映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「大鹿村騒動記」

2011年07月08日 | 日記

         

     南アルプスの懐に抱かれた長野県下伊那郡大鹿村に、300年以上も伝わる
     伝統芸能「大鹿村歌舞伎」を守り続けていますが、この大鹿歌舞伎を題材に、
     原田芳雄の主演作品を撮ってみたかったという坂本順二監督が、オリジナル
     脚本も書いています。

     村でシカ料理店を営む善さん(原田芳雄)は大鹿歌舞伎の花形です。
     公演を目前に村全体が準備にいそしんでいるある日、18年前に駆け落ちした
     妻・貴子(大楠道代)が相手の治(岸辺一徳)と一緒に突然帰ってきました。
     貴子は脳疾患による記憶障害を患っていて、駆け落ちしたことすら覚えてい
     ないのです。
     仕方なく二人を自分の店に住まわせる善さんですが、本心は心が乱れ、芝居
     の稽古にも影響が出る始末・・・、更に大型台風までが加わって大鹿村は大騒
     動です。

     原田芳雄を中心に、坂本監督が今まで一緒に仕事をした仲間や、特別出演の
     俳優さんをズラリ並べて一見豪華絢爛だし、大鹿村の風景は美しいし、製作
     サイドはオトナの喜劇を作るのだと意気込んでいたようです。

     まず歌舞伎の演目は「六千両後日文章 重忠館の段」といい、大鹿歌舞伎だけ
     に残っている外題なのですが、この貴重な歌舞伎の扱いと演目披露は中途半
     端でした。
     大人のキゲキを作るの狙いは、出来上がってみれば喜劇とは思えないし面白く
     ありません。性同一性障害の話など全く不要です。要するに脚本の出来が良く
     ありませんね。
     気の合ったスタッフ・キャストの編成はご苦労様ですが、時として裏目に出るこ
     とがあり、今回は映画製作ゴッコの様相です。
     坂本監督にはデビュー当時のパワーが感じられません。

コメント
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