ぱぐぱぐ通信

環境にわるいペットボトル飲料を買わないジョー・てるりんの絵日記みたいなものです。

最近読んだ本「無罪」

2020年10月05日 15時33分52秒 | 本・映画 ま行
無罪
深谷忠記著




心神喪失者の行為は罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減ずる。

刑法第39条をテーマに、シンナー中毒の男に幼い息子を殺された新聞記者、

ノイローゼ気味の母親が我が子をあやめてしまった家族、

刑法第39条を適用して被告に温情判決を下した裁判官の心情が語られます。



私は死刑廃止論者ですが、いつも考えさせられます。

本自体は、くどい表現が何回となく現れ、斜め読みしたくなります。


☆☆☆

最近読んだ本「十三人の刺客」

2020年10月05日 15時29分58秒 | 本・映画 さ(ざ)行
十三人の刺客



谺雄一郎著

2010年に公開された同名映画のシナリオをもとぬ著者が書き下ろし。

原案は「四十七人の刺客」で文壇デビューした池宮彰一郎。



暴虐無人の振る舞いをいとわない江戸幕府十一代将軍の弟を討つべく、

「政道を正したい」と立ち上がった十三人の武人の活躍を描く歴史小説。

女性を手込めにし、気に入らぬとあらば誰彼構わず斬り捨てる明石家の松平斉宜(なりこと)。

出府の道すがら、木曽上松の宿で乱交を働き、お目付役が自害するはめに。

それでも松平にお咎めがないとあり、老中土井利位は腹心の島田新佐衛門に、

「ご政道をまっとうに」と託します。

島田は策を練り上げ、木曽落合の宿で松平を待ち構えます。



武士が命をかける意味が語られます。

しかし最後に、生き延びた一人が

「侍なんてやつは何の名分も要らんなんて嘯きながら命懸けで事を為しますが、

やっぱり人間、生き急いでもいけないが死に急いでもいけませんね。

それよりも人は一生に何か一つ、命なんぞ懸けなくてもいい、

夢中になれることを手にする方がよっぽど幸せってもんじゃありませんかねえ」

とつぶやきます。


さらに「侍も町人もない。男も女もない。ただ己の行動が他人に不幸を撒き散らすものでないかどうか、

そこに少しばかり目配りしておけばいい。世の中それでもっと過ごしやすくなる」と続きます。


木曽路を避ける松平らが選ぶのは伊那街道。

本文にてるりんのふるさと駒ヶ根の名が幾度となく出てくるのがうれしいです。

著者が静岡県出身というのも親しみが湧きます。


☆☆☆☆☆

あしあと