ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

空気遠近法のお勉強

2018-11-19 | スケッチ・美術展
先週は東京大学のキャンバスでスケッチする予定でしたが、あいにくの天候で中止に。

そのかわり、アトリエで空気遠近法のお勉強。


空気遠近法というと、なんだろうと思われるかと思いますが、

「距離があるとその間に空気が詰まっているから、奥行きを出すためにその空気を表現して描いてみよう」

とまあ、そんな感じのことです。



遠くに見える塔、その近くにある木、中景にある池の中の島、手前にある木の枝、そして向こうから続いてくる水面。

その間に空気の層があるのを描いていく、というお勉強でした。



普段は写真を見て絵を描くことはありません。

人物でも静物でも風景でも、かならず現物を目の前に、現場で描いています。


写真を見て描かれた絵はすぐにわかります。

写真を見てトレースして色を塗ってそれを発表している人すらもいます。


絵を描く楽しみは人それぞれなので、人がどんなことをしようと構わないのですが、私は写真を見ては描けません。
つまらなくて、途中で飽きてしまうの。

そして写真を見て描いたのだなと思われる作品にも(生意気ですが)魅力を感じません。


そういう意味ではこの絵は、アトリエのおっしょはんが中国で撮ってきた杭州の写真をイーゼルに貼り付けてそれを見ながら描いたので、はっきり言って途中で飽きました・・・


でも空気遠近法については、すこ〜〜しわかった気がするので、これを使って早くお外にスケッチに行きたいな〜と思っております。















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「夢中展」はじまります♪ 永山裕子先生のアトリエのグループ展&南イタリア帰国展

2016-09-06 | スケッチ・美術展
帰国しました・・・・


永山裕子先生主宰 大塚アトリエの人たちのグループ展「夢中展」に参加させていただくためです。。。。


昨日、めちゃくちゃ時差ぼけで「眠い」&温度+湿度ショック「暑い、蒸す」のなか、銀座の紙パルプ会館のセントラルミュージアム銀座にて、搬入作業をしてきました。

暑さのあまり、そして体の中の時計は真夜中という絶不調のために、帰りは・・・ふらふらで倒れるかと思いました。

東京の最高気温は34度でしたが、銀座のビル熱と照り返しのなかで体感温度は40度超えてました・・・・


日本、暑い・・・・・・・

ロンドンでは地下鉄の中で

「今日は暑いので、乗車の際はペットボトルをお持ちになり適宜水分補給してください」

とか最高気温23度でアナウンスがあり、

「おら、日本人舐めんなよ・・・・」とつぶやいていたわたくしですが・・・・

(まあ、ロンドンの地下鉄の外を走ってから地下にはいるディスリクトラインとかピカデリーラインは車両が古いと冷房がないので、お天気のいい日はサウナ状態になるのですけどね・・・・・)


帰国して空港に迎えに来てくれた家族Aに言わせると、

「台風が去った後涼しくなったのに、お前が帰ってきたのでまた暑くなった」

・・・・そうですが・・・・


夢中展、本日は夕方からオープニングパーティで、誰かが踊ったり(誰かは聞かないでください)いろいろ余興があるようです。

またお食事&お酒のサービスも。

「第六回 夢中展 セントラルミュージアム銀座 9月6日~11日 」
午前11:00~午後6時(最終日は5時まで)





そして、夢中展の後は「南イタリアを描く 帰国展」が京橋の「ギャラリー びーた」で開催されます。

これにも4点ほど出ささせていただく予定です。

「南イタリアを描く 帰国展 ギャラリー びーた 9月14日~20日(18日休館)」
午前11:00~午後6時(最終日は5時まで)



もしお近くにいらっしゃることがあったらぜひお寄りくださいませ。








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永山裕子 水彩と素描展 2015  始まっております

2015-09-04 | スケッチ・美術展
帰国しておりまする。

日本は涼しくなったと聞きましたが、やっぱり湿気がすごいし、暑い。。。。

帰国したのは「永山裕子 水彩と素描展 2015」に合わせて。



今回も広い会場いっぱいに力作が並びます。



場所が前回と異なり、セントラルミュージアム銀座 になりました。
(紙パルプ会館の5階。去年の夢中展と同じ場所です)

永山裕子の透明水彩 Watercolor Masterpieces : Works of Yuko Nagayama
永山裕子の透明水彩 Watercolor Masterpieces : Works of Yuko Nagayama


会場では近日発売の作品集がいち早く買えるほか、来年のカレンダーなども売っています。
作品のデモンストレーション(実際に絵を描く様子が見られます)もあります。

9月1日から12日まで開催中。

セントラルミュージアム銀座
(中央区銀座3-9-11) 
平日11:00~18:30 土日 11:00~18:00

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夢中展 永山裕子さん主宰 大塚アトリエ グループ展♪

2014-09-08 | スケッチ・美術展
いままでも何回かこのブログで書いている、水彩画家の永山裕子さんが主宰する『大塚アトリエ』で絵を描いている人たちのグループ展が明日からあります。




え~~ 実はjesterも、何枚か絵を出させていただいておりまする。

お近くにいらっしゃることがありましたら、ぜひのぞいてくださいませ


第五回 夢中展
2014年9月9日(火)~14日(日)
午前11:00~午後6:00(最終日午後5:00まで)

