ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

信濃町の吉宗が・・・

2006-04-28 | a day of my life
用事で信濃町に出かけ、昼近くに時間があいたので、神宮外苑でしばらく日向ぼっこ。

ただ座っているだけで「生きているっていいなあ・・・」なんて思えてしまう素晴らしいお天気でした。
絵画館前の広場では子供たちが犬と戯れ、遠くで野球の掛け声。
都会の騒音の中にも、若葉が光る高い梢で小鳥が鳴き、はらはらと八重桜が散ってきて、美しい・・・・

まじに「死んだらこんな美しい景色も見られないのだなあ・・・」なんて考えてしまい。
(春は鬱でございます・・・・) 
(このところ、かなり忙しすぎて・・・ といっても、ロード・オブ・ザ・リングス13時間イッキミなんてのに参加してるから、後の生活が忙しくなっちゃうんですけどね・・・・)

ゆったりとマイペースで生きなくちゃ・・・なんて思ったりします。


で、お昼を食べに、信濃町駅近くの長崎料理のお店「吉宗」(よっそう、と読みます)に行ってビックリ!

昔ながらの料理屋さんという風情だったのが、名前も「満てん」と変わり、ピッカピカのファミリーレストランみたいなつくりになってました。
奥のお座敷もなくなって、全部椅子席に。

ポピュラーミュージック(?)みたいなのがかかっているし、いつもお茶を出してくれた、なじみの中年の女店員さんはいなくなって、若い男のひとが冷えたお水を出して注文をとってました。
大学の頃から時々いっていて、あの懐かしくなるような佇まいをかなり気に入っていたので、ショックを受けました・・・。

それでも表に「銀座 吉宗」と小さく書いてあったので、資本は変わってないのかもしれませんが、皿うどんについてくるどんぶりに入った茶碗蒸しがちいさくなってて、哀しかったです・・・・

聞いてみたら今年に入って、改装オープンしたとの事。
「カレーちゃんぽん」なんてものもメニューにあって、結構頼んでいる人がいました。

でも名前まで変えなくてもいいのにな。



JUNeK-CINEMAにイライジャの「僕の大事なコレクション」のレビューをアップしました


陰陽師 飛天ノ巻

2006-04-25 | 読書
引き続き夢枕獏さんの陰陽師シリーズを読んでます。
陰陽師―飛天ノ巻
陰陽師―飛天ノ巻


相変わらず晴明と博雅の

「ゆくか」
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。
 

というおなじみの会話も楽しいです。
短編集ですが、哀しい人間の業がかたられます。

漫画とほとんど同じ内容ですが、漫画にはなかった『鬼小町』のラストが哀しかった。
男からの性の対象物として、それだけを頼りに生きていた頃の女は哀れです。
(あの時代だって他の生き方をしていた女はいると思うけれど・・・)

「安心しろ、博雅よ。人は人でよいのだ。博雅は博雅でよい」(P57)なんていう晴明の言葉に救われたりして・・・



23日にロード・オブ・ザ・リングスSEEイッキミに行ってきました。13時間に及ぶその模様はJUNeK-CINEMAにて・・・

ロッタ避難

2006-04-22 | にゃんこ
南に向いた大きな窓があるんですが、1番大きい1枚ガラスが消防法の関係で細いワイヤー入り(このマンションの基本の仕様でした)でうっとうしかったので、ちょっとグレードアップして透明の防火ガラスに替える事にしました。

朝から6人も人が入って工事が始まったので、とりあえずベットルームに避難のロッタ(猫です)。
もちろん、猫トイレとご飯も一緒。
すましてご飯を食べ、トイレもしてましたが、職人さんたちがどやどや入ってきたら、どきどきしている様子です。

jesterがベッドルームのドアを閉めてリビングのほうに行くと、ずっとドアの内側にびし!と座って「にゃ~~~!にゃあ~~~~!!!」(訳;だせ~~~!だせ~~~!」と必死で鳴き続けていたロッタですが、しばらくしたら静かに。

