kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

輝ける場所・・・

2009-04-14 | 陸上競技
先日の記録会により、女子400mの代表とマイルメンバーを決めました。非常に緊張感のあるレースになったと思います。

前の記事にも書きましたが、足を痛めなかなか調子の上がらなかったshimaをマイルメンバーから外しました。非常に冷たいかもしれませんが選考で漏れたのにメンバーに名前を残すことを本人は決して望みません。そういう人間ですから。ここは「選手」というよりも人間性の問題だと思います。通常の選手であればこういう状態でメンバーに名前を残すことに固執します。自分の「力」を認めることができずにどうすれば自分が残れるかを考えます。しかし、shimaはそこにすがりつくことをしませんでした。涙を流してみんなに話をしましたがきちんと前を向いていました。

昨年は総体前色々と上手くいかない部分がありました。総体でrinaが決勝に進出し、誰かを外すことになるという部分でチーム内で「自分が走りたい」という感情だけで物事をみてしましチームは一瞬で壊れてしまいました。それと同じことを繰り返す危険性がある部分でしたが、shimaは私が思っている以上に強かった。もちろん本人は死ぬほど悔しいでしょうし、辛いと思います。それでも決して下を向かないところが強さです。最も信頼が置ける人間だと思っています。

今日の日誌に様々な「想い」を書いていました。昨日話をしたのですが今はスピードが上がりません。それでも維持はできます。総体路線、400mHと800mに出場してみてはどうかと話しました。本人は素直にそれを受け入れてくれました。単に出るだけではありません。中国を目指します。今日の日誌に、「私は卒業するまでマイルの1走を誰にも譲るつもりはない。でも、今の力で走ってもチームに迷惑をかける。それなら今一番輝ける力を生かして、800mで中国を狙いたい。まずは自分のために頑張りたい。400mやマイルメンバーに入らなかったから800mを走ると思われるのは嫌だから。同情されたくはない。それに、自分が800mに向けて練習することで仲間に何かが伝わればいい。私が800mに出場して戦うことで3分57秒を切る可能性が少しでも上がるなら私は喜んで受け入れる。すべては目指す場所のために・・・」と書いていました。

高校生レベルでここまで考えられる人間がどれだけいるでしょうか?うちのチームが力をつけ前に進んできたのはshimaがいたからだと改めて感じました。こういう人間がいるからこそチームは成長してきたと思います。しかし、褒めませんでした。こういう考え方が特別だと認めてしまえばそれ以上先はないからです。女子だけを集めこの日誌を見せました。ほかのメンバーにshimaの「覚悟」と「想い」を理解させるためです。ひょっとしたら本人は望んでいなかったかもしれません。それでもほかのメンバーにはshimaの「覚悟」と「想い」を理解する必要があります。今からやろうとしていることがどれだけのことなのか。中学時代の実績が全くないメンバーが集まってインターハイを狙う。中途半端な「覚悟」ではできないのです。チーム内で負けたら負けなのです。それでもshimaは下を向くことなく次に自分が何をするべきか、どうすれば輝けるかを考えて自分なりの答えを見つけたのです。

ほかの選手も今日の日誌には「覚悟」について書いていました。これまでのレベルからすれば大きな成長です。しかし、shimaの「覚悟」と「想い」はそれ以上のものでした。特に女子はその気持ちを理解できなければいけないと思います。自分が強くならなければ、誰の「想い」にも応えられないのです。マイルメンバーに入ることだけをshimaは考えていませんでした。「自分が1番になる」ことだけを考えてやっています。他のメンバーも同じ想いでいたでしょうか?まずはマイルメンバーに入ることだけを考えていた部分が大きいのでは?misatoに勝とうとする気持ち、rinaに勝って自分が1番になろうという気持ちがあったでしょうか?そこを狙う気持ちを常に持ち続けていなければshimaの「想い」に勝てることはないと思います。誰かのためではなく自分自身がshimaの「想い」に勝てるようにならなければマイルを走る資格はないと思います。

全て気持ちで決まるとは思っていません。やはり、きちんとした練習を積んで積み上げていってから「結果」がついてくるものです。そこまでの過程に何があるかだと思います。指導者に強制的にやらされている間は絶対に伸びません。見えないところで必ず手を抜きますから。これは今までの短い指導経験から痛感しています。しかし、子どもたちはその気になれば考えられないくらいの「力」を発揮します。持っている「力」を最大限に引き出すことができるようになります。指導者の役割としてはこの部分が大きいのではないかと最近特に感じるようになりました。私自身は熱くなりやすいタイプなので冷静に抑えながらやるように心がけています。いつも言われていることですが、私が冷静さを失っていけば選手はさらに冷静さを失います。常に客観的に。熱く話をするときは誰よりも熱く。最近はその部分を考えています。

人生の中で「輝ける場所」というのはそれほど多くありません。うちがインターハイに行けるわけがないと思っている人もいると思います。でも私は絶対に行くと思っていますし、女子はもちろんうちの選手すべてが「インターハイに行く」と思っています。そのために多くのモノを犠牲にしていると思います。それでもやるだけの価値ある。かけがえのない大切な仲間と未来に向けて力を合わせ、想いを同じにしてやっていくことができる時間ほど貴重なものはない。一生懸命にやるから見えてくるものがある。そう考えています。

shimaの「覚悟」と「想い」、選手は冷静に受け止めなければいけません。全ては自分たちが輝くためです。他の人から何と言われようと裏表なく純粋に目指すことに意味があると思います。ここで感情的になり「shimaのために」と思っても本人は絶対に喜びません。そんなことにエネルギーを使うくらいなら「自分のために強くなれ」という子ですから。それは日ごろから関わっている選手なら誰でもわかるはずです。自分がトップを目指して取り組んでいくことに意味がある。shimaは諦めたわけではありません。必ず這い上がってくると思います。その時に「何をしているんだ」と怒られないように、各自が責任を持って自分のやるべきことをやる。それ以外にはないと思います。

このblogを見ている方々にお願いがあります。応援してください。私に足りない部分があれば力を貸してください。私はどんなにかっこ悪くてもいいと思っています。選手たちが輝けるならどんな手段でも使います。多くの方々の力を借りて、通常ではできないことを成し遂げたい。ここまできたら止まれません。やるしかないと思っています。

力を貸してください。応援してください。全ては「目指す場所」のために。この子達が輝くために。
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