場所:セントラルミュージアム銀座

東京都中央区銀座3-9-11 紙パルプ会館5階





これから搬入です






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バルテュス展、東京では明日が最終日です。

2014-06-21 | スケッチ・美術展
始まった時はずいぶん長い期間やってるな~と思ったバルテュス展も、東京では明日が最終日です。

先週3回目を見てきました。
さすがに最終日が近付いたら、結構混んでいて、ちょっと疲れました。

混んでいる絵画展に行くと、「絵を見る」ルールというか、マナーがわかってない人が時々いて、疲れてしまいます。

(たとえば、ずっと関係ない話をしながら、ほとんど絵は見ないで絵の前を歩いているだけの人たち。
ぐいぐいと人を押しのけて、人の前に横入りしてくる人たち。
せっかく心を潤すために芸術を見に来ているのにねえ・・・・



でも今回は見たい絵はわかっているので、自分の見たい絵だけをじっくり見て、あとはさっさと切り上げました。

バルテュスについてはいろいろ言ったのですが、(こちらの記事など)何回か見ているうちにまた印象が変わりました。

最初は「少女のエロティックな肖像」というテーマに縛られて見ていたのが、だんだんに絵そのものをじっくり見られるようになった感じです。





特にこの絵などは、人体のデッサンの確かさ、猫の描き方の自然さ、明暗のつけ方と、感情の盛り込み方、画面構成など、感動しました。

少女の薄い皮膚の下に、しっかりとした骨格があるのがわかり、画家のデッサン力を感じます。

(この路線でずっと描いてくれたら、もっとバルテュスが好きになったかも)

三角形が繰り返し使われ、色も視線を主題に引き付けるように配置され、計算されつくした構成力を感じます。

こういう力があってこそ、ディフォルメされてテーマを追求した作品が描けるのですね。






この絵も、ガラス器の描き方なんか、さらっと軽く、しかし的確に描かれていて、すごいな~と思います。


テーマ的には相いれない部分があるのは否めないのですが、絵画的に見てみると、やはりすごい。


以前はちょっと辛口なことを書いてましたが、少ししてみると、やっぱり感動したりして、芸術ってほんとに奥行きがあっておもしろいですね。





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バルテュスの絵はどうなのか・論争

2014-05-25 | スケッチ・美術展
前回、「バルテュスの絵についてはまた書きますね」

とか気軽に書いてしまいましたが、はたしてわたくしなんざがどう思おうとだれが興味があるのか、いや、ない、ときっぱり言い切れる感じですね・・・。

でも考えをまとめるために、ちょっと書いてみます。

(展覧会を見に行って、まず「何を買ったか」とか「奥さんの書いた本」とか・・・逃げていたのは、バルテュスについて自分の中でまとまってなかったからでもあります・・・)


彼の作品については賛否両論あります。

シャトー・ムートン・ロートシルト(Ch.Mouton Roth Schild) というワインがあるのですが、これはかの大富豪ロス・チャイルド家のワインセラーが作っていて、毎年有名な画家がラベルを彩ります。

この1993年のラベルがバルテュスの描いたニンフのデッサンでした。



しかしこのデッサンに問題ありと、アメリカのATFが使用拒否し、アメリカだけ上のバルテュスのデッサン部分を白紙にしたラベルで売りました。

(そのために、コレクターはこの両方を手に入れようと必死だったらしいです)

両方のボトルを見る機会がありましたが、上半分が白紙になっているボトルはなんとも間が抜けていました。


(しかし『ATFが使用拒否』に反応してしまった。

ATFって例の Alcohol Tabacco and Firearms and Explosive Bureau とかいう、何やってるかわからないアメリカの機関でしょ?

 ジャック・バウワーが勤めてたそれはCTU!)

調べてみると、「アルコール関連の問題から社会を守る」という仕事もあるらしい。

でもな~、ワインのラベルに物言いをつけるとは・・・

なにかバックに暗い中でうごめく力を感じてしまう!)




さて、とある日、私の尊敬する絵のおっしょさん、Aさんが

「彼の絵の油絵具の量はちょうどピッタリの量だ。
厚すぎもせず、薄すぎもせず、ちょうど必要な量が使われている。
それはすごいこと。
天才だと思う。」


といいました。

素直な私は、「へえ~~、そうなんだ~~」と感心し、では見に行こうと心に決めますが・・・


またとある日、某所で絵を描く仲間と話していた時の会話

Bさん:「まあ、バルテュスって、ただのエロ爺だよね」

jester:「え!!!」

Cさん:「ほんと、単なるエロ親父だよ」

jester:「・・・で、でも、ピカソが「今世紀最後の巨匠」って!!」

Cさん:「だってピカソだって大したことないじゃん。何世紀かしたらピカソなんて忘れられてるぜ」

(註:AさんとBさんは芸大の油絵科卒。Cさんは某美大の油絵科卒です)


とまあ、東方の片隅の小島の中ですらかくいうほどに、バルテュスの評価は今でも分かれております。

(その後会話は、山口晃→松井冬子→会田誠→人間の認識→ヒックス粒子→絶対零度→光速・・・・とどんどん逸れていったのでした。)


昨日の日曜美術館でも

「賞賛と、それと同等の誤解に満ちた20世紀最後の巨匠」などと紹介され、

「少女に対するフェティシズムをしたキワモノ」だの、いや「移ろいゆく美の一瞬の輝きをとらえている」だの侃侃諤諤言われてました。

途中、美術評論家のジャン・クレール氏は

「彼は一般的に有名になるには洗練され過ぎ、繊細過ぎたのです」と話してました。

彼が『ロリータ・コンプレックス』であるといわれたのは、ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』の初版本の表紙に彼の絵が使われたからで、それゆえに誤解されてしまった、「濡れ衣」だった、とか井浦新さんとアナウンサーがあうあうと説明なさってました。