あれ?と思ってドアを開けて覗いてみたら、どこにもいないんですよ・・・・

「ロッタ~~」と呼んだら、少ししてどこからともなく「・・ぅにゃ」 とくぐもった声で返事が。

そしてごそごそと音がして・・・・



ベットの足元にたたんでおいてあった掛け布団の山の下からぎゅむ~~っとちっこい顔が出てきました。


怖くて布団の下に潜っていたんでしょうか?
よかった、上に座らなくて・・・・


今は幸せに寝ております。


しかし、窓ガラス1枚(2050cm×1670cm)替えるのに、40万円・・・・・
1枚が大きいから職人さんの人数がいるし、外に足場がないので、ゴンドラを吊ったりして、手間隙がかかるんですけどね。
全室替えるのはいつの日になることやら・・・・


JUNeK-CINEMAに「RENT」のレビュー、アップしました。

春の数えかた 日高敏隆

2006-04-20 | 読書
花が咲き、虫が目覚める春が来ると読み返したくなる、日高さんのエッセイ。
春の数えかた

出版されてから6年経つから、内容的にはもう古いのかもしれないけれど、その面白さは抜群で、虫や植物の生き残りへのストラテジーには驚愕してしまいます。
これを片手にふらふら公園などを散歩し、虫や花を観察してみるのも楽しい。

カマキリがその年の雪の降雪量を予測して、卵が凍らないように、雪に埋もれない位置に卵を産むらしい、という話を読んでビックリしたのもこの本だったし、窓を開けていて入ってきた虫を、嫌がらずにのんびり眺めるようになったのもこの本のおかげでした。


読むたびにビックリしてしまうのは、読んだ内容を忘れているjesterのボケのせいだけれど、いつも面白いと思うのは「アメリカの13年ゼミ、17年ゼミ」の話。

そういえば、アメリカで17年ごとにセミがいっせいに成虫になって、うるさく鳴いて大混乱する、というニュースを何年か前にやっていたけれど、その理由は「13、17が素数だから」という説があるのだそうです。

13とか17とかいうのはいわゆる素数(1とその数以外では割り切れない)なんだけれど、セミにつく寄生虫が親ゼミにとりつくために、17年とか13年待たないといけない。これが12年周期だと、2年目、3年目、4年目、6年目ごとにどこかで親ゼミが発生し、寄生虫がとりつける。

つまりどうせ親ゼミになるなら、素数の年毎だと、寄生虫が17年待たなくてはいけなくて、死んでしまうから都合がいい。

というのだけれど・・・・・

ほんとなのか? そこまで考えて、幼虫で17年も過ごすのか、セミ。
この説が正しいとしたら、虫ってすごい。自然ってすごい。

そう思わせる話がたくさん載っていて、しかも門外漢のjesterでも楽しく読める分かりやすい文章のエッセイ集です。

The Earthsea Quartet

2006-04-17 | ENGLISH BOOK & STUDY
さて、昨日の話題でゲド戦記が出ましたので、原作のお話。


最初に3部作を読んだのは清水真砂子さんの和訳でした。
岩波のハードカバー。小さい頃からお世話になってる箱に入っているシリーズです。

jesterは結構清水真砂子さんの翻訳が好きです。
振り仮名のついた児童書ですけれど、大人が読んでもむずかゆくない硬質な言葉の使い方がいいと思っております。

で、そのあと、4巻、5巻がでて、全部このシリーズで買い求め、最初の3冊は英語でも読みました。

でも和訳の本は4巻目が行方不明。遠い昔、誰かに貸して帰ってこなくなり・・・(こういう本が多いの・・・ナルニアも欠けてるし・・・) 

なのでペーパーバックで4巻だけ買おうかな、と捜してみたら、こんなのを見つけました。

The Earthsea Quartet (Puffin Books)
  4巻目までが全部入っていて2000円ぐらい。1冊500円換算ですからお得です(買ったのは丸の内のOAZOですけれど、あそこでは1800円ぐらいでした)

こういうのって、やけに活字が小さかったり、紙質が悪かったりしますが、この本は活字は普通。紙の色も白いし、それほど悪くありません。


英語は慣れるまでは読みづらいかもしれないけれど、それほど難しくはありません。
やはり児童書ですから、子供でも読めるように書いてあります。

ハリポタを卒業したらこれにトライするのもいいかもですね。

1冊に4つのお話なんで結構先が長いですけれど、ゲドは一つ一つの話が独立してますから、アニメファンの方はまずアニメになる3巻の部分を読んで、そのあと最初から、っていう手もあると思います。

