ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

京都でお茶を点てる * お抹茶をいただく * 清水から東山三条へ * 2013春京都

2013-04-25 | 
jesterの茶道人生は高校生の頃始まりました。
表千家でお茶をやっていた母に連れられて、習い始めました。

優雅な完成された動き、静かなお茶室での心落ち着くひと時。

単にお茶を飲む、というだけでなく、人が生きていくうえでのすべてを芸術にしてしまった奥深さ。

素朴なものの中に美しさを見つけ、職人芸の中に至福の芸術を見出し、自分の動きすら無駄なく切り詰めて、緊張の中で点てるお茶の癒し。

すっかり魅了されました・・・・ 

心は・・・・

でも体が!!!!!

お茶人たろうとするjesterを拒否するのでございます!!!


        

酷く足がしびれちゃう体質だったんです・・・・

そのうち慣れる、と言われて頑張りましたが、いつも最後は立てなくなり、ハイハイで退場して隣の部屋で休ませてもらったり、情けないことに。

数回通ううちに大学受験時期になり、おけいこをお休みして、受かったら復活しようと思いつつ、学生生活が忙しくてそれもできず・・・
そのうち実家で母がお弟子さんをとって教えるようになっていたのに、私は就職して家を出てしまい、結局時々覗くぐらいで、その意思も立ち消えになっていました。

それでも「お茶の心」は忘れがたく、いつかちゃんとやりたいと思いつつ、年を重ねてしまいました。


とはいえずっとお抹茶は自分で点てて飲んでいました。

時とともに細かい所作は忘れてしまって、かなりいい加減ですが・・・

海外にいたときに外人の友達が来ると、「私は少しだけ習っただけなのよ」と断りをしてから、お茶を点ててみると

「Oh~~~ Beautifull!」

とまあ、これが好評で、次第に噂になり、それを聞いてお茶を飲みにうちに来たいといって「友達の友達」とかが来るようになり、調子に乗って和菓子風なお菓子も作ってもてなしたりしてました。

特に私の交友関係ではフランス人がすごく「お抹茶」が好きで、友達の友達の友達ぐらいまでがぞろぞろといらっしゃったりして、
「この抹茶パウダーはどこで買えるのか。この国では買えないなら、少し譲ってくれ。」
という人まで出る始末。

ところがあるときあるパーティの席で、日本領事館の奥様から
「jesterさん、外国の方にお茶の御点前をなさってるんですってね」といわれて愕然。

「いえいえ、お抹茶をお出ししてはいますが、心得もなく、お点前なんてものじゃないのです~~」
と冷や汗。

(領事館の方はおもてなしやら日本文化交流が本職ですから、きっちり茶道を極めてる方が多いのだと思います

日本人には絶対ばれないようにこっそりやっていたのに…

・・・というわけでわたくしの「なんちゃってお茶会」は自粛の一途をたどったのでした。

しかしその時より、再度一層強く「またお茶をちゃんとやりたいな~」という野望を持ちつつ帰国しました。


でもね~~やっぱりひどく足がしびれるの・・・以前よりひどく、正座イスとか使っても、しびれちゃうの・・・!!です・・・・


さて、大阪の粉もん食い倒れの夜を経て、次の朝、またいそいそと京都に向かいました。

清水のお茶わん坂を冷やかして、春っぽいお抹茶茶わんが欲しいな~と思いまして。



お茶わん坂は清水寺に行く参道の一つですが、メインの三年坂周辺から一本横の道なので、比較的観光客も少なく、お茶わん屋さんがたくさんあります。



途中で食べた湯葉そば。
味は「観光地仕様」で今一つでした。



このお店、なぜか庭でコンサートをやっていて、着物を着たひとが演奏しているのですが、日本の曲じゃない曲なども多くて、「ちょっと違うかも」という感じでした。



修学旅行客も多くて、清水寺までつくと大混雑。

観光地に来て「観光客が多い!」と嘆いても仕方ないけれど、ちょっと疲れる…

道の端には「タイムサービス お抹茶お点前200円」とか書いたのぼりもあります。

きっとミキサーとかでいれてるんだろうなあ・・・・
美味しいわけないよなあ・・・・

    

・・・・そだ。どこか美味しいお抹茶点ててくれるところに行きたい!

東京でも六義園とかお抹茶を点てて飲ませてくれるお茶屋があるところはありますが、本場京都ならきっとちゃんとしたお茶室でお茶がいただけるところがあるはず!