46歳で義理の姪、フレデリック15歳と暮らし始める。

(フレデリックはお兄さんの結婚相手のつれ子であり、血のつながりはない。
血のつながりはないのだが、なんとなく行き場のない少女だったイメージ。)


そうそう、ここでも

アナウンサー「31歳の年の差」

井浦「・・・31歳!・・・あふう~~~ん・・・」

(←・・・「うらやましいですなあ」、って井浦氏の心の中のコメントが聞こえたような気がする・・・・(殴)

アナウンサー:「このフレデリックはバルテュスのお兄さんの結婚相手のつれ子ということで血のつながりはなかったのですが、義理の姪にあたるんですよね。この辺りがバルテュスをモラリストたちが攻撃する格好の材料になっていたと思われます」

井浦:「それは間違いなく攻撃されますよね!そこは!」(鼻息荒く)

・・・などという会話があってちょっと笑えました。


では、わたくしはバルテュスをどう思うのか。

1953年から1961年にかけてのシャシーのアトリエで描かれたガゼインとテンペラを塗り重ねてフレスコ画のように描かれている風景画



やフレデリックの絵



などはかなり好きです。

デッサンにも好きなのが何枚かあります。



また、猫好きな観点から見ると、愛猫家だったバルテュスのテーマとしての猫の絵が目を引きます。



かわいいだけじゃなくて、猫の残酷さ、怖さ、口の臭さ(?)も描いている。



近所の海鮮料理のレストランに頼まれて描いた看板も、ユニークです。



しかし、それ以外の初期のもの



例えばパリのピエール画廊での初個展で出した「ギターのレッスン」と名付けられたこの絵は、カーテンがかかっていて、見せる客が来たときだけカーテンを開けて見せたという。

これほどではないとしても、少女が足を立てて、スカートの中をのぞかせている、という構成の絵は何回も描かれています。

それをもじった写真もたくさん出ています。



写真にすると、この構成の意図がはっきりわかります。(ネットにはバルテュスで検索すると、こういう写真がたくさん出てきます)


幼い頃、夕方歩いていて、こわいおじさんに追いかけられた。笑ってどこまでも追いかけてくる大人の男の恐怖。

小学校の帰り道、困ったふりをして少女を呼びつけ、局所を見せつける変態。


このような恐怖に、日常的に少女たちは曝されています。

自分が性の対象として見られているなどとは知らない無防備な幼きか弱き者が、暴力にさらされることも良くあります。

そういう犯罪への強い嫌悪感があるため、

『少女の中に潜む無邪気で無防備な美、大人の女性に変化する前の一瞬の美』

を生涯のテーマにした、といわれても私には引っかかるものがあります。



芸術には隠された毒を晒して、昇華させる作用もあるとは思います。

なので、ただ単に、バルテュスの中にあるものが、私のそれとは呼応しないということかもしれません。

(未成熟な女性を性の対象にするといったら、ミニスカートをはいた10代の女の子にいい年をした男が群がる現象も日本ではよく見られます。
それだって、その人が良かったらそれでいいことで、私がどうこういうことじゃなと思います。

ただ、私はそういうことに共感しないというだけ。)



また、シャシー以後(節子さんと出会ってから)の



節子さんをモデルにしたものの浮世絵風連作も、また、違和感を持ってしまいます。


エロティックな絵でも、エゴン・シーレやクリムトの描いているものには共感を持てるのに、バルテュスのものはどうしても作品を味わうまで行き着きません。

エゴン・シーレで感じる、ドライで突き放したような視線ではなく、絡み付いてくるような少女の無抵抗さへの欲求の押し付けを感じてしまう。


節子さんと結婚してローマから移ってスイスに住んだあとは、90歳を過ぎても描き続けていますが、近所の少女アンナ・ワーリーをアトリエにいれて、いろいろなポーズを付けさせ絵を描き、デッサンの体力がないからとポラロイドカメラで撮ったりしています。

このポラロイドカメラの画像も、私的には、かなり、気持ち悪い、です。

(この写真展はで6月7日より三菱一号館美術館でやるそうです)


バルテュスはアンナ・ワーリーの絵を描いているアトリエには、節子さんを絶対入れなかったそうです。

節子さんはどんな思いだったのでしょう?



・・・・とまあ、芸術論というより、とても低レベルな展開になってしまい、お恥ずかしいのですが、今、正直この辺です。すみませぬ。




きっとバルテュス展にまた行きます。


人間の認識はどんどん変わるものです。

また新しい見方ができるようになったら、報告しますね。












以前に書いたバルテュスの記事はこちらや、こちらなど。







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「バルテュスの5つのアトリエ」 & 最後の妻、ド・ローラ節子さんの本

2014-05-25 | スケッチ・美術展
たったいま、Eテレの日曜美術館「バルテュス 5つのアトリエ」が終わったところです。

(再放送は6月1日夜8時から、Eテレにて)

映像が美しく、美術を鑑賞しているというよりヨーロッパを旅行したような、豊かな気持ちになれる番組でした。

内容的に新しいことはありませんでしたが、バルテュスが使ったアトリエが、その時期描かれた絵とともに紹介されていき、この絵はここで描かれたのね、と良くわかって、とても興味深かったです。

あ、デヴィッド・ボウイが、バルテュスの肖像画を描いて、バルテュスにプレゼントしたというのは初めて知りました。


番組後半では、彼の最後の妻、節子さんが出ていました。

20歳まで日本にいたので、日本語は美しいですが、時々考えるときに「アう~~」「エウ~~」とかいうのは、長く海外で外国語を使っていた人が陥る悪い癖(?)ですね。

先日バルテュス展に行ったときに、節子さんの書いた本も多数販売されていて、重いカタログを買った上に、節子さんの本も2冊も買ってしまい、帰りにエコバックを肩に食い込ませて帰ったのでした。