大人も楽しめるファンタジーの代表作といっていいと思います。

ファンタジーのアニメ化

2006-04-16 | 映画 DVD TV
ゲド戦記がジブリでアニメに! の衝撃の後は、バルサがアニメに!でありました。
こちらの公式サイト
でその動画が見られます。(画像をお借りしてきたかったのですが、どこにも見つけられなくて・・・・すみません、興味のある方は公式サイトでご覧ください)(MARYさんに教えてもらいました

精霊の守り人精霊の守り人
をはじめとする「守り人シリーズ」には思い入れが強くて、再読したことは前に書きましたが(この記事などなど) 愛着がある原作の映画化ってとっても怖いです。

昔、「赤毛のアン」とかミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の映画でこけまくって、「自分の頭のなかにイメージが出来上がってしまったファンタジーを、他の人が映像化することの恐ろしさ」が身にしみているので、「指輪物語」のときも、すごくびくびくして、期待しないで見たのです。

でも、ピーター・ジャクソン監督の「指輪物語」は私のイメージ以上のもので、どっぷり首まで浸かることになってしまいました。

今やっているナルニアも、BBCのテレビシリーズを見てこけて、全然期待しないで見て、大感動しちゃったって話は前にも書きましたよね。

なので、バルサも不安と期待でいっぱいです。
というか・・・不安のほうが大きいかも・・・・
これがバルサ・・・・・目つき悪いし・・・やせてるし・・・若いし・・・
(バルサは中年でがっちりした体で、でも目つきに優しいところがある←jesterのイメージ)


ゲド戦記のトレーラーも見られるようになりましたね!(えりこさん、情報ありがとう
ジブリのサイトでみられます)

これは、監督が宮崎吾郎さんになっても、「どっぷりジブリ~~!!」という感じです。
最近ジブリは食傷気味のjesterには不安材料なんですけれども。

ゲドは3巻の「さいはての島へ」が話の中心になるらしいですが、原作のもつ硬質なファンタジーの味を損なわず、うまくアニメ化できるのか、こちらも不安と期待で待つことになりそうです。

(この記事、JUNeK-CINEMAから転載しました)

コールド・ストーン・クリマリーのアイス

2006-04-14 | グルメ
六本木ヒルズのバージンシネマ(今度ついにここもTOHOCINEMASに名前が変わっちゃうのね~~寂しい・・・・)に映画を見に行くと、途中にいつもすごい人が並んでいて、なんだろうと思っていたのが、このお店、Cold stone Creameryでした。

今日、夜「クラッシュ」(この映画、jesterは3回目です。レビューはJUNeK-CINEMAにアップしてあります♪)を家族Bと見に行って、帰り、さすがに夜遅くはそれほど並んでなかったので、食べてみました。(娘と六本木で夜遊び♪)

アイスに果物なんかを混ぜてくれるのは、昔(あれ?今もあるのかな?)表参道の246号線ぞいにあった「ホブソンズ」と同じだけど、ここの面白いところは冷たく冷やした石の上でそれを刻んで混ぜてくれるところです。
だからColdStoneなんですね。


家族Bが頼んだのは「アット ザ ココア バナナ カバナ」(バナナアイスクリーム、バナナ、スポンジケーキ、ホイップクリーム、チョコファッジ)私は「ストロベリー バナナ ランデブー」(チョコレートアイス、バナナ、ストロベリー、ホワイトチョコチップ、グラハムパイクラスト・・・・アイスは普通ストロベリーですが、チョコアイスに替えてもらいました)

これをワッフルのカップとかコーンに入れてもらいます。
1つ500円~ぐらいです。

肌寒い夜だったけれど、バナナなんかが冷たくないので、冷えすぎないで、おいしく食べられました。
今度はなに食べようかなって考えちゃう、楽しいアイスデザートです。

The Shape of Snakes

2006-04-12 | ENGLISH BOOK & STUDY
Minette Walters のThe Shape of Snakesをようやく読み終わりました~

この本、出たばかりのときに「やった! Minette Walters の新作!!」と飛びついて買って、・・・・ずっと積読。(え・・・6年も経ってる・・・・)

