不思議な雰囲気が漂う、
ある老人から、
地上げ屋の丹羽に託された、古い手帳。
その手帳に記されていた驚愕の内容。
終戦直前、、
敗戦から国が立ち直るのに、
必要な資金として、
多摩川近辺の山林に、
極秘に隠された時価二百兆円の財宝。
はじめは宝探しの物語なのかと思い、
読み進めていきましたが、
そうではなく、テーマは戦争です。
その財宝に関係した人々の、
生き様、死に様について、
描かれた心の物語でした。
現代と戦争当時の出来事が並行して
語られていきます。
浅田次郎に、やっぱり涙はつきもの。
ポツダム宣言受諾直前頃、
終戦時の勤労動員として、
何も知らずに働いていた、
少女達のくだりは、
あまりにも不憫で悲しすぎます。
積ん読状態だった本です。
映画化されることを知り
この長編小説を読みました。
映画は2011年公開予定、
監督は[チルソクの夏][半落ち ]
[四日間の奇蹟][出口のない海]など、
心に深く染みいる映画の佐々部清。
主演は堺雅人、
その他には中村獅童、福士誠治、
ユースケ・サンタマリア、
八千草薫などということです。