(この写真、右の本の帯がずれていました 正しくは下の2枚目の画像のような表紙です)

ド・ローラ節子の和ごころのおもてなし (とんぼの本)ド・ローラ節子の和ごころのおもてなし (とんぼの本)



グラン・シャレの手作り暮らし -節子・クロソフスカ・ド・ローラグラン・シャレの手作り暮らし -節子・クロソフスカ・ド・ローラ

で、

スイスの現存する最古で最大の木造建築である「グラン・シャレ」に、バルテュスの死後も住んでいる節子さんの優雅な暮らし方を取材した本です。

バルテュスについては知っていても、節子さんについてはあまりしらず、興味があったので、買ってしまいました。

(重くて、あとでアマゾンで買えばよかったと思いましたが、その時はバルテュス展を見た後、帰りに一休みしつつお茶をしながらゆっくり読みたかったので・・・)


節子さんがバルテュスに出会ったのは20歳の時で、フランスで催される日本画展に出品するものを選びに来た54歳のバルテュスに一目ぼれされ、その時はバルテュスには長年暮らした愛人フレデリックがいたにもかかわらず、彼とともに渡欧し、その後結婚なさった方。

(しかし、フランス要人の通訳に大学2年生が付いたって、どういうことなんでしょう? 
彼女自体、渡欧してから言葉に困ったと本に書いていますし・・・

ほんとに通訳だったの?(素朴な疑問です)

(ちなみに知人は節子さんをバルテュスにつけた会社にいて、あとで節子さんの親から怒鳴り込まれた、と言っていました・・・)


バルテュスの趣味(?)にかなう童顔であり、また彼が小さいころからあった東洋趣味などにも通じるものがあり、バルテュスは、節子さんに惹かれたのでしょう。


バルテュスに
「着物を着ていてほしい」と望まれ、着物を着続けたという節子さんは、本当に着物姿が美しい。


しかしその当時、若くして渡欧して生活した彼女のしたであろういろいろな苦労は想像できます。


私の友人でヨーロッパ人と国際結婚しかの地で暮らしている人は、

「綺麗な家の中ね。○○(夫の名)はほんとに賢いわ。あなたと結婚したら、メイドを雇わなくても済むものね」

なんて意地悪な知人から、未だに言われると嘆いていました。

もちろん、几帳面に綺麗にしている家をほめているだけではなく、むこうからしてみると、『東洋人女性は所詮、精神的パートナーではなく、性的サービス付の『メイド』だ』、という皮肉をあてこすっているとげのある言葉です。

これは『白人』と結婚した東洋人の女性には、表だって言われなくとも、影では時には言われることもあるらしい。

とくに相手が高貴な家の出だったり、お金持ちだったり、有名人だったりすればやっかみもあって、なおのことです。

(まあ、『玉の輿』婚は別に国際結婚じゃなくてもあれこれいわれますけれども・・・)


人種差別は表面上ははっきりと見えなくても、「あれ?もしかして?」ということが重なると、長年暮生活しているうちにじわじわとボディブローのように効いてくるものです。

物事を卑屈にとらえてしまうようになりかねません。


まあそういう環境でも、夫と結婚できたことのうれしさに、ささいなことは気にも止めない人もいるし、また、何を言われてもほとんど感じないような人もいます。

実際節子さんがどうだったかはわかりませんが、いわば田舎の小娘が突然お城の御姫様になってしまったような環境の中でも、彼女は精いっぱい背筋を伸ばして暮らしていたことが本からうかがわれます。

(4人の住込みフィリピン人メイドと通いのメイド一人、都合5人のメイドがいた、メイドに髪を結わせ、お化粧をさせた、とか書いていますから、さすがに彼女がメイド扱いされたということはないかもしれませんが・・・)



そして彼女が今も住んでいるグラン・シャレは、1754年に豪農の館として建てられ、その後ホテルとして使われていたそうです。

木造のとても瀟洒な館で、その写真を見るだけでうっとり。

いつか行ってみたいです。

(行ってすぐに見学できるのかは知りませんが。。。)

40以上の部屋があり、文化遺産にも指定されているのです。

ここを気に入ったバルテュスは「何枚かの絵を描くことを約束して」画商たちにこの建物を買ってもらいます。

すごいな~~

「何枚かの絵」でこんな建物が買えてしまうなんて。


本には、グラン・シャレでの暮らしやら、お客のもてなしにはじまって、着物などを洋服や袋物にリフォームしたり、刺繍など手芸をしたり、お菓子を焼いたり、という彼女の暮らし方が取材されています。


リフォームや刺繍は、意欲的にたくさん作られていますが、残念ながら作品としては「暇つぶし」以上には見えないもので、インスパイアされるようなものはありません。

彼女も絵を描きますが、そちらもやはり素人が門前の小僧のお経のように、夫が画家なので私も描いてみました風のものに私には見えます。


それでもこの本に惹かれたのは、山下郁夫さんの素晴らしい写真と、グラン・シャレの魅力、そしてスイスの美しい自然や風物のせいもあるかも。

山下さんのお写真はそれは綺麗だし、またグラン・シャレのなかのインテリアなども素敵で、見ているとひととき優雅な気分になれます。


節子さんはバルテュス展を機に来日なさり、テレビに出られたりなさってますが、美しい日本語で語られるバルテュスの思い出はもっと聞きたいし(「うア~~」抜きで)、渋い着物の着こなしをもっと見たいなと思います。