美味しいものを「後で楽しもう」と隠しておいたらカビが生えてた~
とならないうちに読まなくちゃと思いつつ、やっと最近読み始めました。

でも間に何冊か別の本を読みながらだったので2ヶ月近くかかってしまいました。
時間がかかる読書って、読み終わったときになんともいえない達成感があります。


The Shape of SnakesThe Shape of Snakesこの表紙の画像、アマゾンから借りてきたのですが、ペーパーバックのUKかUS版みたいです。

で、jesterがこの本を買ったのは、オーストラリアのパースでした。
で、出版社はAllen Unwinというオーストラリアの出版社。
普通のペーパーバックより大きいサイズです。

何でこんなとことをくどくど書くか、というと、英語版は写真が載っているんですよ。それが一番上の写真デス。


これが著者近影とかじゃなくて、小説の中に出てくる人たちの写真なんです。
それも、登場人物が撮った、という設定で。

登場人物の写真がのってる小説って、かなりビックリしました。

それだけじゃなくて、いろんな人から送られた手紙、新聞の切り抜きなんかが、本物を貼り付けたみたいな感じになっているのです。
いい加減な性格の友達が送ってきた新聞の切り抜きは、周りがぎざぎざで斜めにかしいでいたり。

手書きの手紙は、人物ごとに違う手書きに見える筆記体のフォントで印刷されていて、紙の色も違うし、それも、時代の流れとともにEメールに変わったりして、読者はヴィジュアルにも、主人公と一緒に証拠を集めている気分にさせられるのですよ。

筆記体のフォントも、その人の性格に合わせて、ひどく乱れていたり、すごく乱暴だという触れ込みの人の手紙が、几帳面な細い文字で書かれてしたりして、それもひとつの「仕掛け」になっています。


賛否両論ある方法だと思うのですが、ただの主婦が、若い頃に遭遇した謎を自力で少しずつ解いていくというこの作品にはぴったり。

写真も、主人公が当時を知る人とあって、彼女が撮った写真を見せてもらうシーンで出てきます。
誰か俳優さんかモデルさんを使ったのでしょうか。
(実はこの写真の中にも謎のヒントが・・・・)

自分が発見した黒人の隣人の死亡を、人種差別の激しい警官が調査し、事故だと片付けられ、自分自身も傷ついた女性が、事件後夫の転勤でイギリス国外にでる。
でもその間もずっと細々と手紙などで調査を続ける・・・・・・

本当の犯人はだれなのか。
そしてなぜ、主人公M.Ranelaghはここまで執拗にこの事件を追うのか・・・・


決して派手なつくりではないけれど、緻密な構成でぐいぐい引き込まれます。
イギリスに帰国したM.Ranelaghは、同じ住宅街に住んでいたモラルの低い「Poor White」たちの人種差別と戦いながら、地道に昔の事件を掘り起こし、Mad Annieの死の真実に迫ります。

それを通じて、夫婦、親子、友人、そして人種差別のある社会、暴力、動物虐待、などについて、テーマが広がっていく展開はさすが!

毎日少しずつ読みながら、新しい事実をM.Ranelaghが見つけると、自分も見つけた気持ちになって、推理しながら楽しみました。


jesterの持ってる本の表紙はこんな感じ。
(わはは、値札シールがついたままだ~~)


で、ショックだったのは、昨日、本屋さんで和訳が出ていたので、フォントとか写真とかどうなっているのかなと思ってぱらぱらしてみたら、フォントは全文普通の印刷用の文字だったし、写真もなかったこと。
すっごくビックリしました。
これって文庫本だから?

作者が意図して、こういう凝ったつくりの本にしたのに、どうして和訳はこんな風になってしまっているのかしら?

写真は版権とか関係しているのかもしれませんが、せめてフォントだけでも替えられなかったのでしょうか? 日本語にも、書き文字のフォントってありますよね。
残念です。
蛇の形蛇の形 もちろん、他のミネット・ウォルターズの本と同じで、和訳で読んでも、独特の緊迫感は薄れないのではないかと思いますが・・・・

この本、調べたら日本でも「海外ミステリー」として何年か前に「文春ミステリーベストテン」とか「このミステリーがすごい」なんかのベストテンに入っているのですよね。




ミネット・ウォルターズは女彫刻家女彫刻家とか鉄の枷鉄の枷なんかが翻訳ミステリーとしてベストセラーになってますから、日本でもファンの方も多いと思います。
ぜひ英語版のほうも挑戦してみてください。

