"の櫻井翔と宮崎あおいが夫婦役を演じ、地方医療の現実と向き合いな
がら成長する医師の姿を描いた内容です。
勤務5年目の内科医である主人公は、医師不足の中、24時間365日対応で
激務をこなしています。
家にはカメラマンの妻や、アパートの風変わりな住人たちとの温かい触れ合
いがあるのですが、多忙で結婚記念日も忘れる始末。
ある日、大学病院から見放された末期がん患者が転院してきたのをキッカケ
で、主人公は医療とは何かを考え始めます。
そんな時に大学病院に勤めないかという誘いがきて・・・。
出演は、櫻井翔・宮崎あおい・要潤・吉瀬美智子・加賀まりこ・柄本明ほか。
監督は「白夜行」の深川栄洋です。
この作品は8月27日に公開されるのですが、同じ匂いがする作品で少し後で
すが10月8日に公開される東映の「ツレがうつになりまして」があります。
こちらのキャストはトップが宮崎あおいで共演は堺雅人、佐々部清監督です。
本当は2作品を並べて感想を書きたかったのですが、取敢えず「神様のカルテ」
を少々書きます。
このところ東宝系の作品を見て、質的に優れた感動作というか面白い作品が
極端に少ないと思います。
東宝は宣伝上手ですから興行的には上の部で推移しているものの、とても気
懸かりです。
本作も辛口にならざるを得ないのですが、まず脚本と監督の出来が全く悪い
上に、主演・櫻井の演技がお世辞にも上手いと言えません。宮崎といういい
相手役を得ているのですからこの夫婦の生活ぶりとか、医者としての言動と
かがもう少しどうにかならなかったのか、至極残念です。
また途中に不要な挿話が多く、2時間8分は長過ぎます。
あの映画でキャストの演技が下手とかという感想しか持てないのは寂しいですね・・・
感想は100人100様ですから色々あって当然だと思っています。
素晴らしい原作を得てスタッフ・キャスト共に頑張ったと思いますが、
画面に出てくるのは俳優さんです。
監督をはじめスタッフが想いを俳優に充分に伝えきれなかったのか、
アイドルタレントの拙演は大きくマイナスだったと思っています。
私は映画製作にたずさわっていた一人として、表面に出る俳優が、
スタッフの思い通りに表現をしてくれなかった悔しさを知っていますので・・・。