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花ごよみ

映画、本、写真など・

もう誘拐なんてしない (東川 篤哉)

2012-01-02 | 本 な、は行(作家)

主人公は下関に住む、
ドジな20歳の大学生、樽井翔太郎。

先輩を手伝って門司で、
たこ焼き屋台のバイトをしています。

偶然知り合ったヤクザの組長の娘で、
セーラー服の美少女、
花園絵里香の狂言誘拐を遂行。
平行して本当の殺人事件も‥

登場人物もマンガ的、
個性豊かな人達です。

ドジな主人公の行動もとても愉快。
登場人物の会話もおかしいです。
一番笑ったのはワカメ男。

舞台は関門海峡。

推理小説としても、
なかなかうまくできていて、
狂言誘拐の裏にあるトリックが巧みです。

現場である関門海峡の情景が
目に浮かぶようです。

この辺りは過去に修学旅行で、
行ったことがあるので、
巌流島、和布刈神社などの、
地名は記憶に残っていて
なつかしい感じがします。

とても読みやすくテンポもよく、
楽しい誘拐ミステリでした。

狂言誘拐としては
東野 圭吾の「ゲームの名は誘拐 」

ヤクザの子供の誘拐としては
荻原 浩の「誘拐ラプソディー」に似た設定でした。

この作品、大野智主演で1月3日ドラマ化されます。

3日までに間に合いました。









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麒麟の翼  (東野圭吾)

2011-12-01 | 本 な、は行(作家)
麒麟の翼 (特別書き下ろし)

日本橋の上にある“翼のある麒麟像”
その前で事件が起こる。

被害者は青柳という名の、
中年のサラリーマン。
瀕死のまま日本橋まで歩きつづけ
麒麟像の下で息絶える。

容疑者は労災隠しによって、
後遺症が残った派遣社員の青年。

彼は香織という一緒に上京した女性を
大切に思うが故の間違いを
起こしてしまう。

青年の上司である青柳が亡くなった後は
労災隠しの責任を亡き青柳に転嫁。
そして周囲の冷ややかなまなざしによって
青柳の家族も壊されていく。

人としての小ささ、弱さが起こす過ち、
そしてその過ちが、過ちを引き起こし
もう今更後戻りできないことになってしまう。


悲劇的な状況にあっても、
かすかに見える光。
愛という優しい明かりを感じる物語。
ラストは涙、涙…です。
親子の絆に泣かされました。

新参者でおなじみの、
魅力的な人物、加賀恭一郎が、
事件解決へと導いていきます。

読みやすい文章がいいです。
ミステリーというよりも
人としての心に重きを感じる
小説でした。

「麒麟の翼 劇場版・新参者」として
映画化されました。
テレビドラマと同じく
加賀恭一郎を阿部寛が演じます。
2012年1月28日公開予定です。



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白銀ジャック (東野圭吾)

2011-11-15 | 本 な、は行(作家)
白銀ジャック (実業之日本社文庫)

“ゲレンデのどこかに爆弾が埋まっている”
スキー場に届いた一通の脅迫状。

人質はスキー客全員。
スキー場の事情で警察に通報できず
要求を受け入れざるを得ない幹部達。

犯人の動機もいまいち不明。

そのような状態でも、
スキー客には一切知らされず
スキー客はいつも通り、
スキーやスノーボードなどを
楽しんでいる。

読みやすく分かりやすい展開。
おおよその真相は、
先にこの本を読んだ人から、
聞いてしまっていました。

でも特定の犯人までは、
到達していなかったので
一体犯人は誰なんだろうと
先を気にしながらも、
結末を読むのをぐっと我慢して、
読み進めて行きました。

現場責任者としての、
索道部主任の倉田の心の葛藤は
表現されていましたが、
割とあっさりとしたラストで
動機もなんだそんなものって感じで
結構拍子抜け。

「白銀ジャック」というタイトルにしては
こじんまりとまとまっていました。

舞台もスキー場に限定され
雪山の恐怖感、
スケールの大きさはなく
ちょっと物足りなさを感じました。

先に内容を聞かされてしまっていたのが
悪かったのかも…




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閃光 (永瀬隼介)

2011-09-17 | 本 な、は行(作家)

昭和43年12月10日。
場所は府中刑務所前。
土砂降りの雨と、雷が放つ閃光の中。
犯罪は犯人達の目的どおりに、
成し遂げられた。

40数年経過した今も未解決に至る、
三億円事件を扱った小説です。

605ページの文庫本。
かなり分厚いですが
引き込まれる作品でした。

“東京小金井の玉川上水の中でひとが倒れている”
この事件を端緒として、
今と過去が交差しながら展開していきます。

滝口が見いだした三億円事件との繋がり。
未解決に終わったしまったのには
警察組織に関するある理由が存在。
警視庁捜査一課滝口は、
自分自身のカタをつけるためにも動き出します。
その相棒となった
巡査部長・片桐慎次郎を巻き込みながら…