(でもお願いだからバラエティ番組とかに出ないでね。)

(そんな貧しい人じゃないか。以前に「徹子の部屋」には出たらしいですが)

きものを纏う美きものを纏う美



グラン・シャレ夢の刻グラン・シャレ夢の刻

と、そうそう、これ

見る美 聞く美 思う美―「画家バルテュス」とともに見つけた日本の心見る美 聞く美 思う美―「画家バルテュス」とともに見つけた日本の心


も見たい(読みたいじゃなく?!)です♪



そうそう、先日「バルテュス展でのお買い物」で書いた、メレンゲのお菓子ですが、本の中に載っていました。



ベイダンオー地方の独特のお菓子らしいです。

(ベイダンオーってどこね?)

ダブルクリームをつけて食べるのがこの地方の食べ方、とありましたが、これを読んだときにはもうすでに完食・・・

濃厚なダブルクリームをつけて食べたら、どんな味なのかな?

(それを知るために次に行ったときにまた買おう、とかいうなよ、自分・・・)




さて、バルテュスの絵についても書こうと思っていましたが、長くなりましたので、次回に続きます・・・



バルテュス展の記事はこちらこちらなど。

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Balthus(バルテュス)展 @東京都美術館 &「バルテュスと彼女たちの関係」BSプレミアム

2014-05-18 | スケッチ・美術展
バルテュス展が東京に来ています。




ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめた画家バルテュス。

国内では没後初にして最大の展覧会であり、油絵だけでなく、デッサンや、愛用の品物、そしてアトリエの再現までしてある回顧展です。



日本ではあまり知名度がありませんが、この絵は見たことがある人も多いのでは。



『倒錯的な官能主義者』などといわれ、少女のエロティックなタブローを描いた作家。

こないだのぐりぐら展やらそのあとにいったムーミン展などに比べたら、それほど混んでいなくて、会場は静かでした。

なのでゆっくり見られました。

絵については、まだ何回か見に行くつもりなので、そのあとにまた語るかもしれません・・・・






また少しばかり買い物をしました。



学生時代にお金もないのに無理して買った美術展のカタログが山ほどたまっていて、

(その頃には今のようにネットで画像検索なんてできなかったので、資料は自分で集めるしかなかったのでした)

バイトして買った高いカタログは、その後引っ越しを重ねる間も、重たくてかさばるのに捨てられず懲りていたので、最近美術展を見てもはがきばかりでカタログは買っていませんでしたが、バルテュスは買ってしまいました。



バルテュスが子供のころに描いた「ミツ」という猫の物語の原画が展示されています。

これは11歳のバルテュスが描いたものを母親の愛人のリルケが気に入って出版したそうです。



その復刻版の本もありましたが、こちらはその一場面をエコバックにしたもの。





よくわからないのですが、バルテュスがお客さんに出した(かもしれない)というメレンゲのお菓子。

メレンゲのお菓子のはかなさが好きなので、ついふらふらと。

そのほかにもバルテュスが好きだった蜂蜜、なんていうのも売っていました。
「ミツ」の画面がラベルになっていて、ビン欲しさに買いそうになりました。

今度行ったら買うかも・・・・





これは最後の妻、節子さんを描いたデッサンですが、彼女が書いた本も二冊ばかり買ってしまいました。



この本についてはまたあとで・・・書くかもしれません



帰ってきたらBSで豊川悦司がでた「バルテュスと彼女たちの関係」という番組をやっていました。



バルテュスが暮らしたパリやシャシーやスイスのロシニエールの景色の中、豊川さんが、バルテュスが関係した女性を追っていく、という番組で、ちょうどバルテュス展を見てきた後だったので、とても興味深く見ました。

節子さんも出演していました。



ああ~~
またパリに行きたい・・・



なお、この番組は6月1日の15:30からBSプレミアムで再放送があるそうです。

見逃した方はぜひご覧になってはいかがでしょうか?




以前に書いたバルテュスの記事はこちらや、こちらなど。

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根津美術館 燕子花図と藤花図

2014-05-15 | スケッチ・美術展
パソコンの調子が悪くて、なかなかアップできなかったのですが・・・・



今年も根津美術館に燕子花の季節がやってきました。

尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」を愛でた後は、お庭で燕子花を愛でることができるのは、この季節の、根津美術館ならでは。



今回は尾形光琳の「燕子花図屏風」と、それから約70年後、同じ京都で円山応挙が描いた「藤花図屏風」も展示されています。



勢いのある一筆の濃淡で幹や枝を描き、そこに青と紫、白の絵具を塗り重ねで可憐な花を描いた描写はさすが写生画派の祖・円山応挙です♪


そして



四季草花図屛風 伊年印 は70種類以上もの草花や野菜を描いた金屏風です。

『俵屋宗達の工房で制作されたこうした華麗な草花図屏風は、「燕子花図屏風」や「藤花図屏風」にとって重要な前史となった』(サイトより)

のだそうです。



作品に酔いしれたあとは、お庭で燕子花を見ながら、静かな水音に耳を澄ませる美しい五月の一日でした。





『燕子花図と藤花図  光琳、応挙 美を競う』
は5月18日まで。

(以上の作品の写真は、根津美術館のサイトからお借りしてきました)


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永山裕子先生の個展始まる  透明水彩画の描き方・技法 のDVD

