映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「BIUTIFUL ビューティフル」

2011年07月21日 | 日記

          
     
     この作品は、今年のカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞、アカデミー賞
     主演男優賞・外国語映画賞にノミネートされ、私の期待の一作でした。
     スペインのバルセロナの極低下層である移民地区で暮らす父と幼い姉弟。
     映画の題名は、劇の中で娘に「ビューティフルの綴りってどう書くの?」
     と聞かれて父親は"題名"の綴りだよと、間違った綴りで答えるシーンから
     きています。


     監督はデビュー作「アキーレス・ペロス」で注目され「21グラム」「バベル」
     で確固たる地位を獲得したアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥで、死に
     直面した男の心理描写に焦点を究極まで当てた物語です。


     背景はバルセロナに潜む闇世界。主人公のウスパル(ハビエル・バルデム)
     は麻薬依存の妻と別れ、二人の子供と暮らしています。彼の仕事はアフリカ
     や中国からの不法移民の世話をする仕事ですが、病院で検査を受けた彼は、
     前立腺がんで余命二ヶ月と宣告されます。
     彼は子供を残して死ぬわけに行かないと思い、麻薬依存から更生しようとす
     る妻と再び暮らそうと考えるのでした。
     そんな時、工場で働いていた中国人たちが、ウスパルの与えた粗悪暖房機
     から出た一酸化炭素で全員が死亡して大変なことに・・・。

     19歳で初めて黒沢明監督の「生きる」に出会った監督は、斬新なストーリーテ
     リングに衝撃を受けたそうで、この作品はその感動を発展たものと述べていて、
     劇中には「生きる」のワンシーンを引用するなど、黒沢作品へのオマージュが
     盛り込められています。


     そして素晴らしいのがハビエル・バルデムの存在感ある演技で、色々な受賞
     は当然でしょう。
     観光都市として著名なバルセロナの裏面の闇社会で繰り広げられる物語です
     から、明るさは皆無だし見てて暗く重い気分になるのは仕方がないのかも知
     れません。
     更に全編を通じて死者の場面が多過ぎるのも考えものです・・・。
     それでも物語がよく出来ていて魅力を感じる作品なので不思議です。

コメント
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