大人向きの小説としては単語は平易で文章は難しくないです。
ハリポタより、少し難しいかな?
主人公と一緒に、長い捜索の旅がリアルにできますよん♪

シアターコクーン歌舞伎 四谷怪談

2006-04-11 | 歌舞伎・観劇・舞台など
勘三郎の「東海道四谷怪談」を見てまいりました。

1994年に第一回コクーン歌舞伎で上演された「南番」ではなく、「三角屋敷・小仏小平内」が入ってる「北番」のほうデス。

去年、歌舞伎座で野田秀樹さんが演出した「野田版・研辰の討たれ」を見たのですが、(その様子はこちら)これも新しい、串田和美さんの演出・美術です。
立ち見も出るほどの盛況ぶりでした。

勘三郎さんは「お岩になるのにこの体では」と7キロの減量をなさったとか。
かなり引き締まった体でありました。
相変わらず橋之助、七之助と、中村屋さん一家(義弟も含む)はしっくりと固まって相変わらずいい感じ。(勘太郎は今回別の劇に出てます。)
橋之助は相変わらずいい男だし、七之助は柳腰のお袖がぴったり。(でもちょっと痩せすぎか? 頬の骨が目立ちました)

劇場に入って、一階の座布団席(爆)(正式には平場席)上空にはでっかいちょうちんが。
このちょうちん、幕が上がると一回天井に収納されますが、最後のほうで又降りてきます。

この座布団席(だから平場席だってば!)、一人の占める場所はきちきち座布団1枚で、上から見てて、きつそう・・・と思ってましたが、終わった後そこに座っていた人たちは「もうだめ~~! 足が死ぬ~~」と泣いてました。

でもあんな長い間、お着物できっちり正座してみていた方もいらして、尊敬デス。
役者さんが縦横に走り回る座布団席、熱烈なファンならではの楽しみ方ですね。

お芝居は中村親子の熱演もよかったけど、扇雀さんがよかったなあ。
花がある役者さんデス。
ただし、佐藤与茂七役と小仏小平の二役が似ているので、「あれ?死んだはずなのに?」とか混乱しました。


歌舞伎って、見に行く人は芝居の筋をよく知っていて、役者さんがいろんな役をやるのを楽しむ、っていうのがごひいきさんたちの楽しみ方なんでしょうけれど、そんなにしょっちゅう行くわけでもないjesterは、四谷怪談は見たことがあるけれど、橋之助の民谷伊右衛門と小汐田又之丞も混乱してしまったことを白状します。(衣装が似てると見分けがつかない・・・・)


その点、勘三郎はお岩と直助権兵衛ですから、きっちり見分けがつきます(あたりまえ!)

しかし大忙しです!早替わりなんてもんじゃないの。

お岩と直助二人が舞台に立つシーンでは、ダブルの人が顔を見せずにお岩を演じ、直助役で舞台にいる勘三郎が「腹話術のようにお岩の台詞だけ口元を隠して言う」んですよ。
お岩さんの父親が死んだ悲しいシーンなのにこの仕掛けに気づいた観客は、爆笑やら拍手やらで大うけでした。

お岩は、毒とは知らず、お薬を大事に大事に一粒も逃さず丁寧に飲んで、お祈りするところがいじらしければいじらしいほど、狂って「ご挨拶に~いかなくちゃ~~」と鉄漿をして髪を梳かすところが総毛立つほど怖くて、でも悲しいほど美しくて、さすが勘三郎です!

ものすごく怖かったので、柱の小刀で首を切るところで「ひいいい!」と叫んでしまいました。(横の方、すみません・・・・)

ロック風の音楽、横に2階建ての団地(?)のようなものがある舞台装置、そして終盤のワイヤーアクション(?)と新しいもの、たくさん見せていただきました。
川のシーンは流れが青い衣装を着た人間の群れでできていて、かなり不気味でした。(観客席からはかなり笑いも・・・)


しかし、つくづくお岩さんはかわいそう・・・・
民谷伊右衛門、ひどすぎです!
あれじゃ化けて出るはずだよ・・・・・

ダ・ヴィンチ・コードは盗作?