2014-04-25 | スケッチ・美術展
先日お知らせした、永山裕子さんの個展に行ってきました♪



会場内は写真撮影禁止ということで、入り口を外から撮ったもの。




窓があり、明るい会場です。



テレビ朝日の会場なのに、TBSの安住アナからおっきな花が贈られておりました。


絵は、それはそれは素晴らしくて、感動いたしました。

鉛筆で描かれた菊のデッサンがあり、これは製作途中の過程から見させていただいていたのですが、完成した作品も素晴らしかった。

菊って絵の具で描いてもすごく難しいのだけれど、鉛筆でもここまで描ける力があるからこそ、水彩で描いても素晴らしい作品になるのですね。

永山さんの色はテクニックを頭で考え計算して知性で描かれているというより、あふれるような感性で描かれ、あるときは「妄想」も加わって広がり、それゆえに見るものの心に直接響いてくるような色使いだと常々思っていました。

でもこうやって鉛筆デッサンを見ると、モノトーンであっても、色に惑わされない分、より静かに、心に響いてくる豊かな感性を感じるのでした。



今回は「永山流 水彩画法 永山裕子 花と静物を描く」というDVDの先行販売もありました。

これは近日中にアマゾンなどで買えるようになると思います。


いままでのDVDは

永山流水彩画法 (永山裕子薔薇を描く) [DVD] / The art of NAGAYAMA style water color painting (water color painting of roses by Yuko Nagayama)永山流水彩画法 (永山裕子薔薇を描く) [DVD] / The art of NAGAYAMA style water color painting (water color painting of roses by Yuko Nagayama)



永山流水彩画法 (永山裕子 果物と紫陽花を描く)[DVD] / The art of NAGAYAMA style water color painting (water color painting of fruits and hydrangeas)永山流水彩画法 (永山裕子 果物と紫陽花を描く)[DVD] / The art of NAGAYAMA style water color painting (water color painting of fruits and hydrangeas)




永山流 水彩画法 -永山裕子 人形と百合を描く- [DVD]永山流 水彩画法 -永山裕子 人形と百合を描く- [DVD]

などがありますが、

今回のDVDはもっと基本的なこと、鉛筆の持ち方から練ゴムの使い方、描くときの姿勢、描くときの心、地植えの薔薇などお花に寄せる思いまで、とても丁寧に説明しておられます。

それは、先生が日常教室で教えてらっしゃることです。

それが家で好きな時に何回でも繰り返して見られるなんてすばらしい。

武蔵野美術大学で講師をなさったり、いろいろなカルチャーセンターで教えられたりしてらっしゃる永山先生ですが、地理的な関係などで、そういうのには参加できないという方には、これらのDVDは大きな福音となるでしょう。


また会場では本の販売もあります。

私のおすすめは

デッサンから見る透明水彩の基本デッサンから見る透明水彩の基本



透明水彩の50作品とキーワード透明水彩の50作品とキーワード




もっと透明水彩を楽しもう。 描きたくなる12レッスンもっと透明水彩を楽しもう。 描きたくなる12レッスン



透明水彩透明水彩


・・・・わ~~

書ききれません! どの本も素晴らしいです♪
(好きすぎてでかい画像!)

ご自分で絵は描かないけれど、という方でも、見ているだけでも癒される、素晴らしい作品が満載です。

最後のは画集ですが、上に張った技法書でも美しい絵がたくさん載っています。

今回は個展会場で、絵葉書にも使える小さい画集「永山裕子の透明水彩 花とうつわ」も売っていました。

絵葉書で使うなんてもったいない、と思ってしまいますが、額縁にいれて飾ったら、毎日眺めて幸せになれそうです♪



でもま、どんなに言葉を尽くして説明しても、DVDを見ても、どんなに本を見ても、本物の持つ力にはかないません。

GW中、個展はやっているので、もしご興味がおありなら、足を運んで見られたらいかがでしょうか。

いつもの個展会場と違って、窓がたくさんある明るい会場です。

ラッキーだったら、永山先生が絵を描く「デモンストレーション」が見られるかもしれません。

(ちなみに初日はインドの方をモデルにした「人物画」で、二日目は白いバラとカンパニュラとキャンドルの「静物画」でした。初日はお昼前後、二日目は1時ごろから何回かに分けてなさっていました)



永山裕子さんの個展は4月24日から30日まで、六本木のテレビ朝日 多目的スペース  umu にて。

港区六本木6-9-1 テレビ朝日 1F

平日 11:00~19:00 土日祝 11:00~18:00(最終日は~17:00)













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永山裕子先生の個展♪

2014-04-12 | スケッチ・美術展
ホビット話が終わっていませんが、ちょっとお知らせ。

水彩画の永山裕子先生の個展が4月24日~30日まであります。


(画像悪くてすみません)

六本木のテレビ朝日 多目的スペース umu にて。

港区六本木6-9-1テレビ朝日 1F
平日 11:00~19:00 土日祝 11:00~18:00(最終日は~17:00)


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ぐりとぐら展 @銀座 松屋 懐かしい絵本

2014-03-03 | スケッチ・美術展

ぐりとぐら展に行ってきました。

日曜日、10時開店とほとんど同時

(車が銀座四丁目の交差点で曲がり損ね、裏から入ったため5分ほど遅れて)

に銀座松屋に入店して、八階でエレベーターを降りた途端、ものすごい人混み・・・

なに?・・・ラルフローレンのバーゲン・・・??

一瞬ぼうっとしてよくよく見ると、「ぐりとぐら展」を見ようと何百人もの人が押しかけていたのでした。

ええ??