三億円事件当時の時代を生きた犯人達の
ゆがんだ青春も目に浮かぶように
描かれています。

いくつもの複雑に絡み合った、
素因をほぐしながら
徐々に謎を解明していきます。

ラスト近くまで犯人は見えません。

先を読みたい衝動に駆られますが
今回は我慢しました。

重厚でそれでいて、
夢中になれる面白い小説。

ハッピーエンドではなく
暗く重い気分が残りますが、
少しだけ明かりが見えるのが救いです。

昨年『ロストクライム -閃光-』というタイトルで
映画が上映されました。
その映画がWOWOWで放映されています。
それを録画しているので見るのが楽しみ。






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神様のカルテ (夏川 草介)

2011-07-03 | 本 な、は行(作家)

主人公は栗原一止という名の、
夏目漱石を敬愛する内科医。
信州の小さな病院で働いています。

この病院は慢性的な医師不足で、
専門以外の診療をすることも常態化、
そして激務ゆえいつも睡眠不足。

そんな日々を送る栗原に、
最先端の医療を学ぶことができる、
母校の大学から誘いの声が…

でも、大学病院などに見放された患者、
その人たちに向き合うことができる今の病院で、
診療を続けることを選ぶ。

第十回小学館文庫小説賞受賞作。
文庫化されました。

世界で一番可愛い奥さん、ハルさん、
黒い化け物と評される友人の医師、
男爵、学士殿といった
古びた木造家屋に住む個性豊かな住人達、
看護師、先輩医師など…

主人公の周囲の人達も優しくて、
愉快で素敵な面々。

末期を迎えた患者、
安曇さんがこの世からの去り際に、
選択した治療法の是非は、
安らぎを得た穏やかな、
安曇さんの横顔が物語ります。

主人公の住む小さな町は
夜になると、たくさんの星の光で、
埋め尽くされたような美しい町。
その美しさに劣らない、
この小説に登場する人たちの、
きれいな心。

漱石に影響を受けたという、
主人公の独特で
古めかしい文章も、
最初は違和感がありましたが
慣れてくると楽しいです。
読みやすい小説でした。

櫻井翔、宮崎葵で映画化です。





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美しい隣人 (花井 良智)

2011-05-25 | 本 な、は行(作家)

仲間由紀恵、檀れいが主演の、
テレビドラマ「美しい隣人」のノベライズ本。

脚本は神山由美子。

沙希と名乗る美しく魅力的な女性が、
絵理子の家の隣に引っ越してきた。
その彼女によって絵理子の家庭は壊れていく。

結構、ハラハラする内容なので、
見るのが疲れてしまい、
ドラマは見たり、見なかったり…

でも、終わりに近づくにつれ、
徐々に真剣に見るようになっていました。

最終回は地震速報が入ったため
途中で切れてしまい
中途半端で終わってしまいました。

その速報のあと、
続けてドラマの放映があったのは
気がつきませんでした。
だから最後どうなったのかは知らずじまい。

しっかり見ていなかったのと
沙希の心の動きをのぞきたいのと
気になるラストを知りたくて本を購入。

本を読めば分かるかなと思いましたが
結局何も分からず終わってしまいました。
やっぱりノベライズ本なので仕方ないのかも。

最終的には絵里子の家族は、
立て直されていて、
本の方は結構静かな終わり方。

謎は残ったまま、
すっきりしません。

意味不明の言葉
「あなたと私は同じなの」

出演者が頭の中に浮かぶので
文章も読みやすく、
電車の暇つぶしには、
丁度いい感じでしたが、
本を読んだメリットは、
あまりなかったかもしれません。










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再生巨流 (楡 周平 )

2011-03-25 | 本 な、は行(作家)

運輸会社が舞台のビジネス小説。
 
 主人公は事業開発部部長、吉野公啓。

 左遷され部下は1人だけ、
そんな中で与えられたノルマは 
年間4億円以上のビジネスを
 立ち上げるということ。
 
 崖っぷちに立たされた主人公が、 
 会社の組織の中にいながら、
 斬新なアイデアを掘り起こしつつ、 
 才覚と情熱をもって、
新しいビジネスプランを推進していく。 