というわけで、清水さんの参道に人にもまれて佇みつつ速攻しらべたところ、見つけました♪

それですぐに予約して訪れたのが東山三条にある



お抹茶処「木の花」さんです。
古川町商店街の中にあり、降り始めた雨の中でちょっと迷子になりながらたどり着きました。



2畳のお茶室が二部屋。

ここで点てていただいたお茶をいただいたり、全くの初心者でも簡単に教わりながら自分で点ててみたりすることができます。



中はお茶室ですから明かりを暗くしてありますが、ちゃんと床の間もあります。



まずは梅酒のような味の「梅湯」(?)がでて一息つきます。


jesterは教わりながら自分でお茶を点てて飲んでから、改めてお茶を点てていただくというコースを選択。

ただ点て方を教わるだけでなく、どうしてここに棗を置くのか、どうしてこちらからお茶わんを持つのか、簡略式ながらも詳しく教えていただきながら、お茶を点てます。

静かなひと時・・・・と言いたいところですが、商店街の中なので、商店街の放送が聞こえ、なぜか「水戸黄門のテーマ」が・・・・

しかしそんな中でもひたすら茶筅を動かしているうちに、心が静まってまいります。

(お茶を点てたりしている間は写真を撮ることも忘れて集中しておりました)

1時間半ほどの短い時間の中ながら、自分が今までやっていた「なんちゃってお点前」はいったいなんだったのだろうと思うほど、根本的な「お茶の心」から教えていただけます。

しかも教わって同じにやっているつもりのに、自分の点てたお茶と、ご亭主が点てたお茶は味わいが違うのでした。



お茶を点ててくださったご亭主は木村さん。

流派は武者小路千家。(う・・・かっこいい・・・)

お茶についての歴史&薀蓄についても詳しく教えてくださいます。

しかもいただいたお菓子も手作りだそうです。こだわりがすごいなあ~~

練きりの「春風」をいただきましたが、かわいらしい色と形で絶品でした。

すべてに心のこもったしつらえと付っきりでのおもてなし。
しかも茶室を貸切で過ごしたのに、とてもリーズナブルな値段設定です。

多分このお店はそのうちすごく有名になるのでは?

そうなるといいな。

詳しくは、木の花さんのサイトをご覧ください。

(画像は木村さんの御許可を得て撮影掲載しております。無許可で転載はなさらないでください。それと、文責はすべてjesterにございます。)


ぽつぽつと雨の落ちてきた、底冷えのする京都の町を、満ち足りた気持ちで帰路についたわたくしでございました。

美味しいお抹茶をいただきに、またぜひ「木の花」さんに行こうと思ってます。

というか、京都に住んで、武者小路流を習いたいな~~ 
(新たな野望がまた一つ!!)


ちなみに、「正座イス」をお借りしましたが、やっぱり・・・しびれた!!!










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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ステキ~。 (みのん)
2013-04-25 09:45:59
京都・大阪旅行記、楽しませていただいてまっする

お茶は私は習ったことがないのですが、心が無になれそうな、穏やかで素晴らしいものだと思います。
今ならやってみたいな。高校の時はつゆほども考えなかったけど・・・。

私もシビレ体質です。
親戚の法事の時などは、本当に大変。予め、自分のお焼香のちょっと前くらいから足の指をギュッと立てるような半座りみたいな格好をしたりしてひそかに備えないと立てませぬ。

それにしても、お茶の世界も歴史あり!ですね~。


仁和寺も素敵です。
JR東海のCMは私も大好きです。

お茶わん坂、行ってみたいな~。
王道の方しか行った事ないです。子連れだったので、湯呑み作り体験したら、後で送られてきた完成品が見事でビックリしました。子供が作ったのに風流な色味・・・。

やっぱり京都はええなあ
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みのんちゃん♪ (jester)
2013-04-26 11:45:00
みのんちゃん、いらっしゃいませ~~
先日はどうもでした♪

>京都・大阪旅行記、楽しませていただいてまっする


読んでいただいてありがとうございます♪


>お茶は私は習ったことがないのですが、心が無になれそうな、穏やかで素晴らしいものだと思います。
今ならやってみたいな。高校の時はつゆほども考えなかったけど・・・。


母が生きている間に習っておけばよかったと、つくづく後悔しております。
日本人に生まれてよかった~というひと時ですよね♪


>私もシビレ体質です。
親戚の法事の時などは、本当に大変。予め、自分のお焼香のちょっと前くらいから足の指をギュッと立てるような半座りみたいな格好をしたりしてひそかに備えないと立てませぬ。


わたしも、法事の時は大変な思いをします。
最近法事もイスのところが多くて、それは助かってます。


>仁和寺も素敵です。
JR東海のCMは私も大好きです。


なんかあのメロディを聞いただけで旅に行きたくなりますね~♪


>お茶わん坂、行ってみたいな~。
王道の方しか行った事ないです。子連れだったので、湯呑み作り体験したら、後で送られてきた完成品が見事でビックリしました。子供が作ったのに風流な色味・・・。


釉で大分変りますもんね。
焼いてみないとわからないのですわ、あれは。


>やっぱり京都はええなあ

ほんとに!
今度ご一緒したいです♪
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