間違いありません、ものすごい人。

チケット売り場に2重の長蛇の列、そしてチケットをやっと買った人や前売りなどを持っている人の列が入場口にも前が見えないほど長くなっています。

中に入ってからもぎゅうぎゅう押すな押すなの大混雑で絵が見えません。

絵の前には三重の人だかりで、潰されそうになったこどもたちが泣きわめき走り回り、抱き上げたお母さんたちがなだめようと絵の前で読み聞かせを始め、阿鼻叫喚。
さらに混雑が増しています。

「位置口付近は大変混みあっております、今のお時間ですと中の方は比較的空いております。どうぞ奥にお進みください」

係員が拡声器片手に必死で怒鳴っていたので、仕方なく初期の「いやいやえん」などは飛ばして、どんどん中に進んで展示番号7番の「ぐりとぐらの海水浴」から見ましたが、その辺だって列に並んでじりじりと進むという感じで、いまさらながらぐりとぐらの人気に本当に驚きました。

松屋の方に伺いましたが、初日からこのような混み方で、お店の方でもうれしい悲鳴を上げてるらしいです。

開催されて初めての日曜日というのもあったのかもしれませんが、子育て真っ最中のお子さん連れの家族はもちろん、ぐりぐらで育った世代やら育てた世代がみな懐かしそうに見ていました。


ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)



♪ ぼくらの名前は ぐりとぐら~ ♪
♪ この世で一番好きなのは~ ♪
♪ お料理すること 食べること~ ♪
♪ ぐり ぐら ぐり ぐら ♪


この歌を何回歌ったことでしょう。

もちろん作曲は不詳わたくしなので、我が家だけの流行歌です。

こどもの数だけ、ぐりとぐらの歌が、毎夜日本の家々で、その家のオリジナルメロディで歌われたことでしょう。

会場内で見ている親とこどもたちも、わたしの作った旋律とは違うその家の旋律で、この歌を歌っていました。


ぐりとぐらの絵本は我が家の引っ越しと一緒に世界中を回り、いまだに本棚に鎮座しております。



毎夜読み聞かせしながら、このページに毎回歓声を上げていたのはこどもだけではありません。

「明日のおやつはやっぱりカステラ・・・」

などと思いつつ、娘の寝息をききながら自分もウトウトしたものです。


「ぐりぐらカルタ」だってなんども読まされるうちに完全暗記していて、会場で絵を見ても

「みどりのらいおんみみまでみどり!」

「はてなふむ ははんとわかる めいたんてい!」

「からすの かいもの からかさ いっぽん!」

「ほしがほしいとほえるいぬ!」


などなど、数十年経た後でもすらすらと読み札が出てくるではありませんか。

いっしょに見に行った友達と、絵を見ながら読み札のあてっこをしてしばらく楽しみました。



遠い昔の記憶ながら、いつかまた、誰かにこの本を読み聞かせることがあるのだろうか、だれかとこのカルタで遊ぶことがあるのだろうか・・・・と思いながら会場を後にしました。



そうそう、出口でお決まりの「ぐりぐらグッズ」販売があり・・・・

本だけじゃなく、かわいいバッグだのハンカチだのマグカップだの、いろいろ心をそそられましたが、「モノ減らし」に取り組むのが今年のテーマなので、ここはぐっとがまんして



絵葉書を数枚買って帰ってきました。


額に入れてキッチンに飾ろうかな?

♪ぐり、ぐら、ぐり、ぐら♪






ぐりとぐら展は銀座松屋八階にて 3月10日まで。
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和歌を愛でる @根津美術館

2014-01-19 | スケッチ・美術展
毎月のように通っている根津美術館ですが、新しい年を迎え、今やっているのは

「和歌を愛でる」コレクション展です。




昨日(土曜日)の午後に出かけたのですが、この美術館にしては結構混んでいました。

「和歌」がテーマなので書道に関心のある方が多かったのではないかなと思うのですが、みなさんじっくりご覧になっていました。
ため息をつきつつ「素晴らしい!」と感嘆なさっている方も。

私が面白かったのは



「扇面歌意画巻」という巻物。

16世紀、江戸時代に書かれたもので、百首の和歌と、その和歌の内容を絵にして扇に描いた形がずら~~っと並べて描いてあります。

扇は手のひらほどの大きさで、そこに実に細かくさまざまな情景が描いてあります。

和歌の文字はわたしには判読できない部分がありますが、それを補うように絵があり、一つ一つ面白く、この巻物の前で何時間も過ごしてしまいました。

茶器もいくつか飾られていて、その中の一つ、



桃山時代(16〜17世紀)のなんとも美しい鼠志野茶碗、銘は『山の端』。

このお茶わんの箱の蓋には

「五月雨は晴れんとやする山端に かゝれる雲のうす(薄)くなりゆく」

という和歌が書かれています。

五月雨が上がっていく山にかかっている雲が、だんだん薄くなって青空が見えそうになっている、静かな情景が浮かびます。

お茶わんの中にも何本か淡い白い線が入っていて、それも実に美しいのです。

いつかこんなお茶わんでお茶をいただいてみたいものです。



また、絵の中に字が隠されている「花白河蒔絵硯箱」。
文字さがしが楽しいです。
「花」「白」「河」という文字が隠れています。


同時開催の「小袖の彩り」では江戸時代の絞り染めや友禅染のお着物が展覧できますが、その中の一つに「三毛猫」の柄が!

