ぱぐぱぐ通信

環境にわるいペットボトル飲料を買わないジョー・てるりんの絵日記みたいなものです。

最近読んだ本「悼む人」

2016年06月15日 18時13分40秒 | 本・映画 あ行
「悼む人」




亡くなった人を訪ね、

「誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたか」を心に刻む巡礼の旅を続ける青年、

坂築静人を中心にしたロードノベル。

死亡現場の近所の人から「人の死んだ場所をうろつく男」と警察に通報される経験をいくととなくしながらも、

彼を突き動かすのは「亡くなった人を忘れないように」という思い。

ニュースなどを頼りに次の目的地に向かいます。




亡くなった人に「普通の主婦」「ごく一般の人」はいない、と書かれます。

どんな人であっても、誰かにとってはかけがえのない人だという思いが伝わってきます。

☆☆☆☆☆


追記

映画化されています。

見逃してしまったのが残念。

最近読んだ本「奴隷小説」

2016年06月15日 18時11分12秒 | 本・映画 た(だ)行
「奴隷小説」




架空の世界の最下層でもがく市民の暮らしを描く。

何人もの妻をめとる長老がしきる社会で、

70歳を超える長老の妻になれと脅されるもうすぐ15歳になる少女スズメが、

新しい空気に触れようとジャンプする「雀」。


兵士たちに拉致された女子高生たちが生き延びようと知恵を出し合う「泥」、

陰気な男たちにさえも「お客様は神さま」と

身を粉にする売れないアイドルグループの少女たちを描いた「神様男」、

炭鉱労働村で毎日、真っ黒になって働く少年が、

年に一度訪れる少女のために貴重な食料を無理して用意する「ただセックスがしたいだけ」

など、7編の短編が詰まっています。


下層社会から抜け出すことができないばかりか、

ほんの小さな出来事で足元をすくわれ下層社会に落ちる悲劇ばかり。

今の日本に似ているよう。




今日のニュースにもありました。

世界の1パーセントの富裕層が持つ富は、残りの99%の全資産を超える、と。

これは為政者が、一般市民ではなく富裕層のための施策を故意に行っているからだという指摘があります。


すでに社会はこの小説のなぞっているようです。


☆☆☆☆★

あしあと