 実際に使用可能なような、
 アイディアや戦略。
 
緊張感のある展開で途中で眠くなることもなく、
読み進めることができました。
面白かったです。

怪我のためプロ野球選手の、
 夢が消えてしまった、
セールスドライバー、蓬莱秀樹、
彼の爽やかさが際だっています。
素敵な青年です。

熱い男、吉野、
純粋な男、蓬莱、
絶望、挫折を乗り越えた、
二人が織りなす再生の物語。
うまくいってよかった!!
爽やかさが残る読後感でした。

3月6日、  
wowowでドラマ化されました。
吉野を渡部篤郎、
蓬莱を中村蒼が演じました。
 
 録画していて、 
 まだ見ていませんが、 
楽しみにしています。



録画していた、
再生巨流のwowowドラマを見ました。

人物の設定は少し違っていました。
でも大まかなあらすじはいっしょ。

仕事に情熱、アイデア、企画
それが会社を作るという
多くの人が喜ぶビジネス。
がんばる男、吉野の強い意志、
熱い精神はドラマでも
生かされていました。

映像、それに臨場感を煽る音楽
視覚と聴覚で再現された、
再生巨流の追体験。
ドラマで見ることができ
よかったです。







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ストロベリーナイト (誉田 哲也 )

2010-10-09 | 本 な、は行(作家)

警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子が、
事件を追っかける。

猟奇事件の捜査上で浮かび上がった、
ある言葉「ストロベリーナイト」
この言葉に関連した事件が、
連続して起こる。

1年ほど前、少し読んで、
内容がグロすぎるので
途中で読むのをあきらめたのですが、
ドラマ化と言うことを目にし
またもう一度、
最初から読み始めました。

なので、むごいシーンを、
2回も読む羽目に…

今回は我慢して読み進めましたが
やっぱりきつかったです。

あんな人間性を喪失した
犯人の頭の中身は、
崩壊しているとしか思えません。

姫川玲子が警察官を、
目指すことになったエピソードも、
かなりのむごさ。

でも、過去の傷を乗り越えて、
事件と対峙する姫川の姿勢はご立派。

登場人物はドラマにでてきそうな、
多彩なキャラの人がいて、
それなりに面白く読めました。

ドラマでは姫川玲子を、
竹内結子が演じます。
ちょっとイメージが違うような…

ドラマのHPは→
こちらです。


 
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夜明けの街で (東野圭吾)

2010-04-23 | 本 な、は行(作家)

時効を待つ女、秋葉、
果たして彼女は真犯人なのか?

15年もの間、沈黙を貫いてきた秋葉。

その秋葉が仕掛けた恋の罠に
捕らえられた渡部。

劇的な変化、予想もしない未来など
少しも望まない妻。

10年、20年この先ずっと、
変わらない平凡さ、退屈さ、
このような変化のない
日々を送るという予測に
恐怖さえ感じ始めた渡部。

現在、過去、不倫をしている人は、
リアルな進行に、
はらはらしながら
読み進めると思います。

ミステリーというものではなく、
単なる不倫小説のようにも思えます。

その辺のどこにでもいそうな主人公、
あたふたしている様子がなんとも滑稽です。

幻想を砕かれた悲しい過去をもつ秋葉、
それにしても理解できない秋葉の行動。

渡部との不倫は、
憎むべき人達を苦しめるため、
そして彼の家庭を壊すのはこわい。
一体、この女は何を考えているのか
何を望んでいるのか分かりません。

秋葉という女性に魅力は感じられません。

15年間真実を伏せなければいけない理由も、
いまいち??です。

警察も15年間解決できないなんて…。

妻・有美子の描写も
ドラマなどでよくあるパターンで、
新鮮さが感じられません。

とにかくイライラする登場人物、
読後はすっきりした気持ちになれません。

でも早く先を知りたくなる
ラストが気になる作品でもありました。




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新参者 (東野 圭吾)

2010-04-15 | 本 な、は行(作家)

新参者

図書館で何ヶ月前に予約したのかも
忘れていましたが、
やっと手元にやってきた本です。

阿部寛主演でドラマ化するんですね。
まっ、とにかくドラマ化前に読むことができ
よかったです。

加賀恭一郎を阿部寛が演じます。
どんな感じでしょうか?

できれば出演者の顔を、
明かしていない状態で
読みたかったです。

今回の東野圭吾の作品(新参者)は、
ミステリーの形をとりながらも
人情味あふれる
優しい物語になっています。

ミステリ作品というよりも、
日本橋を舞台とした、
江戸情緒漂う作品と言う感じ。

主人公は日本橋警察署に
着任したばかりの、
警部補、加賀恭一郎。

東野圭吾作品ではおなじみの刑事です。

江戸の文化の残る街を、
加賀恭一郎が駆け抜けます。
そしてするどい洞察力を駆使して、
事件を解決へと導きます。

この作品は、短編の形をとりながらも
一つ一つの話はつながっています。

容疑をもたれた人物を一編ごとに
消去していくという方法をとっています。
それぞれの短編が、
一応解決をみながらも
全体的に見ると連作長編となっていて
そして最後に全貌が明らかになってきます。

また一つごとの作品の背景には、
温かい人情があって、
ほのぼのとした感動があるのです。

私の今まで読んだ
東野圭吾作品に比べると、
少し異質な雰囲気の、
穏やかな感じのする作品でした。






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