2006-04-08 | 読書
BBCニュースで「Da Vinci Code が盗作疑惑で裁判に」といっていたのを聞いたので、早速検索をかけてみました。

結論から言うと、この訴訟、先ほどロンドンで棄却されたらしいデス。
詳しくはこちら

Michael Baigent and Richard Leighという人が書いた、The Holy Blood And The Holy Grailという本の中に、キリストとMary Magdaleneが結婚して子供がいたという説が書いてあり、これを話の中心として盗用してDa Vinci Code で使った、というのが訴えの内容。


映画の公開前の話題づくりっぽい感じもありありですけれど・・・・


あ~~それにつけても「ダ・ヴィンチ・コード」の前売り券、どこに行っちゃったんだろう・・・
確かに買ったのに!
おまけでついていた、モナリザの絵を投影できるライト付のボールペンは目の前のペン立てにささっているのに、前売り券がない!
(おまけにいうと、一緒に買った「ウォレスとグロミット」の前売りもないの・・・ もうこっちは公開が終わっちゃうよ~~)


陰陽師

2006-04-07 | 読書



jesterの陰陽師道(?)は岡野玲子さんの漫画がその導入口で、この作品の晴明と博雅の掛け合いが楽しくて興味を持ったのですが、それが嵩じて映画のDVD( この記事はこちらにあります)を見たりもし、京都旅行の折には晴明神社詣でまでしたのです。






でもこのブーム(って、今はもうとっくに通り過ぎてますが)の元を作った、夢枕獏さんの陰陽師(おんみょうじ)陰陽師(おんみょうじ)はいまだ読んだことがなかったので、これを期にポチポチ読み始めました。

現代のように、一晩中明かりのついている眠らない都市ではなく、世も更ければ真の闇に包まれ、月でもなければ鼻を包まれても分からないような、平安の都の濃密な暗がりの中なればこそ、魑魅魍魎が闊歩しているのが不思議ともいえないのでしょう。
ささやかな月の光の中で、鬼やらもののけの存在が日常茶飯事であった頃。


現実的で無骨な音楽家、博雅と、謎めいた優雅な陰陽師、晴明の会話で話が進むのは漫画と同じですが、その独特の世界を読んでいると、軽くトリップしちゃいます。


読む前は、漫画ですらあんなに難しいのに、小説・・と思っていましたが、あにはからんや、小説のほうが分かりやすいかも・・・・

漫画のほうは岡野さんがこの世界に酔いしれているだけ、無駄な部分が切り捨ててあり、それを情緒豊かに観念的な絵で伝えようとしているのですが、モノトーンの世界では伝わりにくいものや見落としてしまうものもあります。

主要メンバーの顔かたちはそれは美しく、描き手の愛を感じますが、それ以外のキャラクターの(特に女性)書き分けがいまいちなこともあって、時々「どういう意味?」「これは誰だろう?」と悩みながら読む感じです。

ま、そこがいいのだけれど。

小説は、万人に分かりやすく書かれているので、「読めば分かる」。
なにしろすべて言葉で説明してあって「○○はこういった」って書いてあるので「この顔はどこかで見た・・・だれだっけ?」なんて悩まなくて済むのです。(爆)

もともと夢枕獏の小説は会話が多く、改行も多く、したがって1ページを文字が占める割合がものすごく少ないです。だから活字慣れしてない人でも読みやすい。その上、描写は現代的かつ絵画的ですから、小説のほうが漫画より平易ともいえるかも。

ま、こういっちゃ元も子もないですね。

分かりやすいってことは、想像の余地があまりない、ってことだから、それなりの読解力がある人には物足りない、味わいがない、とも言えるのかもしれませんが、平易なのが夢枕獏の持ち味かな、と思うし、この小説は題材が平安時代と目新しいので、大人でも充分楽しめます。

この巻には、「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」「梔子の女」「黒川主」「蟇」「鬼のみちゆき」「白比丘尼」と、漫画でもおなじみの題材が含まれていて、漫画既読の方も、漫画との違いを楽しみながら読めると思います。


恐怖と地獄の席

2006-04-05 | 映画 DVD TV
最近はとっても気をつけているので、かなりなくなりましたが、それでも時々座ってしまうのが、映画館の「地獄の席」。

大人が多くてマナーのいいお客さんが来る映画館で、空いてる日の、空いてる時間帯を狙う。
しかも音と椅子は最高にいい映画館じゃなくちゃいや! ということで、話題の映画はほとぼりが冷めた頃に行きます。



