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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「あぜ道のダンディ」

2011年07月24日 | 日記

         

     「川の底からこんにちは」で注目された28才の石井裕也監督が、自ら脚本
     も手がけた最新作です。
     監督は男の美意識を描く人間ドラマにしたいと言っていたそうですが・・・。

     主人公の宮田(光石研)は、妻を亡くし男手ひとつで育ててきた息子や娘た
     ちの関係に悪戦苦闘する50才のシングル・ファーザーです。
     「駄目でも情けなくても、男は男を気取って生きて行くもの」と見栄を張る
     のですが、現実は中々厳しい毎日です。

     最近は体調も優れないし、胃がんだった亡き妻と同じ症状に悩み、幼友
     達の真田(田口トモロヲ)だけに悩みを打ち明けています。
     そななある日、二人の子供が東京の私立大学に合格、子供たちとの思い
     出をなんとかして作りたい主人公ですが、中々上手く行きません・・・。

     幼馴染の友人と行きつけの居酒屋で酔って怒鳴りあったり、本当の気持
     ちを確認したりの描写とか、「川の底からこんにちは」も同様ですが、
     ローカルの風景と入り混じった挿話の数々を面白く見ることが出来ます。
     最近の映画やテレビで、一発芸のギャグに飽き飽きしている我々にとって、
     そんなものではなくシチュエーションの面白さはとても新鮮に感じます。

     また友情出演者を除いてはスター級の役者を使わず、主人公役の光石研
     は、彼のデビュー作「博多っ子純情」以来33年ぶりの主演ですが演技賞
     クラスの好演、共演の田口トモロヲも素敵です。
     でも何よりの功績は、家族や友達などへの大切な思いやりを、さりげなく
     描きながら問題提起をしている脚本と、優しく温かい目を持った石井裕也
     の演出だと思います。
     新しいスタイルの人情喜劇として充分に楽しめますので、皆さまにお薦め
     です。

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