警官を懲戒免職になり、
今は探偵事務所に勤めている、
佐伯修一が主人公。
佐伯は被害者家族。
その加害者に対しての、
おさまることのない復讐心。
佐伯の勤務する探偵事務所にも
佐伯と同じ心を持った、
被害者の依頼がくる。
人を探し出すことによって
両者の人生を狂わすことになる。
加害者の幸福な姿は、
被害者にとっては
余計に憎しみの心が、
増殖していく原因となる。
加害者が不幸にならないと、
心の癒しは遠のいていく。
被害者にたいしての赦しとは?
重い内容です。
でも各章によって
罪の内容が異なっていて、
連作になっているので
ストーリーの展開は分かりやすく、
職業もミステリー小説には、
よくある探偵ということなので、
意外と楽に読み進めることができました。
忌まわしく、つらい過去を持つ、
冬美との心のふれあい。
冬美が何度も顔を変えた悲しい理由。
彼女の癒されることのない、
残酷な運命と孤独。
冬美の心情に涙がこぼれます。
心の中に憎しみの火をいつも内蔵し、
爆発寸前の復讐の感情を、
胸にかかえる佐伯修一。
彼の父親のことば、
笑えるようにならなければいけない。
親にとって子とはいつまでも
幼い子供のままです。
過去の犯罪、
それによって心をずたずたに
傷つけられた周囲の人々。
赦すべきか、赦すべきでないのか、
犯罪を犯した人物、その家族、
犯罪被害者、犯罪被害者の遺族。
それぞれの心の内面。
強い印象が残るタイトル。
揺れ動く主人公の心情。
心の変化。
読み応えのある物語でした。
天使のナイフ以降2冊目の、
薬丸岳氏の小説です。
kazuさん
読みたい本が増えました。
私は暖かい仄々した小説も好きですが
反面、今朝ご紹介のような重くて
登場人物の心情が、辛くて悲しい心情がつづられている小説も好きです。
癒されない被害者の心情
解るような気がして切ないですね。
早速図書館で借ります。
kazuさんの読後感を拝見して
「少しは読んだ」思いも有りますが・・
こちらこそ、いつも
レビュー、読んで下さって、
うれしいです。
ありがとうございます。
天神さんの人出すごいですね!
出店を見て回るだけでも
楽しそうですね。
梅の開花ももう始まっているんですね。