こんなのあるんですねえ~
猫好きな私は一人ひそかに大喜びしておりました。

(以上の画像は根津美術館のサイトからお借りしてきました)




ミュージアムショップでは室町時代の、蝶々を狙ってる猫の「牡丹猫図」のガラの絵葉書とファイルを買いました。

こういうところでは必ず買い物をします。

素敵な場所に対する評価を自分なりに表したいので、経済的に少しでも活発にするために、友人へのプレゼントなども買います。



まわりをビルに囲まれた都心とは思えない緑深い庭園の美しさ。



風情のある石段と



可愛らしい石仏様を拝みながら庭を巡り、疲れたら



お決まりの、静かなカフェでの癒しのひと時。


カフェにいる方もおしゃれな方が多く、なぜかいつ来てもフランス人がいる。

海外からのお客さんが多いこの美術館ですが、偶然とは思いますが、毎回フランス語が聞こえてきます。

素晴らしい美術館がたくさんあるお国がら、フランスの人ってやっぱり『美』に敏感なんだろうか?


今年一番の根津美術館に、ゆったりと満足させていただいたひと時でした。







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漆器の美しさ  「年を 重ねるごとに 美しく 輝く」   若林幸恵展

2013-11-12 | スケッチ・美術展

まだできたばかりの漆器が、時を経て透明感を増し、下の赤が透けて色が変化する。

使いながら艶をまし美しく育っていく、漆器というものに惹かれます。

「年を 重ねるごとに 美しく 輝く」ってなんて素敵な言葉でしょう。

漆器作家の若林幸恵さんの個展に行ってきました。



お人柄がしのばれる、シンプルなディスプレイで、美しく可愛らしい漆器が並んでいます。

私がいただいて連れ帰ったのは、両てのひらにすっぽり埋まるほどの「スープ椀」。

同じ形で数年経たものを見せていただきましたが、色は明るく変わり、透き通るような艶がありました。



右が新しいもの、左が数年経ったものです。

時々乾いた布で優しく拭くだけで、こんなに艶が出るそうです。

(両方を並べて写真を撮りましたが、肉眼でははっきりわかる違いが写真ではあまり分かり辛いかな?)

窓際に置いて夕日を当ててみると、変化する赤い色に近い色が見られます。



お料理にも、汁物にも、乾き物にも大活躍しそうな形で、これから楽しみにいろいろ使いたいです。

とりあえずは朝いつも一服点てる「お抹茶茶椀」として使ってみたら、さぞかし緑が映えるだろうなと思っています。

(安定して使うために、もう少し寝かせてから使ったほうがいいとアドバイスいただいたので、しばらくは鑑賞のみでがまんがまん。)


若林幸恵展は

2013 11月9日から14日まで。
12:00~19:00(最終日は17:00まで)

東京都渋谷区千駄ヶ谷2-28-5
tel:03-3746-1334

SHIZEN にて。








(以上の写真は若林さんの御許可をとって撮影したものです。すべての版権は若林さんに帰属します。許可ない転載はなさらないでください)
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再び、「永山裕子 水彩と素描展」へ

2013-07-04 | スケッチ・美術展
引き続き、暇を見つけては銀座に通っております。

毎日のようにしてくださるデモンストレーションで、作品がどう出来上がっていくのかを見たくて…

今回、特別に写真撮影を許可してくださいました。

(すべての画像は、永山裕子さんの許可を得てjesterが撮影したもので、版権は永山裕子さんとjesterに帰します。許可なくほかに転載などなさらないでください。)



会場の中の一角にある、デモンストレーションの場所。

「個展をしていると、「この色は何色ですか?」と聞かれることがよくあります。それにこたえるのが苦痛で、デモンストレーションをすることにしました。このようにパレット上で2~4色を混色するので、どの色、といえないのです」

とおっしゃっていました。

(どうぞ、個展で永山先生にお会いしても「この色は何色ですか?」と聞かないでくださいませ。

「作品はマラソンの伴走のように、3つぐらいを並行して書き進めます。競い合って、どれもが良くなるように考えて。でもその中で成功するのは1つぐらいしかありません」

ということで、デモンストレーションでもすでに一つは止められ、現在3つを書き進めてらっしゃいます。

不定期で行われるために、いついってもご覧になられるとは限りませんが、私が行った日はすべてデモンストレーションしてくださいました。

画家が絵をかく姿を見られるチャンスはあまりありません。どうぞお暇があったら会場にいらしてください。

ただし、すざまじい集中力を使って描かれています。

おしゃべりは厳禁、携帯の電源も切ってくださるようお願いいたします。(一ファンとして・・・)



会場があくと同時に、たくさんの人が押し寄せて、作品に酔いしれています。
一階のエレベーターは11時までは会場の5階に止まりませんので、早く来られてもお待ちいただくことになります。



「繰り返す音の先」のグリーンをバックに浮き出る白いユリ。
繰り返す音は、スカルラッティのピアノだろうか、それともバッハ・・・

しばし作品の前に佇むと、画面からキラキラ光る音がこぼれてくるようです。


永山裕子さんの「水彩と素描展」は

東京セントラル美術館(中央区銀座2-7-18)
2013年6月25日~7月6日
平日 11:00~18:30/土・日 11:00~18:00

会期中にデモンストレーションを行います。
(不定期のため、会場へのお問い合わせはご遠慮くださいませ)



最終日まで、また心を柔らかい「水」で潤してくれる作品に会いに、時間を切り詰めて、銀座に通うつもりです。




しつこいようですが・・・

(すべての画像は、永山裕子さんの許可を得てjesterが撮影したもので、版権は永山裕子さんとjesterに帰します。許可なくほかに転載などなさらないでください。

また、会場で許可なく写真撮影をすることは厳禁されております。ご了承ください。)


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