kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

チームとして

2012-05-17 | 陸上競技
火曜日の練習後、少しだけ話をすることにしました。対象は女子選手。今年度は女子の新入部員しか入部してきていません。男子に関してはこれまで話をしてきていますから改めて話をする場を設けるのは避けました。1年生の女子が入部してきているのでここに対して「取り組み方」「考え方」を話しておく必要があると感じていました。真剣にやるというのは非常に難しいことです。まだ「何とかなる」と思っている部分があるという感じが強くあります。このままでは良いことにはならないだろうなとい思っていた矢先に「階段サーキット」を実施することになりましたから話をするのはいい機会だと。

私が顧問になって最初の年は一人も県総体に出場できませんでした。「ジョギングクラブ」というレベルではなく「練習に参加する」という事さえもきちんとできていませんでした。完全に0からのスタートでした。それが2年たって初めて中国大会に出場してからはリレーで中国大会に出場できなかった年はありません。個人で中国レベルの大会を経験したことのない選手であってもチームとして取り組んでいるうちに「中国に行くのが当たり前」という雰囲気になるのです。学校によっては「インターハイで戦うのが当たり前」という雰囲気の学校もありますからこういう部分で「取り組む姿勢」というのも差がついていくのだと思います。

取り組みの中で大事なのは「心」だと思っています。チーム内で同じ方向性を向いて取り組んでいかないと良いことにはなりません。数年前、チームの全員が「絶対にインターハイに行く」と必死で冬期練習をやってきた年があります。この時、確率的にはかなりインターハイに近かったと思います。一人故障をしてしまいましたがそれを補って余りあるくらいの戦力が整っていました。が、結局はマイルの決勝で7位となり届きませんでした。大会終了後に分かったのですが試合の1週間前に「休息を取る」という意味で休みを作りました。このときほとんどの選手は治療や整体などに行って試合に備えたようです。「勝負の場面」を迎えるに当たって当然かなと思います。すごいことでも何でもありません。しかし、中国大会の時に「全く走れない」者がいました。県総体から大事な場面で全く力を発揮できない。中国大会でも62~63秒で帰ってきます。通常では考えられません。この選手は「休息」といっていた日に友達と一緒に県外に遊びに行って一日中歩き回っていたそうです。そいれを平気で携帯サイトに書き込んでいた。それを他の選手は見ていたようです。「勝負の場面」で戦うと皆で決めているにも関わらず、「別に関係ない」という行動をとる。それを他の者が知って「一緒に戦う」という気持ちにはならなかったのでしょう。頭では「それでも戦える」と思っていても「心」の部分のつながりがなければ「力」は出せないのです。「チーム」として戦うというのはそういう「見えない何か」が大きな影響を及ぼすものなのです。

また、これも最近の話ですが部内で「全く話をしない」という関係の選手がいました。特定の選手を「気に入らない」という感じで話をしないのです。このことに関してもひたすら言い続けてきましたが全く改善されませんでした。大会でバトンをつなぐ時、あり得ないことにバトンを落としてしまいました。マイルですから拾って走れば間に合います。が、バトンを拾おうともしません。前の走者がバトンを拾って無理矢理持たせて走らせましたが、前を追うでもなく65秒くらいのペースで走っていました。「バトンが落ちたのだから走る必要はない」という発言をしたようです。考えられません。「皆で戦おう」と決めていたにもかかわらずこのような行動がとれるのか?大きな疑問ですが、最後の最後まで全く伝わりませんでした。これもやはり「心」が他の者とつながっていないから起きることだと思います。このような状態であれば「リレー」を組む意味はありません。

今の女子メンバーは「普通」です。しかし、1年生を含めてもう少ししっかりと関わっていく必要があると考えています。「個人種目」の陸上競技だからこそ「団体種目」である「リレー」を大事にする必要があるのです。県選手権では「バトンミス」による失格が起きました。「何とかなる」という甘い部分があるからです。「絶対に渡す」「絶対にもらう」という気持ちがあれば渡ります。「根性論」ではありませんが、練習はやっています。大会本番で「渡らない」のは技術云々だけではない部分が出てくるのだと思っています。
今回のリレーには1年生を使います。本来であれば上級生がきちんと力を付けていって走るというのが大事です。しかし、今の段階で上のレベルで戦うことを考えると1年生の走力のほうが圧倒的に上です。冬期練習をしっかりとやってきていればかなり力は上がるはずです。そのため一番重視している「リレー」で1年生の力に頼らなければいけない状況が生まれたのです。本来であれば「雰囲気を感じる」だけで十分な県総体で「主戦力」として走らないといけないというのは大きなプレッシャーがあるはずです。その部分を上級生が汲み取ってサポートしてやる必要がるのです。
また、1年生は「走れない者」の気持ちを背負って走る必要があるのです。代表としてリレーを走るのは「4人」です。しかし、同じ「チーム」として同じ方向を見て取り組んでいる選手がいる。リレーを走りたくても走れない者がいるのです。また、マネージャーが入ってきて自分たちの練習のサポートもしてくれています。その「想い」を感じ取れる選手にならないといけない。「1年生だから」ではなく「選手」として学校の代表として走るのです。その部分を感じ取れなければ絶対に上の大会には進めません。

全ては「心」の部分です。ここが感じ取れないようであればどれだけ話をしても「心」は変わりません。物事に取り組むのも「心」。私は真剣に話をしました。これが伝わらないようであればこの先強くなることは「絶対にない」と思っています。「1年生だから仕方ない」とうのは「甘え」です。今後のことを考えると今しっかりと「心」を育てておく必要があるのです。

感じ取ってもらえるでしょうか?「心」と「心」のつながりが「リレー」でのつながりとなり「チーム」を作る。それが「伝統」になるのです。しっかりと感じ取ってもらいたいですね。
コメント
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