「クラッシュ」を最初に見たとき、アカデミー賞直後で混んでいて、jesterの席の周りの人がめちゃくちゃうるさい人々で、全然集中できず、2回目に見たときと感動が全然違う、という話をJUNeK-CINEMAに書いたのですが、こないだ「ブロークバックマウンテン」を見たときはもっと怖かった・・・・・

その日、結構混んでたんですよ。
で、ぎりぎりに行ったjesterは劇場の右端から2番目の席でした。

一番端っこはさすがに誰も来ないかな、と思っていたら、予告編が始まってから、一人の女性が入ってきました。
普通の女の人。

で、映画が始まりました。

その女の人、なんかやけに落ち着きなくて、始まってからもずっと、足元に置いた鞄をごそごそしています。
それから口から妙な音が・・・・
ちゅ・・ちゅ・・・ち・・

うるさいなあ、遅れてきて、ガムをかんでるのかしら?それともキャンデー?しかも鞄をごそごそさせて、最悪~ と思ってました。

それで、右端の席だから、画面を見るのに顔を左に向けますよね。


で・・・なんか・・・右の方から視線を感じるんですよ・・・・

もちろんその人も画面を見ているのだろうと思いつつ・・・・
またごそごそ音を立てているので、横目でチラッと見たら・・・・

なぜかjesterの顔を見て、笑っている???


え・・・・お知り合いの方でしたっけ?


いえいえ、全然知らない人です・・・・・


でも確かに、画面じゃなくて、jesterの顔を見てるんです・・・・・

しかもずっと笑い顔で・・・・・・


か~~な~~り~~びびりました!!

薄暗い中でよく確認できないのですが、時々鞄をごそごそさせ、時々jesterの顔を見ては笑ってる・・・・・

いやいや、映画に集中しよう!と顔を思いっきり左に向けて、体も反転させちゃって、完全にガード。
でもごそごそという音、口から出る音、そして、思いっきりこっちをみてる視線・・・・きゃ~~ん!
なんなんだよお~~~

途中で、あまりにも気味が悪いので、き!とにらんでみました。そうすると、彼女は視線をスルッと画面に。

でも口元が笑ってるの! 悲しい場面なのに!!

そして、ひっきりなしに口から妙な音。
ねずみの鳴き声みたいな・・・

ちゅ・・ちち・・・ちゅ・・・ち・・

「もしかして、誰か俳優さんのすごいファンで、毎日通っていて、映画はもう見なくても分かってるから、その俳優さんが出るシーンしか見ないのかな?」
「それで、他の観客の反応がみたくて、私の顔見てるのかな?」
と、好意的に取ろうとしてみましたが、でも、この音はなんなの~~~~


いい映画なのに、しかも劇場がすすり泣いてるのに、どうしても怖すぎて、終盤になって思わず立ち上がり、席を移動しました!!

でも混んでいて席がないの! ないの!!

で、仕方なく、1番前の端っこの席に移動。
画面全体が見えないよ・・・・
もう映画どころじゃありませんわ・・・・



終わった後、もしかして病気で麻痺があるとか障害があるとか、そういう人だったのかしら?と思い、それだったら申し訳ないな、と思って、立ち上がった彼女のほうを見ました。

普通の人です。普通のめがねをかけた女の人・・・・


でも・・・・目が合ったら、またにま~~~と笑う!!!

jester、全速力で映画館から走り出て逃げました!!


あれはなんだったのでしょう・・・・・
まじに怖かったです・・・・・・

桜満開・・・・

2006-04-01 | a day of my life
うちの前の桜並木です。
それはそれはミゴトなピンク色のトンネル・・・・

駅へ行く間の何分か、うっとりと見上げながら歩きます。

今日は中野通りを車で走りましたが、こちらも素晴らしい桜並木でした。
暖かくて、風もなく、絶好のお花見日和。


桜はいいなあ。毎年花が咲いて。

年齢を経た古木の幹はごつごつと節くれだっているけれど、それでも春になると、こんなに美しく生まれ変わって花を咲かせることができて。

人間も春のたびに花が咲けたらいいのに。

もう花の時期は終わったかな、と自覚している己が寂しいような気がする、春です。